サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会で、日本代表は最多優勝を誇るブラジルに1―2で逆転負けを喫し、3大会連続5度目の決勝トーナメントでも初勝利はならなかった。しかし、報道では健闘を称える記事が多く、帰国を出迎えたファンの声援も温かい。一部メディアでは早くも森保一監督の続投の可能性も報じられる。
対照的なのがお隣の韓国だ。今大会は欧州や南米の強豪国で対戦がなかったものの、1次リーグで敗退し、韓国国内ではメディアも世論も批判の声が渦巻く。
アジアのライバルだった日韓の関係も、近年は日本が圧倒し、同じくしのぎを削っていた野球と同様に両国のレベル差が開いている。
「大惨事」(スポーツ朝鮮)、「史上最悪のW杯」(日刊スポーツ)――。読売新聞は6月28日付でウェブにアップされた記事で、韓国メディアが、自国の1次リーグ敗退を厳しい論調で伝えたことを報じた。
ロイター通信によると、韓国代表が6月30日に仁川国際空港へ帰国した際には、数百人のファンが洪明甫監督や協会を批判する横断幕を掲げて、怒号を浴びせるなど異様な空気に包まれたという。
日本代表が7月2日に複数便で帰国した際の成田空港では、スポーツニッポンによれば、約500人のサポーターが出迎え、「日本代表、ありがとう!」という声も響いたという。まさに対照的な光景だろう。
今回の韓国代表は、エースストライカーのFW孫興民(ソンフンミン、ロサンゼルスFC/アメリカ)らを擁し、1次リーグA組はチェコ、メキシコ、南アフリカと欧州や南米の強豪との対戦もなかった。しかし、チームは初戦のチェコには逆転勝ちを収めたものの、メキシコと南アフリカに連敗。32チームに枠が広がった決勝トーナメントへの進出が果たせなかった。
戦力や対戦相手の関係から期待が高かったゆえに、一転して落胆が怒りへと変わったことは明らかだろう。
そんな韓国の惨敗の要因は何だったのか。
まずは、試合結果とともに批判にさらされている、指揮官を巡る不透明な選考過程だ。
2024年7月にドイツ人監督が解任され、後任として2度目の監督に就任したのが、洪氏だった。韓国のKリーグ・蔚山(ウルサン)現代を率いて前年まで2連覇をしていたが、韓国メディアは協会トップと洪氏が名門大の先輩、後輩の関係だったことから、密室で選ばれた不透明な選考だと批判。「TBS NEWS DIG Powered by JNN」の報道では、2年前から監督選考が国会でも厳しく追及されてきたという。
洪氏は現役時代、2002年の日韓W杯では主将として韓国をベスト4に導き、Jリーグでもプレーした名DFだった。14年のW杯ブラジル大会でも代表を率いて1次リーグ敗退しており、戦力や対戦相手に恵まれながらも2大会連続での決勝トーナメント進出を逃したことで、選考過程が世論の批判を集めることとなった。
李在明大統領が自身のSNSで「人事が万事であると証明された。能力よりも身内びいきを重視して無能な人を指揮官に選べば、結果は火を見るより明らか」と協会を批判するなど、当面は事態が収拾する気配はなさそうだ。
日本ではブラジル戦の勝敗が決まる前に、サンケイスポーツが、日本サッカー協会が森保監督に続投要請を検討していると、異例の3期目の可能性が報じたほか、朝日新聞もブラジル戦後の7月1日付のウェブ記事で、すでに本人に非公式に1年の契約期間で続投を打診していると伝えた。指揮官の評価も、日韓両国で明暗が分かれた。