第5回ミステリー小説大賞終了

第5回ミステリー小説大賞

選考概要

編集部内での議論の末、最終候補作としたのは「母の恋人」「美少女キケン」「うつしゆめ」「呪縛の蝋」「橋 」の5作品。

最終選考の結果、満場一致で「母の恋人」が大賞に選出された。亡くなった母親が綴っていた「日記」、その内容の真贋を巡る恋愛ミステリーであり、巧みな筆致で描かれたストーリーは、いったい真実は? 登場人物たちの本心は? と読むものを惹きこませる、非常に力のある、そして完成度の高い作品であった。ただ商業的に考えれば、もう少し後半からラストにかけ真実や善悪をはっきりさせたほうが良かったのではと考えた。

また次点として評価が高かったのは「美少女キケン」。女子大生探偵を自称する薬科大生の主人公が、薬物の知識を活かし、変死事件の謎を解いていくストーリー展開はとても魅力的であった。ただ残念ながらガールズラブ的な要素が、それ自体は悪くないのだが、男女層ともに向いていないと感じられ、そこが編集部内の評価でマイナスとなった。

応募総数112作品 開催期間2012年07月01日〜末日

編集部より

亡くなった「母親の日記」をめぐるミステリーである本作は、「覗き見」をしているような感覚になりながら、しかしそうした読者の想像を裏切り混乱させていくストーリー構成が大変巧みで、続きが気になり、最後まで一気に読ませる力のある作品でした。またすべての登場人物たちが丁寧に描かれており、そこも作品の面白さ、質を非常に高めていると思います。特に「母の日記」のパートでは、焦燥感かき立てられる筆致とテンポで、真に迫った女性の情念が描かれていたと感じました。

天才クソ野郎の事件簿


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。『クソ野郎』を自認する主人公のキャラクターの斬新さ、それをうまく引き立たせる軽快な台詞回しがとても印象的でした。悩みを持つ依頼人を蔑み、コケにしながらも、なんだかんだと悪を断罪し 事件解決へと導く主人公のギャップに、多くの読者が惹かれたのではないかと思います。また短編各話ともに謎解きへ至る道筋も奇抜で、まさに『クソ野郎』と呼ぶに相応しい主人公の個性と相まった、魅力的な展開になっていると感じました。

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