山なき鳥

山なき鳥

自分の書いたものを読んで頂けるということ。それはとても幸せなことだと思います。ご閲覧ありがとうございます。
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失われていく血と命はトクトクと染み出て、乾いた地面に吸い込まれてゆく。 少女の瞳は、その様子を呆然と見つめていた。 別世界からやってきた者は、愛を剥かれて地に堕ちる。 死に魅入られた少女を拾い上げたのは、孤児院を管理している老魔術師だった。 異世界の孤児院にて。体を癒された少女は、新たな生活を送ることになる。 彼女と生活を共にするのは、老魔術師と四人の少年少女たち。 そこに住む孤児らは心に深い傷を負いながらも、少女を愛し、慈しむ。   人として認められなかった獣人族の少年。 笑顔を剥がす願いを叶えた、哀れな少女。 肢体が腐り落ちる夢に侵さた空色の少女。 からっぽの世界を瞳に映す、嘘窓の少年。 死の向こう側を見据えた彼らが、生に価値を見出すとき。  ――少女は遠い、旅に出る
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文字数 273,066 最終更新日 2017.10.08 登録日 2017.08.28
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