望月つむぎ

望月つむぎ

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SF 連載中 長編
いじめ、無関心、不条理、私欲、自殺、死。 現代社会ではたったひとりの人間の死など取るに足らない事象だ。 そう嘆いている男がいた。血塗れのよれたスーツを着て、どこにも繋がっていないマイクを握って。暗い場所でひとり、声高に訴え続けていた。 お前らはこれでいいのか。このまま、あいつらに殺されたまま消えてしまっていいのか。 俺みたいな哀れな人間は、もう増えなくていい。 ---自殺なんて、もう誰もしなくていい。 「俺たちで、苦しみを知っている俺たちで、なくす」 その言葉ひとつで、作り上げられた機関。 現世と常闇の間に存在する、死者が生きられる機関。 天国と呼ぶにはいささか現実的で、賑やかすぎる場所。 「自殺者の発見、監視、救助」を掲げるその機関は世界中に置かれることとなり、日本では「前哨」と呼ばれることとなった。 前哨の目が今日もまたひとり、自ら命を投げ出そうとする人間を見つける。 この物語はフィクションです。 実際の人物、団体、宗教などとは関係ありません。
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文字数 5,272 最終更新日 2019.07.02 登録日 2019.06.15
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