姉らぶるっ!!

此葉菜咲夜

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【本幕・第3章】四条先輩爆乳進撃っ

4.ひのき風呂で魅惑の爆乳揉みですねっ!

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 四条邸のひのき風呂、大人三人は並んで座れるであろう広い洗い場。
鏡の前に座る四条春香の左肩に手を置き、右手でバスタオルを奪い取る。
鏡越しに見た先輩は、前を隠すようにうずくまり、その身を震わせる。

「これが先輩の正体です」
「……気づいていたのだな?」

 すべてをさらけ出した学内一の美女、その肩には俺の手が直接触れる。
鏡越しに見る先輩の顔は、少し青ざめ、カタカタと震えが止まらない。

ですね?」
「そ、そうだ。おそらく、父の折檻がトラウマなんだ。男性に直接触れられると、怖くてどうしようもない。蒼太郎が触れても、この有り様だ……」
「そうじゃないかと思ってましたよ。この前、プールで膝枕してもらった時に気づいたんです」
「あの時に気づいていたのか?」
「先輩は必要以上に、肌の接触を避けてましたからね」

 ここで爆乳を揉めないのは残念……
いや、これ以上の恐怖心を煽る行動は謹んだ方がいい。

 鏡は恐怖でうずくまった、先輩のしなやかな肢体を映し出している。
俺はそっとベージュのバスタオルを先輩の肩へ乗せた。

「いいのか蒼太郎? 触らないのか?」
「そういう強がりをやめたらどうです? 紗月姉も、そこに気づいてるんですよ。先輩が口だけだって、昔から知っているから……」

 今回は紗月姉に、してやられたとうことだ。
姉は四条先輩の男性恐怖症を知っているはず。
数日前、男性恐怖症を克服するための練習台に弟が使われそうになったのだ。紗月姉が怒るのも無理はない。四条春香は実直、剛健に見えるが、中身は虚勢、浅慮、自己完結型の人間のようだ。

「とにかくタオル巻いてください。湯に浸からないと風邪引きますよ?」
「すまない……」

 それだけ言うと、四条先輩は俺の隣りに浸かった。
もちろん、バスタオルを巻いている。巻いているがけしからん大きさだ。
さらに俺の下半身に巻いたタオルの中も、けしからん形態だ。実にけしからん。

「本当に広い風呂ですね。この香りが癒されます」
「いつでも入りに来ていいぞ」
「いえ、それは先輩の家の人に怪しまれるでしょう」

 先輩は短いため息を落とし、憂いの表情を見せた。

「父は商社勤めの会社員でな、剣道場は夜間の大人の部だけ見てるんだ」
「俺はてっきり生粋の剣術家だと……」
「祖父の代までは、剣術指南が家業だった。時代の流れだろうな、剣道人口は減りつつある。門下生が減れば、別の収入源が必要になるだろ?」
「先輩のお父さんって帰るの遅いんですか? この前も今日もいな――」
「女のところにいる。母とは一二年前離婚、その母は五年前に亡くなった」

 なにか聞いてはいけないような、複雑な家庭事情を聞いてしまった気がする。
先輩は浴槽の淵に肘をつき、そこに顔を乗せて目を閉じた。

「すみません。変なこと聞いて」
「わたしの家庭事情は、紗月さんから聞いてないのか?」
「父親しかいないとしか聞いてませんでしたから……」

 四条春香と青山姉妹あねたちは、昔からの馴染みだ。
だから、ある程度お互いの家庭事情を把握している。
特に紗月姉は親友でもあり、なんでも相談できる姉妹のような存在だ。

「……蒼太郎。その腰のタオル、巻いている意味あるのか?」
「おわっ!」

 話に夢中になって、自分の下半身から完全に注意が逸れた。
薄っぺらい腰巻きタオルでは、格納不可能な形態に変貌を遂げた物体。
水中で反り返った形状は、まさにネス湖の怪獣のようだ。

「タオルの上からでいいなら……その、あれだ、この前みたいに」
「えぇっ!? うわ! ちょっと待ってください!」

 腰巻きタオルを奪われて、タオル越しにペニスをしごかれる。
先輩の余った左手は、無意識に俺の左手と絡まった。

 この前と大きく違うのは、先輩がよそ見をせずに集中していることだ。
まさか、爆乳報酬が向かい合っての手コキに変わるとは……

「そ、蒼太郎……前と違うじゃないか! 小さくなったぞ!?」
 
 湖の怪獣は水中でフニャチンに戻ってしまった。
この反応は、花穂姉ちゃんの時と同じだ。四条春香の肌に反応しない。

「先輩が男性の肌に触れて震えるように、俺も女性と接触すると萎えるんです」
「おかしいじゃないか。プールの時はずっと大きなままだったぞ」

 どうやら、ここでカミングアウトしておかねばならないらしい。
こんなのドン引きせずに、受容できるのは花穂姉ちゃんぐらいだ。

「俺は先輩の競泳水着に反応したんです。あの日もらったスイムサポーターで、帰宅後何回オナニーしたと思います? 五発から覚えてませんよ。先輩の匂いを嗅いで、体液を口に含んで味わってみたり……俺は異常なんです! 変態なんです!」

 こういう行為を笑って許容してくれるのは、うちの変態姉妹だけだろう。
引かれて、嫌われてしまうのを覚悟してカミングアウトしたのだ。
先輩は隣りで、完全にそっぽを向いてしまった。

「ぶふっ!! ぷっ! くっ! ダメだ……笑いが止まらない」
「あれ? 引いちゃってますよね?」
「蒼太郎は正直じゃないか。そんなぐらいで引くわけがないだろう」
「変態ですよ?」
「違うな。変態は外でコートを開いて、男性器を婦女子に見せつける輩だ」
「またそれ極端な変態と比較しますね!」

 ザブリと勢いよく浴槽から出た先輩は、そのまま脱衣場へ行ってしまった。
風呂場の外でなにやら物音が聞こえる。着替えているのだろうか。

「これでいいか? 今日は水泳部に顔を出したんだ。ちょうど洗濯機にあった」

「風呂場で競泳水着ですか……すごい興奮します」

 再び湯の中に入った先輩は、俺の左手を自分の胸に誘導した。
今、史上最高のおっぱい撃を掌握したのだ。少し力を込めれば揉める。
男と生まれたからには、誰でも一生のうち一度は夢見る爆乳揉み。
その一撃目を風船を掴むように、フワリと感触を味わった。

「んっ!」
「柔らかくて気持ちいい」
「蒼太郎……小さくなるのも早いが、巨大化するのも早すぎだろ」

 競泳水着姿を見た瞬間から兆候はあったが、再び湯の中にネス湖の怪獣出現。
腰巻きタオルは先輩に奪われたまま、湯船にプカプカ浮かんでいる。
恥ずかしさからなのか、思わずそれを取って股間を隠してしまった。

「風呂の熱気もそうですけど、理性飛びそうです」
「蒼太郎の理性が飛んで、わたしは水着を脱がされる。青ざめて、肌の接触行為に恐怖で震えながら、激しく犯されるんだろうな」
「う……それ逆に冷静になりますよ。ワザと言ったでしょ?」
「すまない。では、始めよう」

 先輩の右手は先程のように、タオル越しにペニスをしごき始める。
俺の行き場のない両手は、先輩の張り出した乳房へと着地した。
触れるだけで心地いい。水着の繊維の感触も興奮度をグングン高める。

 絶頂が近づいてくると、四条春香へのを思い出した。
これは聞いてもいいのだろうか。それ以前に本人が答えてくれるのかどうかだ。
とりあえず、目の前に差し迫る浴場暴発の後でいいか……
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