「違うからこそ、愛してる」
違うからこそ、
あなたを愛してる。
言葉が足りなくても、
その心が伝わるから。
あなたの目は、
言葉よりも深く、
私の心を見透かす。
無言の優しさに包まれて、
私はただ、微笑むだけ。
違うからこそ、
理解し合えるのは、
言葉にできない想いを
互いに感じ取るから。
時には、
戸惑いと苦しみが
私たちを遠ざけるけれど、
それでも、
心はいつも近くにある。
あなたが感じる孤独、
私が抱える混乱、
違っているからこそ、
それを補い合うんだね。
愛は、
決して完璧じゃない。
でも、
あなたと私の間には、
言葉にできない絆がある。
違うからこそ、
私たちはお互いを大切にする。
ただ、存在しているだけで、
どんなにかけがえのない宝物を
与え合っているんだ。
違うからこそ、
私はあなたを愛してる。
その違いが、
私たちをもっと深く結びつけるから。
文字数 68,213
最終更新日 2024.12.20
登録日 2024.12.15
「伯爵夫人の憂鬱」
薄闇に揺れるシャンデリアの影
冷えた寝室に響く無言の風
「愛さない」と告げた声は
硝子のように私を砕いた
期待という名の小さな灯火
それさえ消えてなお燃えるのは
貴族の娘としての務めの炎
義母の言葉は静かな波
紅茶の香りに紛れる鋭い真実
「愛なくとも、この家を守る」
その重さに背筋を正す
愛人の存在も隠されない
嘲笑うかのような運命の糸
だが、私はここに立つ
薄紅のドレスに身を包み
この家を支える伯爵夫人として
「あなたが幸せであることが
未来を織りなす鍵」
その言葉が心を突き刺し
冷たい涙の海を温めた
夜空の星に願うことは
決して多くはないけれど
堂々と生きるその姿
それが私の誇りとなる
愛を求めず、光を諦めず
冷たい城に咲く一輪の花
その名を人は呼ぶだろう
「伯爵夫人の憂鬱」と
文字数 22,214
最終更新日 2024.12.16
登録日 2024.11.27
憧れから始まった恋
舞はソシオパス
舞は冷徹な心を抱き
感情の波を乗り越えて生きる
その目には、優しさも怒りも映らず
ただ、静かな計算が広がるだけ
人々の喜怒哀楽を横目で見て
そのすべてに、同じ重さを感じることはない
愛も憎しみも、遠い世界の話
彼女にとって、感情などは無駄なもの
けれど舞は、ただ冷徹なだけではない
その目の奥には、消えぬ闇のような力
誰もが気づかぬ間に
その手は静かに世界を操る
計算された微笑み、鋭く研がれた言葉
彼女の周囲には、無駄なものはない
欲望も、目標も、すべてが明確で
彼女の進む道には迷いがない
舞はソシオパス、その名の通り
感情を脱ぎ捨て、理性をもって生きる
でも、それは冷徹だからこその強さ
生きるため、闇の中でも光を見つける
彼女は気づいているだろうか
その強さの裏に潜む孤独を
誰もが触れられないその場所で
舞は何を求め、何を失ったのか
けれど、今も彼女は歩き続ける
冷徹な心で、世界を切り開き
ソシオパスとして、無感情のままで
彼女の存在は、どこまでも遠く、冷たく
舞の歩みは、誰にも止められない。
文字数 76,432
最終更新日 2024.12.16
登録日 2024.12.16
『妹の特権』
妹の笑顔は、
まるで春の風のように柔らかい、
無邪気な言葉に包まれて
世界はほんの少しだけ優しくなる。
手を伸ばせば、
すぐに届く場所に
あたたかな光があり、
その光の中で、私はただ
影になっているだけ。
お兄さま、あなたの目は
私を映すことなく、
パスカルに微笑みかける。
その瞬間、胸が痛むのは
私だけが知っていること。
妹として、
