ズボラお金術

「今月いくら使った?」に答えられない人が今すぐやるべき、たった1つのこと

2026.07.14 公式 ズボラお金術 第5回
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世の中には、2つのタイプの人がいます。
1つは、お金が自然に貯まるタイプです。こういう人はなんとなく支出の管理ができ、収入に見合った暮らしができ、貯蓄もちゃんとでき、投資なんかにもチャレンジしたりして、普通に暮らしているだけでお金が貯まっていきます。
もう1つは、なぜかお金が貯まらないタイプです。贅沢をしているわけじゃないのに貯蓄は増えず、たまに支出が収入を超えてしまう月があったり。使っていないサブスクを解約するのが面倒で、放置していたり……。良く言えば「おおらか」、ちょっと悪く言うと「ズボラ」と言われてしまうような人です。

この連載では、こうしたタイプの違いを「変えられない性質によるもの」として割り切り、ズボラな人でも、無理せず、ラクに、ズボラなままで、お金が貯まっていく・増えていく方法を、ファイナンシャルプランナーの岩切健一郎さんに解説していただきます。
お金のプロでありつつ、自身がADHDの特性を持ち、お金のトラブルに見舞われた経験が豊富な岩切さんだからこそ知っている、ズボラな人でも今日からお金が貯まりだすノウハウが満載です。

ズボラは支払いをカード1枚に集約すべし

今回は、「ズボラなままでお金の土台を作る方法」の3つめについてです。
ここまで、「意志を信用しない」「仕組みを作る」「一人でやらずに誰かとやる」というお話をしてきました。
今回は、ズボラさんのお金の管理をシンプルにする方法をご案内します。
今この瞬間からできる具体的なアクションがあります。
それは「メインで使う支払い方法をクレジットカード1枚に絞り込む」ということです。

「えっ、それだけ?」と思われるかもしれません。
「Paypayも使うし、交通系ICも便利だし、クレジットカードも何枚かある」
「いろいろ使い分けた方がお得では?」
そう感じる方も多いと思います。しかし、安心してください。
ズボラな私たちにとって大事なのは、細かいお得を追いかけることではありません。支払いの流れを単純にして、把握できる状態を作ることです。

おすすめは、明細がすぐ見られるクレジットカードをメインにすることです。
ただ、人によってはPayPayや交通系IC、iDなどが生活の中心になっている場合もあるでしょう。その場合も考え方は同じです。
とにかく、メインで使う支払方法を1つ決めて、できるだけそこに集約する。これが、ズボラな人のお金管理をラクにするための、とても強力な方法です。

この方法には大きなメリットが2つあります。
1つは、管理コストを減らせること。もう1つは、家計簿の代わりになることです。
詳しく解説していきます。

複数の支払方法を管理するコストは、ズボラさんには重い

なぜ、メインで使う支払方法を1つに絞ったほうがいいのでしょうか。
一番大きな理由は、管理するための脳の負担を減らせるからです。支払い方法が複数あると、私たちの頭の中では、無意識に細かい処理が増えていきます。

「Aカードの引き落としは27日だから、その前にあの口座にお金を移して…」
「Bカードは10日払いだけど、今月はいくら使ったっけ?」
「PayPayにいくら入っていたっけ」
「交通系ICのオートチャージって、どのカードに紐づいていたっけ」
「このカード、年に1回使わないと年会費がかかるタイプじゃなかったっけ」

こういうことが積み重なることで、そのうち確認すること自体が面倒になってきます。面倒になると、人は見なくなります。見なくなると、どこで何にいくら使っているのか分からなくなります。結果として、支出そのものが管理できなくなります。

「今月キャッシュレスでいくら使いましたか?」
この質問にすぐに答えられない方は、お金の管理という点においてかなり危険信号です。
支払い方法を1つに絞ることで、管理するための労力は劇的に下がります。
基本的には、
「引き落とし日にメイン口座にお金が入っているか」
「今月いくら使っているか」
この2つを見ればよくなります。いくら使ったかも把握しやすくなります。
特に管理が苦手なズボラさんにはピッタリな方法だと思います。

これは、管理が苦手な人にとっては非常に大きいです。いくつもの支払方法を分散させて数千円分のポイントを取るより、自分で把握できる状態を作るほうが、長い目で見れば圧倒的に価値があります。
ズボラな私たちに必要なのは、「一番得な方法」ではなく、「一番管理が面倒にならない方法」です。支払い方法1つにするだけなら、ズボラな私たちでも、お金を簡単に管理できる気がしませんか?

支払い方法の一元化は、最強の自動家計簿になる

支払い方法を1枚に絞る最大のメリットはもう一つあり、「利用履歴が、そのまま家計簿になる」という点です。
家計簿が続かない理由はシンプルです。記録する作業が面倒だからです。レシートを取っておく。ノートに書く。アプリに入力する。費目を分ける。こうした作業は、マメな人でも面倒です。ズボラな人には、なおさら続きません。

でも、すべての支出を1枚のカードに集約してしまえば、記録はほぼ不要になります。
アプリやWeb明細を開くだけで、自分がどこで、何に、いくら使ったのかが、日付順に綺麗に並んでいます。
「今月、ちょっと使いすぎたかな?」と思ったら、明細を確認すれば完了です。
これこそが、私たちが目指すべき「頑張らない家計管理」の最高到達点だと思います。その意味で、明細がすぐ確認できるクレジットカードはかなり優秀です。
だから私は、支払い方法を絞る場合に、現状で一番使っているクレジットカードに集めることをおすすめしています。

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プロフィール

岩切健一郎
岩切健一郎

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®。1986年生まれ。29歳で適応障害とADHDの診断を受ける。コンサルティング会社から外資系保険会社の営業職を経て、現在は保険代理店に在籍しながらフリーランスのファイナンシャルプランナーとして活動中。自身が発達障害当事者であり、過去には借金を背負い生活が苦しかった時代も。「お金の専門家」でありながら「お金に苦労した当事者」という二つの視点を生かし、SNSやインターネットを通じて全国から寄せられる相談に応じている。自身の経験に基づいた当事者に寄り添うアドバイスには強い説得力があり、お金の苦手意識が強い人や発達障害当事者はもちろん、その家族からも厚い信頼を得ている。

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