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捕まりました。<亀田視点>
11.朝です。
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物音か何かで目を醒ましたらしい。しかし頭の中に広がっている靄がまるでスライムみたいにぴったりと張り付いていて、完全な覚醒にはほど遠い。
眠い。
それは仕方の無い事だった。何しろ眠りにつく事が出来たのは明け方、外が明るくなって来てカーテンの隙間から薄ボンヤリとした陽の光が差し込んで来る頃だったのだ。眠れないまま悶々と夜を過ごした俺の神経も、流石に擦り切れかかっていたらしい。その頃漸く意識を失うように眠りに付く事が出来たのだ。
目を擦り無理矢理覚醒を促した。瞬きを繰り返して―――視線を感じ布団に入ったまま振り向くと、目を丸くしてこちらを凝視している大谷と目があった。
「……おはよう」
「お、おはようございます……」
頭がボンヤリとしていて、それだけ言うのがやっとだった。
「か、課長!」
「ん……?」
大谷の必死な声。あ、そうか、ひょっとしてもう時間か……?ヤバいな……早く頭をスッキリさせないと。起きて着替えて―――ああ、こんなボンヤリした頭のままじゃ、せっかく泊めて貰ったのに朝イチで事故っちまうかも。
やっとの事で体を布団から起こした。ハラハラしているような大谷の表情。これ以上彼女に気を使わせては申し訳ない。俺は瞬きをシッカリと繰り返し、それから大きく伸びをした。するとクワっと大きな欠伸が出てしまう。欠伸は脳に酸素を送って覚醒を促す為のものらしい、これで少しは頭がスッキリすれば良いのだが。
「課長!」
大谷の切羽詰まった声に、少しだけ頭の靄が払われる。
「……うん」
すると大谷が真剣な表情で掛け布団を押しのけ、その場にキチンと正座しクルリと俺に向き直った。
何だ?……何か真面目な話がありそうだな。それなら俺もちゃんと向き直らなければ。
ハッキリしない頭のまま、俺も掛け布団を避けて―――正座はちょっと辛いので取りあえず胡坐で大谷の方に向き直る。
大谷は思いつめた表情をしていた。
膝に置いた小さな手をギュッと握り込んでいる。そうして口を開きキョロキョロと周りに視線を彷徨わせて―――それからキッと覚悟を決めたように、俺を睨みつけた。
そしてボンヤリしたままの俺に向かって、こう叫んだのだった。
「抱いて下さい……!」
ダイテクダサイ……だいてクダサイ……
え……『抱いてください』……?!
な、なんだと―――?!
眠い。
それは仕方の無い事だった。何しろ眠りにつく事が出来たのは明け方、外が明るくなって来てカーテンの隙間から薄ボンヤリとした陽の光が差し込んで来る頃だったのだ。眠れないまま悶々と夜を過ごした俺の神経も、流石に擦り切れかかっていたらしい。その頃漸く意識を失うように眠りに付く事が出来たのだ。
目を擦り無理矢理覚醒を促した。瞬きを繰り返して―――視線を感じ布団に入ったまま振り向くと、目を丸くしてこちらを凝視している大谷と目があった。
「……おはよう」
「お、おはようございます……」
頭がボンヤリとしていて、それだけ言うのがやっとだった。
「か、課長!」
「ん……?」
大谷の必死な声。あ、そうか、ひょっとしてもう時間か……?ヤバいな……早く頭をスッキリさせないと。起きて着替えて―――ああ、こんなボンヤリした頭のままじゃ、せっかく泊めて貰ったのに朝イチで事故っちまうかも。
やっとの事で体を布団から起こした。ハラハラしているような大谷の表情。これ以上彼女に気を使わせては申し訳ない。俺は瞬きをシッカリと繰り返し、それから大きく伸びをした。するとクワっと大きな欠伸が出てしまう。欠伸は脳に酸素を送って覚醒を促す為のものらしい、これで少しは頭がスッキリすれば良いのだが。
「課長!」
大谷の切羽詰まった声に、少しだけ頭の靄が払われる。
「……うん」
すると大谷が真剣な表情で掛け布団を押しのけ、その場にキチンと正座しクルリと俺に向き直った。
何だ?……何か真面目な話がありそうだな。それなら俺もちゃんと向き直らなければ。
ハッキリしない頭のまま、俺も掛け布団を避けて―――正座はちょっと辛いので取りあえず胡坐で大谷の方に向き直る。
大谷は思いつめた表情をしていた。
膝に置いた小さな手をギュッと握り込んでいる。そうして口を開きキョロキョロと周りに視線を彷徨わせて―――それからキッと覚悟を決めたように、俺を睨みつけた。
そしてボンヤリしたままの俺に向かって、こう叫んだのだった。
「抱いて下さい……!」
ダイテクダサイ……だいてクダサイ……
え……『抱いてください』……?!
な、なんだと―――?!
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