ビジネスの成功は“体力”で決まる――。成功者の多くは「体力おばけ」であり、24時間365日働いても疲れない、そんなイメージがあるかもしれません。確かに、体力があれば長時間働くことができ、毎晩飲み会に顔を出して人脈を作れます、インプットもアウトプットも、トライ&エラーも、体力があればいくらでもできるでしょう。しかし、体力という身体的な能力は、生まれながらの体質が大きいものです。また、年を取るごとに体力は目減りしていきます。「体力ありき」で考えるのではなく、「タフじゃなくても」結果を出す方法を模索することが長く働き続けるコツではないでしょうか。一流企業のゴリゴリの営業部で結果を出し、現在は起業家として活躍する秋山さんは、じつは先天的な心臓病を抱え、学生時代の怪我が原因で、視力が低下しています。「タフじゃなくても」結果を出す、ビジネスマンの働き方、考え方を教えていただきます。
20~30代の若手社員は寝食を忘れて仕事に没頭することもあるでしょう。責任世代の40代以上の管理職も、食事をおろそかにしながらプロジェクトに取り掛かることも時にはあります。
起業家の私も、仕事が忙しくなると、食事について毎回細かく考えている余裕はありません。以前はストレス解消も兼ねて、好きな時に好きなものを食べるということをしていました。ラーメンを食べる、ラーメンを食べるとビールも欲しくなる、ビールがあると餃子も欲しくなる……という欲望の赴くまま頼んでいました。多忙な時は23時ごろ、それも週3くらいでそんな食生活をしていたので、体重もみるみる増えていました。夜に満腹になるまで食べるので胃がもたれ、睡眠の質も下がりました。「私は何をしているんだろう」と我に返り、そのような食生活は止めたほうがいいと思いました。
とはいえ、健康的な食生活が大切だということは、誰でも分かっていると思います。よく言われるのは、野菜を食べよう、たんぱく質を取ろう、お菓子ばかり食べてはダメ、コーヒーはほどほどに、エナドリは寿命を前借りしている等等。しかし、多忙なビジネスマンにとって、食事について毎回細かく考えている余裕はありません。今日は何gのたんぱく質が足りない、今日はどの野菜をどれだけ食べる、水分量はあと何mL必要、そんなことを毎日細かく管理していたら、私はたぶん続きません。だから私が大事にしているのは、完璧な食生活を作ることではなく、最低限守りたいものを決めて、それを仕組み化することです。
そもそも、理想的な食事とはどんなものでしょうか。炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素に加えて、ビタミンやミネラル、食物繊維などもバランスよく摂る必要があります。食事でいえば、ご飯やパンなどの主食、肉や魚、卵、大豆製品などの主菜、そして野菜などの副菜をバランスよく組み合わせていく。もちろん、毎日の食事でこれができれば理想的です。
しかし、忙しい毎日の中で、毎食すべての栄養バランスを考えて、理想通りの食事を続ける。そんなことは、不可能です。そこで私は、4つのことだけ意識しています。それは水2L、野菜、プロテイン、ナッツこぶし一握り、これだけは毎日食べるということです。そして、この4つを毎日摂取するために、「食事の仕組み化」を作り上げました。
まず、水2Lです。もともとの私はかなり水分を摂らない人間でした。喉が渇いたら外で買って飲む。そしてせっかくだから、とジュースを選んでしまっていました。しかし、周囲に健康のために水2Lを毎日飲んでいる人が複数いて、私も試してみたところ、結構自分に合っていました。調べてみると、水は体温調節や体のさまざまな機能を正常に保つために欠かせません。水の摂取が正常な身体機能や認知機能の維持に関係すると言われていますし、水分不足が進むと、身体的なパフォーマンスだけでなく、集中力や思考力にも影響が出る可能性があるそうです。
しかし、意識する、だけだと一日の終わりに自分が何L飲んだのか分からなくなります。大体、コップ一杯200mLとして、水筒なら300mL、ペットボトルなら500mL……。計算が面倒くさいことこの上ありません。だから毎朝、職場の近くのドラッグストアで2Lの水を1本買います。ペットボトルを見れば、「まだ半分残っているな」「今日は全然飲めてないな」とすぐに分かります。午前中に半分くらいまで飲めると、自分の中ではいいペースです。ただ、もともと水を飲む習慣がないので、全然進まない日もあります。夜になって、「あれ、まだこんなに残ってる」となることもあります。
飲み切れない日は、それはそれでいい。ただ、「あとどれくらい残っているかが一目で分かる」だけで、かなり習慣化しやすくなりました。2 L飲み切れた日は、「今日も飲み切った」という、ちょっとした達成感もあります。
次が野菜です。私は仕事の都合上、夜が外食になることが多く、帰宅時間も遅くなります。牛丼屋や、チェーンのラーメン屋だと、肉、ご飯、麺、それだけで終わってしまう。そうすると、野菜がほとんどない食事になってしまうんですよね。正直、水より習慣化は難しいと思います。
野菜をとることを意識しはじめると「野菜を食べられる店を探すのが大変」ということに気づきました。サラダ専門店が都合よく会社の近くにあればいいですが、なかなかないですよね。ですので私は、野菜専門店を探していません。その代わりどの店に入っても、まず「野菜を″追加”できないか?」を確認するようにしています。たとえば、牛丼屋ならサラダを追加する。かつややCoCo壱番屋でもサラダを頼む。サイゼリヤならサラダを一品追加する。家系ラーメンなら、ほうれん草をトッピングで増量する。コンビニならサラダやサラダパスタ、スーパーならカットサラダを選びます。個人経営のお弁当屋さんでも、できるだけ野菜が多く入っているものを探します。
私の中では、300円程度までなら野菜を追加するために使っていいと決めています。毎回完璧な食事を目指すのは難しくても、「入った店で野菜を一品足す」くらいなら、それほど難しくありません。ポイントは、「今日は野菜が取れなかった」で終わらせず、その場で追加できる方法を探すこと。これをルールにしてしまえば、外食中心の生活でも野菜を取る習慣は作れます。