“怪物”亀山ד天才”岡本 スペシャル対談

DMM.com会長・亀山氏×『モンスト』生みの親・岡本氏――二人が考えるお金と仕事と未来(後編)

アイディアを形にする“不満力”と“売り込む力”

岡本:この二人が対談して何が生まれるか(笑)

亀山:俺はクリエイターじゃなくて商売人だから、そういう「何かを生み出す」部分は岡本さんみたいなアイディア溢れる人たちに、どんどんお願いしたいと思っている。いつの時代も「おっちゃん」は、新しいものについていけないしねぇ。まぁ、岡本さんとは同い年なんだけど(笑)

岡本:アイディアはたくさんあります。ただアイディアを形に出来るか否かは、現状に対する不満を持ち続けられる気持ち次第だと思っていて。そういう意味では、エロでも、パチンコでも、不満だらけです(笑)

亀山:でもそういう発明家に限って、オラオラ系なもんだから社会とうまく合せられない(笑) 俺は、そういう発明家がじゃあどう形にして証明できるのか、マネタイズをどうすればいいのかってところで、「じゃあちょっと、俺に任して。売ってくるよ♪」って。で、上前撥ねちゃう(笑) だからみんな、アイディアいっぱい持ってきてねぇ~。

岡本:発明は欧米で、商品化するのは日本っていう評価もありますけど。

亀山:日本は良いものを昔からいっぱい作っているのに、売り方がイマイチだなーと思うところはたくさんあって。俺だったらこうするのに、って思うところもいっぱいあるよ。日本だけじゃなくて、例えばアップルのやり方も、俺だったらiPhoneも、もっと安くして広めてデバイスに慣れさせて、シェアを広げるところからやるし。そういう不満というか、原動力はあるね。

未来は明るくて楽しい方が良い 

岡本:亀山さんの印象は、「損切りが早くて、下調べをしない」。良いんじゃね?って、気持ちで進むし、さっと引く。そんな感じがある。

亀山:ピンチを予感して、先先に手を打ってしまう。全力でやってしまうと、生きるか死ぬかまでアクセルあげちゃうときついじゃない。欲がないと仕事はできないけど、ありすぎると目の前のことしか見えなくなっちゃう。そういう意味では、ほどほどのバランスは保とうとしている。

そういえば、露天商でアクセサリー作って売っていた時も、売れるキャラクターを考えて作るんじゃなくて、作ってみて売れたものに注力していったよね。

岡本:僕は、下調べをしないと踏み込まないところがある。大きいところを見込んで進む。

亀山:一応調べてるんだよ。ただちょっとずつ投げないと調査できないし、軽く打ってて、感触良ければどっと進む。DMM.Africaも、俺が定期的にやってる「心の旅」の途上で思いついたことだし、今度、水族館もやってみようと思ってるけど、全部成り行き。

成り行きだけど、合理的に計算して仕事はしているつもり。でもやっぱりプライベートでは、非合理性を大切にしたいよね。夕日に向かって走るみたいな。無駄に感動するじゃない(笑) まあ、こういうことを繰り返して死んでいくんだろうね。

岡本:僕はデジタルで自分がやっていない分野で天下取ったら、あとはどこかの国で細々とボードゲームを作りながら生きたいですね。その時は酒も飲めてることでしょうし。まあ、でもまだまだ先ですね。みんなの笑顔と幸せに貢献できるところでトップは取れていないから。

亀山:俺は子どもたちに残さないための消費に入るかな。けど、いい人って言われたいから、亀山塾で、良いことも悪いことも教えたい(笑) それは東京じゃなくてもいいけど、若いやつといるとやっぱ楽しいよね。まあ、でもまだまだやることはたくさんあるな。

岡本:僕はDMMこそが、これからのVRを切り拓くと思っています。そこに僕も攻めて行きたい。

亀山:あ、やっぱり最後はエロで締めくくっちゃう?(笑)

岡本:岡本の真面目に、境界はありません。DMMは無敵すぎて、ガラパゴス化してるから、新しい血が必要なんです。

亀山:じゃあ、明るく楽しい未来のために(笑)、一緒に頑張りましょうか。

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プロフィール

岡本吉起
岡本吉起

チームを率いてヒットを飛ばす“山賊系”ゲームクリエーター。愛媛県出身。株式会社コナミ、株式会社カプコンと渡り歩き、数々のヒット作、ゲーム作品を生み出す。独立し、立ち上げたゲームリパブリック社で「十数億」の債務を抱えるも、アプリゲーム「モンスターストライク」で再起。「ゲーム」では成し遂げたとして、現在は「パチンコ」、「エロ」も制覇すべく、エンターテインメント界の三冠を目指して禁酒中。

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