あなたに甘える権利があることを
心のどこかで知っているけれど、
その権利が私には
重すぎて、
手が届かない。
私はただ、
あなたの優しさを
遠くから見つめている。
けれど、それが
私の特権であるかのように
感じる瞬間がある。
妹という立場に
甘えてはいけないのかもしれないけれど、
あなたの温かい声に
私はただ応えているだけ。
それが、私の特権ならば、
少しだけ、
その光に包まれて
生きてみてもいいのだろうか。
けれど、
光の中で私がどんなに
見えないようにしても、
妹の特権は、
いつも空回りして、
届かない場所に
消えていく。
文字数 48,100
最終更新日 2024.12.14
登録日 2024.12.09
「わたしの婚約者、聖騎士は、聖女に魅了されてしまった」
彼の瞳に映るは、
輝く神の御使い、
聖女アカリの微笑み、
その美しさに心は奪われ。
わたしの愛した人は
もう遠く、
その手は
聖女のために伸びている。
言葉もなく、
誓いもなく、
ただその視線に
溶けていくように。
わたしが与えた愛は
ひとときの光、
聖女の影に隠れ、
無力さに涙をこぼす。
彼の心、
知らぬ間に変わり、
彼が望むものは
私ではなく、
神のような彼女だけ。
それでも、
心の奥に残る一縷の希望—
「戻ってきて」と、
彼が振り向くその日まで。
割れた茶碗のように
愛は壊れたけれど、
新たに作ることができるなら—
わたしは、待つしかない。
聖騎士よ、
どうか戻ってきて、
わたしのところに
再び手を差し伸べて。
聖女の魅了は解けても、
あなたの心が再び
私を選んでくれることを
信じて待ち続ける。
文字数 16,011
最終更新日 2024.11.29
登録日 2024.11.29
ゆるふわ かわいい伯爵令嬢は婚約破棄がお嫌い
ふわりと風が吹く午後
陽だまりの中で微笑む君
可愛い笑顔に包まれて
まるで夢のような世界だね
でも心の奥にひとしずく
悲しみがひっそりと潜んで
婚約破棄なんて言葉は
君の世界には似合わない
ふわふわとしたドレスの裾
歩くたびに揺れて
周りの誰もが見惚れるけれど
君の瞳は遠くを見つめて
結婚の約束が破られること
それがどれほど辛いことか
想像もできぬ私たちが
君の痛みを分かち合えるなら
だけど君はまだ信じている
愛はきっと続くと
だから笑顔で見送る
君のその強さが胸を打つ
ゆるふわ可愛い伯爵令嬢
婚約破棄なんて嫌いだよね
でもその想いが叶う日を
私は信じて待ってるよ
文字数 22,774
最終更新日 2024.11.24
登録日 2024.11.24
「婚約者であるわたくしを貶めようとしてハニートラップをかけてくるあなたたち、ざまぁですのよ」
「ざまぁですのよ」
婚約者を貶める企みの
浅はかなるその手管
扇を広げ、笑みを浮かべ
ざまぁですのよ、と告げる私
陰影の奥に潜む影
嫉妬と野望、蠢く心
王宮のバルコニー、冷ややかな風
真実の剣、光を纏い
リチャード様の忠誠は鋼の如く
誘惑の炎、届きもしない
私の微笑み、凛として
愚かなる者たち、膝を屈す
「慈悲深きわたくしの名を
深く胸に刻みなさいませ」
その声は裁き、あるいは赦し
未来を紡ぐ、王家の調べ
計略破れ、顔色を失う
令嬢たちよ、見下ろす私
勝利の余韻、胸に秘め
それでもなお、優雅に去る
扇の端で描く弧は
清らかなる誇りの証
ざまぁですのよ、囁きに変わり
私の勝利、永遠に刻む
文字数 12,052
最終更新日 2024.11.22
登録日 2024.11.22
文字数 285,739
最終更新日 2024.06.21
登録日 2024.04.03