蒼望 結

蒼望 結

わたしと蒼い糸、結いませんか?¦あなたと縁を結びたい駆け出しVtuberの蒼望 結(あおみ ゆい)です! 普通に小説を書くのがすきで趣味としてやってます。オタクです。 よろしくお願いします!
1
恋愛 完結 短編
※本編すべて縦書き読み推奨です。 退廃と孤独を纏う青年・雪は、決まった誰かを必要とすることも期待することもなく、ただ「自分勝手に生きる」日々を選んでいた。 酒とタバコに逃げるような夜、彼は寂れた路地裏で、一人の女と出会う。
ラベンダー色の髪と瞳を持つその女――水樹千弦。冷たく、他人に興味を持たないように見える彼女は、まるで人間の感情を拒むように静かで、そして美しかった。 
偶然を装い、会話を交わし、少しずつ重ねられていく時間。最初は興味本位だった雪が惹かれていくほどに、千弦の内側には「人を嫌う理由」と「それでも誰かと繋がりたい痛み」が見え始める。 「期待しなければ期待されないものよ、彼らはね」 孤独を美学に変えてきたふたりが、路地裏の小さなバー〈twinkly〉で語らう夜。
煙の向こうに揺れる心の影が、やがて互いの過去を映し出していく。
プラネタリウム、花屋、夜明けのベランダ――無機質な都市の片隅で、ふたりは「期待」と「救い」の境界を探していく。
壊れたままの大人と、大人になりきれなかった子供。
それぞれの傷を抱えたまま、ほんの少しだけ歩み寄るように。 
「ほら、俺ばっか見てるとシャッターチャンス逃すんじゃない?」 
「……そうね。同じ瞬間は二度と来ないもの、大切にしないとね」 他者に期待されることを恐れてきたふたりが、初めて「誰かの隣にいる」ことを選ぶ。
それは恋ではなく、赦しでもなく――ただ、同じ空気を吸い、同じ光を見上げるという奇跡のような共存だった。 都市の喧騒から少し外れた路地裏で、煙と光のあわいに交わる二人の孤独。
そこに生まれるのは、誰かの救いを待たない“静かなユートピア”。 孤独を知る全ての大人に贈る、再生と赦しの物語。 
――あなたの心の奥にある「路地裏」は、まだ誰かを迎え入れる余地があるだろうか。
24h.ポイント 0pt
小説 213,490 位 / 213,490件 恋愛 61,967 位 / 61,967件
文字数 30,412 最終更新日 2025.10.26 登録日 2025.10.26
1