寒風亭双魚

寒風亭双魚

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6月上旬の土曜日。七文字高校吹奏楽部の定期演奏会は成功裏に終了した。翌日は日曜日という事もあって、めったにできない部員同士の夜更かしを楽しんでいた。ボードゲームを楽しむグループやお気に入りのプチプラコスメの話に興じるグループが居る中、ユーフォニアム担当の高城いちかは、自分には縁遠いと思っている「コイバナ」をするグループに入っていた。そのグループの一人・木村くるみは保育園に居た頃の、少し不思議な男の子の話を始める。その男の子「たいきくん」が弾いてくれたピアノ曲の事、他人の感情を不思議な表現で言い表すこと、小学校に上がってすぐの夏休みに千葉に引っ越してしまったこと、そしてその時に貰った「文章のない手紙」のこと。異なる2色の緑で塗りこめられたその手紙には、どんな意味があるのか。いちかは同級生の亀井みほなや石塚秀章、そして中学の頃からの腐れ縁・柳澤秋太郎を巻き込んで手紙に込められた意味を探ろうとする。
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文字数 84,361 最終更新日 2023.12.31 登録日 2023.12.31
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