UAEのOPEC脱退の衝撃、黒幕は米国とイスラエルか?サウジアラビアとの物別れで進む中東再編

2026.05.07 Wedge ONLINE

 サウジが軍事的関係をパキスタンと強めるのも、UAEがイスラエルの「アイアン・ドーム」を導入したのも「米国だけでは自国を守れない」という前提が一段と明確になっているからだ。UAEは今回、OPEC脱退という「贈り物」をトランプ大統領に届けたが、脱退の決断が正解だったのかはまだ分からない。

 いずれにせよ脱退はサウジとの対立が限界にまで高まった象徴だ。UAEがOPECに加盟したのは首長国連邦として国が統合される前の1967年。サウジを兄貴分として敬い、関係は親密だった。ムハンマド大統領が皇太子時代はサウジのムハンマド皇太子とともにトランプ大統領と面会したこともある。

 しかし、両国の関係はイランが支援する反政府フーシ派が支配力を強めたイエメンに軍事介入した後から軋みが生じるようになる。サウジが傀儡のイエメン暫定政府を支援する一方、UAEはイエメンの分離派「南部暫定評議会」を支援し始めたからだ。これにより、イエメンはフーシ派、暫定政府、「南部暫定評議会」の三つ巴の内戦に発展した。

 イエメンの他でも両国は対立を深めた。内戦の起こったスーダンでは、政府軍をサウジが支援、反政府の「即応支援部隊」をUAEが援助し、戦闘が激化した。リビアでも反政府の「リビア国民軍」の支援をめぐってサウジとUAEが対決した。

次は湾岸協力会議からの脱退?

 UAEは湾岸の情報センター、観光・金融の拠点として目覚ましい発展を遂げたが、これに嫉妬したサウジのムハンマド皇太子の行動がUAEのムハンマド大統領を激怒させた。ムハンマド皇太子はUAEのドバイに支店を置いていた各国の企業に対し、サウジのリヤドに移転するよう要求。拒否すれば、サウジとの商取引をさせないと脅したからだ。

 今後何が起きるのか。UAEのサウジ離れは続くとの見方が一般的だ。考えられるのはUAEのGCCやアラブ連盟からの脱退だろう。

 それと注視しなければならないのはサウジがどう動くのかだ。OPEC脱退でUAEになんらかの報復をするのかどうか。

 今回の脱退劇ではイラン戦争でホルムズ海峡が封鎖され、石油市場が混乱している情勢下では、影響が小さいとの判断がUAE側にあったとみられているが、中東再編の流れは止められそうにない。

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