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魔術の名門に生まれながら、一般的な魔術を使えない青年リオフェリス。没落しかけた家と家族を救うため、莫大な結納金と引き換えに、天才魔術師アデルヴァリテへ嫁ぐことを決める。
しかし、アデルには不穏な噂があった。
過去に迎えた四人の配偶者は、いずれも離縁後に消息不明。
人里離れた屋敷の地下室では、人間を材料にした禁忌の実験が行われているという噂まで流れおり、いつしか人々は彼を「人喰い魔術師」と呼び、恐れるようになった。
覚悟を決めて屋敷を訪れたリオを迎えたのは、無愛想な夫……に、なるはずの人物と、命令に忠実すぎる魔道人形たち。呆然としていると、アデルから鍵の束を手渡され「この鍵で開く部屋へは、どこでも好きに出入りして良い。ただし、黒い鍵で開く地下室にだけは絶対に入るな」と強く言われる。
言いつけを守りながら、慣れない屋敷で家事に励み、食事を取らない夫を心配し、少しでも良い妻になろうと奮闘するリオ。ところがアデルは、リオが地下室へ近づかないことに、なぜか不満そうで――。
噂とは裏腹にどこか抜けている人嫌いの天才魔術師と、自分の望みを知らない生真面目な花嫁のお話。
文字数 8,283
最終更新日 2026.11.07
登録日 2026.10.30
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