姉らぶるっ!!

此葉菜咲夜

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【本幕・第8章】四条先輩爆乳要撃っ 後編!

4.下着を脱いだら選択を迫られてますっ!

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 コンビニからの帰り道も、来たとき同じように先輩と手をつないで歩く。
時間は午後一〇時半前、大通り沿いのコンビニのため、時折通行人とすれ違う。

 同年代ぐらいの男性は、高い確率ですれ違うときに先輩を二度見する。
胸元のファスナーをあげているが、張り出した胸のボリューム感、それに加え湿った髪と石鹸香りで色気が凄まじい。

「先輩って、やっぱりモテるんですね」
「違うだろう。ああやってジッと見る輩は、この乳房への興味だろう」

 確かに服の上からでも、けしからん大きさがわかるが、それだけではない。
美しさでは紗月姉が一番だと思っていたが、四条春香も勝らずとも劣らず。
などと考えながら先輩の手を取り歩いていると、若い男の集団すれ違う。

「おい、見ろよ。あの乳でけえ女。彼氏は姫咲高だぜ。あいつら、今から帰って一発やるんだろうな。うらやま死刑だな」
「揉み放題アーンド吸い放題か? 彼氏!」

 すれ違いざまに聞こえる声。パチンと柏手を打つ音。
プールで二人組に絡まれた日を思い出したのか、先輩の手がカタカタと震える。
震えを抑えるように強く握り返し、細い歩道を早足で進んだ。

「無視してそのまま行きますよ。絶対に振り返っちゃダメです」
「うん。蒼太郎……あの馬鹿者共は、なにをはやし立てているのだろうな?」

 先輩を引き連れて、歩いている光景は誰が見ても羨ましがるだろう。
湿った髪や石鹸の匂いで風呂あがりとわかるし、避妊具が入った半透明のコンビニ袋を持っているってことは、今からカップルが部屋に帰ってセックスをすると公言しているようなものだ。








◇◇◇








 先輩の私室に戻ってアイスを食べたあと、使い捨て歯ブラシで歯を磨いた。
二階の部屋にあがると、照明が薄暗く落とされている。先輩はベッドにいるようだ。

「あの……先輩? 俺の布団、床に敷いてないんですけど……」
「蒼太郎のレンタル期間、二四時間はまだ先だ。制服を脱いでこちらへ来てくれ」

 毒々しい程のピンクだらけの家具の部屋、ベッドシーツも布団類もピンクだ。
先輩は掛布団を少しめくって俺をベッドに誘う。ジャージは脱いで下着姿だ。

「俺、寝るときはTシャツ脱ぐんですけど……これ着てると眠れないんです」
「構わないよ。今夜は蒼太郎の体温を感じながら眠りたい」

 制服のワイシャツとズボンを脱いで、Tシャツを脱ぐと勢い余ってパンツをおろしそうになった。その様子を見た先輩は、驚くでもなくクスクスと笑いをかみ殺している。

「おっと」
「ぷくくっ……助走は、ほどほどにな」
「助走って……では、お邪魔しますよ」
「ああ、来てくれ」

 ベッドに入ったとき、先輩の下着のデザインが気になった。
純白のツルツルした生地のブラジャーは中央と紐にリボンの飾りがあり、パンツのサイドは花柄の刺繍で装飾されている。まるで、紗月姉ばりのセクシーランジェリーだ。

「そういう下着、先輩も身につけるんですね……」
「こんなの一着だけだ。紗月さんと買いに行ったんだ。今日初めてつけてみた」
「似合ってますよ。すごくきれい」
「紗月さん曰く、というらしい。剣道の勝負に負けた日に勝負下着か……ところで、勝負下着の勝負とは、なんの勝負なんだろうな?」

 この人、意味もわからずセクシーな下着姿を俺に見せているのか。

「勝負はさて置き……なんですか、さっき買った雑誌は?」
「ああ、これだな。今から蒼太郎と読もうと思って」




 午後一一時過ぎ。ベッドの上に座って、膝まで布団を掛けている。
先輩は俺と肩が接触する距離で、買った雑誌を広げてまじまじと見る。

 『女の子のHOW TO SEX』は、一〇代女子向けの雑誌の別冊号のようだ。
男女の交わりをイラストで解説している本で、人気AV男優が各ページでマッチョな肉体を披露している。ページをめくるたびに、きわどい内容になっていく。

「普段、雑誌とか買うんですか?」
「この雑誌は紗月さんがよく買うんだ」

 また、紗月姉の真似。特に自分が読みたいワケではなさそうだ。
記事はそこそこ面白いが、文字の羅列が眠気を誘う。

「先輩……俺、寝ます」

 まずい事態が発生。パンツが膨らんでくる。
エロ本に反応したのではなく、隣りで密着する先輩に反応したのだ。
下着に触れて、一時的な反応だと思いたい。

「消灯しようか……」

 部屋は暗くなった。先輩が布団の中でモソモソ動いている。
脱ぎたてのブラジャーとパンツが枕元に置かれた。

「……先輩!?」
「わたしからは手が出せない。あとは蒼太郎が判断してくれ。姉たちの言葉に左右されず自分で決めるんだ」

 咄嗟の判断からなのか、はたまた欲望に駆り立てられたのか……
借り物のパンツを脱ぎ、先輩の体に覆いかぶさっていた。
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