第18回絵本大賞

第18回絵本大賞

選考概要

全797作品が集まった第18回絵本大賞。楽しく読み聞かせできそうな作品から、独自の世界観で読者を惹きつける作品まで、多彩な絵本が集まった。

一次選考を通過した35作品の中から、編集部による検討を経て大賞候補となったのは「ペンギンしょうてんがい おだんごやさん」「ウインニャー たびにでる!」「メロンパンとクリームパン」「かべさん」「からす」「こわがらせにいくね」「どんぐりころころ どこいくの?」「しんかいたんけん ウィーンウィンごうがいく! 1 改訂版」「おうさまかいぎ」「ぼくのなかのぼく」「カレーライス」「ぱくぱくぽん!」「pôn」の13作品。

いずれも意欲作ではあったものの、ストーリーおよび画力の双方において抜きん出た作品はなく、第17回に続き、今回も残念ながら『大賞』は該当作なしとした。そのうえで、おばあちゃんペンギンと子どもペンギンの心温まる交流を描いた「ペンギンしょうてんがい おだんごやさん」、バラエティに富んだパンが魅力的に描かれた「メロンパンとクリームパン」、カラスの宝物を美しい絵柄で表現した「からす」、子どもが喜ぶモチーフを楽しい冒険譚に落とし込んだ「しんかいたんけん ウィーンウィンごうがいく! 1 改訂版」に『優秀賞』を授与。さらにテーマ別賞では、主人公である「かべ」の個性が際立っていた「かべさん」に『アイデア絵本賞』、世界の王様たちが集まり自国を紹介する「おうさまかいぎ」に『キャラクター絵本賞』を授与。また、『ちょっと怖い絵本賞』には家の中の身近な場所をゾクッとする演出で見せた「こわがらせにいくね」、『親子で遊べる絵本賞』には野菜をモチーフにした色とりどりなドレスが目を引く「ぱくぱくぽん!」を選出。カレーライスのルーとライスが喧嘩するというユニークな展開が印象的な「カレーライス」、作品の世界観をパワーあふれるイラストで表現した「pôn」を『特別賞』とした。最終選考に残ったものの、惜しくも受賞しなかった作品については、奨励賞とした。

「ペンギンしょうてんがい おだんごやさん」は、おだんご屋さんを営むおばあちゃんペンギンと客の子どもペンギンの無言の交流を描いた物語。淡い色使いのイラストがけなげなやりとりとマッチしており、胸に迫った。

「メロンパンとクリームパン」は、多種多様なパンの中から一番を決めようとするねずみの物語。登場するパンはどれもおいしそうで、ねずみの三きょうだいも愛らしく描かれていた。

「からす」は、いろいろな場所から素敵なものを拾い集めてくるからすの物語。コロンとしたからすの造形が親しみやすく、鮮やかな色彩がハッと目を引く作品だった。

「しんかいたんけん ウィーンウィンごうがいく! 1 改訂版」は、深海を探検するウィーンウィン号の活躍を描いた物語。恐竜をはじめ、子どもが好むモチーフをうまく織り交ぜ、心躍る冒険譚に仕上げていた。

「かべさん」は、とある町にある「かべ」の意外な日常を描く物語。「かべさん」を取り巻く人々がコミカルに表現されており、最後まで楽しく読み進めることができる。

「おうさまかいぎ」は、世界各国の王様の幽霊が集まり、もっとも偉い王を決めようとする物語。王様が集まって会議をするという設定が楽しく、子どもたちの学びに繋がる工夫がなされていた。

「こわがらせにいくね」は、おばけから奇妙な手紙が届いた少年の物語。家の中にある身近なものを、恐怖心をかき立てる構図で表現している点が評価された。

「ぱくぱくぽん!」は、野菜が苦手な女の子のもとにやってきた妖精の物語。色とりどりの野菜がドレスに変身する様は可愛らしく、読み聞かせで食育ができる点も評価された。

「カレーライス」は、喧嘩をしたルーとライスが新たな相棒を探して家を飛び出す物語。テンポよくストーリーが進み、ユーモラスな展開が魅力的だった。

「pôn」は猫のポーンのいろいろな発見を描いた物語。画力が高く、現実世界とは違う広がりを見せる独自の世界観を幻想的かつ的確に表現していた。

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応募総数 797作品 開催期間 2025年12月01日〜末日

なし


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。「どんなあなたでも素敵」とタルトくんの存在を肯定する結末が柔らかいタッチで描かれています。優しい世界観が読者の心を掴んだのではないでしょうか。


編集部より

淡い色使いの絵柄が目を引く、少し大人びた雰囲気のある作品でした。ペンギンのおばあちゃんと、子どもペンギンとのやりとりが愛らしく、切なさや悲しさも感じられる情緒的なラストも魅力的です。子供だけでなく大人も一緒に感動できる絵本に仕上がっていました。


編集部より

ねずみをはじめとした可愛い動物たちが、ほんわりとした絵柄でいきいきと表現されていました。バラエティに富んだパンはどれもおいしそうで、特に見開きいっぱいにパンが描かれているページは子どもたちの人気を集めそうです。

からす

9位 / 797件

編集部より

目を引く大変美しい絵柄と、ほっこりする内容が魅力的でした。また、生活の中で日常的な存在であるからすを主人公にしている点も、子供のための絵本としてキャッチーな良い設定であり、より広がりのあるお話にも仕上げられそうな可能性を感じます。


編集部より

不思議に溢れた深い深い海の世界を舞台に、コミカルな隊員たちと探査艇が進んでいく様子がユーモラスな作品でした。子供が喜ぶモチーフはもちろん、探査艇に搭載された秘密兵器も魅力的で、楽しくわくわくする冒険絵本に仕上がっていると思います。

かべさん

8位 / 797件

編集部より

細部にわたって張り巡らされた独特なギャグセンスが光っていました。「かべ」を主人公に据えるという斬新なキャラクター設定をはじめ、ストーリーは先を読ませない展開の連続で、読み手を飽きさせない工夫を感じました。


編集部より

世界各地の王様の幽霊たちが集まるというユニークな設定が光り、子どもが楽しみながら様々な『王様』や歴史について学ぶきっかけを得られる知育絵本でした。また、各国の特徴を捉えたイラストは独自の魅力があり、読者を作品の世界に引き込むものだと感じます。


編集部より

恐怖がひたひたと近づいてくるような、読者をドキドキさせる構図の作り方が上手な作品でした。また、誰の視点だったかがわかるラストはゾクッとし『ちょっと怖い絵本賞』にピッタリなストーリーだと思います。


編集部より

野菜をモチーフにしたドレスが賑やかで、「野菜を好きになってほしい」という願いを感じる物語でした。「ぱくぱくぽん!」の合図とあわせて、子どもたちが声に出して楽しみながら食育できる作りになっていると思います。


編集部より

ルーとライスを別々に擬人化するという着眼点がユニークでした。ライスがいろいろな食品から引っ張りだこになる展開は食育的な面白さがあり、ルーがやきもちを抱く場面は子どもが自分の気持ちを見つめ直すひっかかりになるものだと思います。

pôn

Mao
450位 / 797件

編集部より

とにかくイラストの魅力が抜群で、冒頭から一気に引き込まれました。温かで鮮烈な色彩表現と、そこで描き出される主人公の猫の生命力に満ち溢れた可愛らしい姿が印象的で、大人も楽しめる絵本に仕上がっています。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

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