GAFAの部長が20代で教わった上司の超「金言」

ビジネスにおいて、相手に「ちゃんと伝わるか」「反論されないか」と不安になったら、どのように考えればよいでしょうか? (写真:xiangtao/PIXTA)

皆さんの上司は尊敬できる人でしょうか? 仕事でいちばん成長を実感できるのは、心から尊敬できる上司にめぐり会えたときではないでしょうか。

私は40歳のとき、17年間勤務していた日系メーカーからGAFAのうちの1社に転職しました。GAFAで求められるのは論理力、分析力、行動力、マネジメント力といった高度なビジネススキルでしたが、これらを身に付けることができたのは、20代のころに所属していた経営企画部の本部長だったNさんから受けたロジカルシンキングや問題解決の教えがあったからでした。

Nさんはロジカルシンキングを教える際、「おいしいカレーを作るには何が必要か、要素分解してみて」「『ジャンクフードを食べると肥満になる』と同じくらい、論理が飛躍してるよ」など数々の名言を残されました。ここでは、拙著『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』から私が学んだNさんにまつわるエピソードをお伝えしたいと思います。

悩むな、考えろ

いつも楽観的な僕も、たまには難しい顔をしていたことがあるようで、Nさんが声をかけてきました。

Nさん「どうしたの? 深刻そうな顔して」

僕「来週、全国の営業責任者に今やってるプロジェクトの説明をするんですけど、『ちゃんと伝わるかな』とか、『反論されないかな』と考えると心配で」

Nさん「なるほど。寺澤くんの今の状態は考えてるんじゃなくて、悩んでるだけだよ。悩んじゃダメだよ、考えないと

僕「僕は悩みなんかないタイプなんですけど。心配も悩みのうちですか」

Nさん「少なくとも仕事に関してはそうだね。だって、心配をして、何かが前に進んだかい?」

僕「いえ、全然進んでないです……」

Nさん「でしょ? 悩むっていうのは現状、もしくは将来を悲観して嘆くことなんだよ。すでに現状起こったことで悩むならまだしも、まだ起こってもいない将来のことについて嘆くなんて、時間の無駄だよ

僕「確かにそうですね……」

Nさん「だから、悩まずに考えるんだよ。考えると、物事を前に進められるからね。例えば今の件なら、『どこが反論されそうな部分』か、自覚してるよね? だったら、『反論されたらどうしよう』って心配するんじゃなくて、『どんな反論がくるか』を事前に考えて洗い出しておいて、それぞれの反論にどう返答すべきか、どうすれば納得してもらえるかをしっかり準備しておいたほうがよほど有益だよね」

僕「そうですね! ちょっとプレッシャーにやられてました。今から考えて準備します!」

人に仕事を頼むときは背景をすべて話す

Nさん「寺澤くん、1つ仕事をお願いしたいんだけど、いいかな?」

僕「もちろんです!」

Nさん「じゃあ、ちょっと背景を話すね」

……そのまま、たっぷり1時間。

僕「いやー、詳細までよくわかりましたけど、なんかこれだけ時間を取ってしまって申し訳ないです」

Nさん「いや、人に仕事を頼むときは、全体感を持ってもらうためにこれくらい詳細なところまで説明しないとね。全体感を持っている人からじゃないと、僕が思うアウトプットは出てこないからね。頼んだのはいいけど、最初の1時間を節約した結果、欲しいアウトプットが出てこなかったら、余計時間がかかるから、意味ないじゃん

僕「おお、確かに認識の違いで手戻りが発生したら、僕とNさん双方の時間を大きくロスしちゃいますもんね。納得です!」

その後……。

時が経って、僕に後輩ができた頃、僕も後輩にはとにかく僕と同じレベルで背景を知ってもらうことに全力を注ぐようになりました