「寝たのに調子がよくない」人に教えたい睡眠法

たまってしまった睡眠負債を返済する3つの方法とは?(写真:EKAKI/PIXTA)
免疫力の高い体をつくったり、日中のパフォーマンスを最大化するためにやるべきこと。それは、たまりにたまった睡眠負債を返済することと、体内時計を調整したり、セロトニンを増やしたりして睡眠の質を上げること――そう語るのは『最強の睡眠 世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった』の著者で、睡眠研究家の西川ユカコ氏だ。本記事では、「睡眠負債」を返済するための具体的メソッドを紹介する。

今こそ睡眠負債を返済する絶好のチャンス

前回(「たいていの人は自分の『睡眠タイプ』を知らない」)お伝えしたとおり、免疫力を高めるための睡眠時間も、成人が心身ともにずっと健康でいるために必要な睡眠時間も7~9時間です。ただ、忙しい皆さんのことなので、コンスタントに7~9時間眠れている人はかなり少ないでしょう。

ですが、時短勤務や在宅勤務などで平時よりも時間が作りやすい今なら、睡眠負債の返済に取り組み始める絶好のチャンスであるといえます。早速、私が普段から用いている下記のチェックシートで、あなたの睡眠を検証してみましょう。

チェック1は睡眠負債がたまった場合の特有の症状、チェック2が睡眠不足のときに起きる主な症状です。

さて、結果はどうだったでしょうか。働き盛りのビジネスパーソンならば、多かれ少なかれ睡眠負債はたまっているはずです。免疫力強化のため、また最高の体調で最大のパフォーマンスを発揮するために、それらをできるだけ早く返済していきましょう。

まず、睡眠負債は1週間単位で考え、検証していきます。もっとも、誰でも数週間で完済できるというわけではありません。私自身もかつては相当にひどい状況だったので、完全な状態まで戻すのに1年以上かかりました。でも、そんな私が今はすっかり「絶好調」。ですから、慌てる必要はありません。

これから紹介する3つの方法を試していけば、心身の「調子がいい」を確実に感じられるようになるはずです。睡眠の専門家として、1人の体験者として約束しますから、できることからしっかりとやっていきましょう。

①平日はいつもより30分早く寝る

最も無理がなく、かつ自分に合った睡眠時間に近づける方法です。いつも24時に寝床についていた人なら、それを23時30分にします。見たいテレビがあっても断行してください。

これを1週間実践してみると、睡眠負債がたまっている人はとくに何も感じませんが、さほど負債がたまっていない人は、少し調子が上向くはずです。とにかく1週間、30分早く寝た自分を褒めながら、次の週はさらに30分早く寝るようにします。

こうして30分ずつの短縮を淡々と進め、平日でも毎日7~9時間の睡眠を確保できるように持っていきます。そして、今後はそれを守ります。

なぜ30分ずつ早めるのがいいのか

7~9時間睡眠のどれが今の自分に合っているかは、試してみて最も心身の快調を感じられるところをつかむしかありません。難しければ、まずは8時間を目標にするといいでしょう。

ちなみに、なぜ30分ずつ早めていくかというと、それが誰でもいちばん無理なく眠りにつきやすいからです。いつものリズムをいきなり変えようとすれば、かえって寝つくことが難しくなって逆効果です。

ご参考までにお伝えすると、いつも寝床につく2~4時間前を「睡眠禁止帯」と呼びます。これは1日の中でも脳波的にいちばん眠りに入りにくくなる時間帯です。ただし睡眠負債をため込んでいる場合は別です。

例えばいつも25時に寝ている人が、21時や22時などいつもよりずっと早い時間に眠れるのなら、どんどん早く寝てしまってください。私もそうやって睡眠負債の返済スピードを上げました。