ズボラお金術

「あとでやる」は失敗フラグ!お金がずっと貯まらない人が無意識にやっている共通点

2026.06.23 公式 ズボラお金術 第4回
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世の中には、2つのタイプの人がいます。
1つは、お金が自然に貯まるタイプです。こういう人はなんとなく支出の管理ができ、収入に見合った暮らしができ、貯蓄もちゃんとでき、投資なんかにもチャレンジしたりして、普通に暮らしているだけでお金が貯まっていきます。
もう1つは、なぜかお金が貯まらないタイプです。贅沢をしているわけじゃないのに貯蓄は増えず、たまに支出が収入を超えてしまう月があったり。使っていないサブスクを解約するのが面倒で、放置していたり……。良く言えば「おおらか」、ちょっと悪く言うと「ズボラ」と言われてしまうような人です。

この連載では、こうしたタイプの違いを「変えられない性質によるもの」として割り切り、ズボラな人でも、無理せず、ラクに、ズボラなままで、お金が貯まっていく・増えていく方法を、ファイナンシャルプランナーの岩切健一郎さんに解説していただきます。
お金のプロでありつつ、自身がADHDの特性を持ち、お金のトラブルに見舞われた経験が豊富な岩切さんだからこそ知っている、ズボラな人でも今日からお金が貯まりだすノウハウが満載です。

すぐやる、誰かとやる仕組みを作る

今回は、「ズボラなままでお金の土台を作る方法」の2つめについてです。
2つめは、「すぐやる・誰かとやる仕組みを作る」です。

人生のバランスを崩すのは、いつも派手な失敗とは限りません。
むしろ本当に怖いのは、「あとでやろう」を何度も繰り返すことです。

口座開設を後回しにする。
書類の提出を後回しにする。
家計の確認を後回しにする。

一つひとつは小さな先延ばしでも、それが積み重なると、お金は整わず、制度も使えず、資産形成も始まらず、気づけば何年も経ってしまいます。
しかも厄介なのは、後回しにはその場の痛みがほとんどないことです。
今やらなくても、誰にも怒られない。すぐに罰があるわけでもない。
だから脳は、「今はいいか」を選び続けます。

その結果、私たちは大きな失敗ではなく、小さな先延ばしの連続で損をしていくのです。
特に、ズボラさや不注意、気の散りやすさがある人にとって、「あとでやる」はほぼ失敗フラグです。
ズボラな私たちにとって、「今すぐやる」という選択肢は、本当にその瞬間すぐにやらないと一瞬で消えます。私たちの最大にして最強の敵は「後回し」なのです。

例えばスマホの通知が来てしまうだけで後回しになってしまいます。
「後にしよう」はもはや挨拶のようなもので、気づけばその「後」が、一週間、一ヶ月、そして一年、と膨れ上がっていくのを、ズボラのみなさんはきっと経験していますよね。

以前、ズボラであり続けるためには「仕組み化が大切」という話をしました。
ただ、仕組みを作るのを後回しにしてしまっては意味がありません。
どうすればこの「後回し」を防ぐことができるのでしょうか。

必要なのは、気合いではありません。「明日から頑張る」という決意でもありません。
必要なのは、一人の意志に任せない仕組みです。「一人でやらないこと」、その心は、「他人の目という強制力を利用すること」です。

なぜ、自分一人だと「明日」に逃げてしまうのか?

なぜ私たちは、これほどまでに後回しにしてしまうのでしょうか。
それは、「自分との約束」は、破っても誰にも怒られないからです。
「今日は疲れたから、明日レシートを整理しよう」
そう決めて、もし明日やらなかったとしても、警察に捕まるわけではありません。誰かに叱られることもありません。
ただ、自分が自分に対して少しだけ「あぁ、またできなかったな」という落胆を感じるだけです。
そして、私たちはその「自分への落胆」に慣れすぎてしまっているのです。

逆に言うと、自分との約束でなければ守れる人は増えます。
いくらズボラでも、会社には出勤していますよね。
だからこれを逆手にとって、私たちに有効なのは、「サボるとちょっと恥ずかしい」「やらざるを得ない」という健全なプレッシャーを、外から自分にかけることなのです。

その具体的なやり方を2つ、お伝えします。

NISAがいつまでも開設できなかったTさん

まずご紹介するのは、30代の男性会社員、Tさんのエピソードです。
Tさんは、法務部で複雑な契約書のチェックをする仕事に就いています。
ただ、プライベートでは事務作業に極端な苦手意識を持っていました。
そんなTさんが私のところに相談に来た理由は、「NISAをやりたい」ということでした。

聞いてみると、NISAの仕組みはYouTubeで勉強して分かっている、口座も途中まで作った、ただ途中まで作ってから半年が経ってしまった、とのこと。
「岩切さん、私、本当にダメなんです。新NISAをやろうと思って、口座を作ってる途中に分からなくなってしまって。そこから半年が経ってしまって」とTさんは、申し訳なさそうにおっしゃいました。
「メールで案内を見た時は、やんなきゃと思ってたんですけど、どんどん面倒になってきて」

これは、Tさんが怠慢だからではありません。
NISAの口座開設には、「本人確認書類のアップロード」「パスワードの設定」など、脳に負担をかける「細かい決定」がめちゃくちゃ多いです。アンケートも非常に多く、ストレスに感じる方も多いと思います。
仕事で脳のエネルギーを使い果たしているTさんにとって、NISAの口座開設での不明点を調べること自体が苦行だったのです。

そこで私は、Tさんに一つの提案をしました。
「Tさん、今Zoomを繋いでいるこの時間で、開設の最後までいきましょう」
そこからZoomを繋いだままにして設定、時間にして20分。半年放置していたNISA口座の開設が、一緒にやることで一瞬で終わりました。
その後、口座が開設されて買い付けをするところまで一緒にZoomを繋いで完了させました。
誰かと一緒にやるだけで、半年間滞っていた作業もすぐに終わらせることができるのです。
大切なのは、「一人でやるのが難しければ、誰かと一緒にやること」です。

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プロフィール

岩切健一郎
岩切健一郎

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®。1986年生まれ。29歳で適応障害とADHDの診断を受ける。コンサルティング会社から外資系保険会社の営業職を経て、現在は保険代理店に在籍しながらフリーランスのファイナンシャルプランナーとして活動中。自身が発達障害当事者であり、過去には借金を背負い生活が苦しかった時代も。「お金の専門家」でありながら「お金に苦労した当事者」という二つの視点を生かし、SNSやインターネットを通じて全国から寄せられる相談に応じている。自身の経験に基づいた当事者に寄り添うアドバイスには強い説得力があり、お金の苦手意識が強い人や発達障害当事者はもちろん、その家族からも厚い信頼を得ている。

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