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人質として隣国から連れてこられたレオン=フィエラ。皆は彼を「性悪で無愛想な子ども」と呼び、誰も彼には近づかなかった。
そんな彼に近づいたこの国の王子様。セシル=リヴェールは、レオンと反対に、「穏やかな太陽」と呼ばれていた。普通なら無縁の2人。
だけれど王子様は、悪い話しか聞かないレオンには、何か隠されたものがあると感じ取っていた。
それもそのはず、レオンには前世の記憶があった。
人質として連れてこられたこの国を滅ぼす記憶。
前世のレオンは、まだ精神が幼く、利用されていた。
この国の者と深めていた絆を自らの手で壊してしまった。
だから仮面をかぶっている。
「どうせ壊すなら、最初から誰にも好かれなければいい。こんな俺を好きになるやつなんて、ただの物好きだ。」
という考えのもと、彼は行動していたのだ。
文字数 7,936
最終更新日 2025.06.23
登録日 2025.06.23
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