堀江貴文氏、新球団設立「経営面の不安感じない」

堀江氏が新球団を設立して独立リーグ参入を狙う理由とは(撮影:梅谷秀司)

今年発足した九州アジアプロ野球リーグに、新球団「福岡北九州フェニックス」を設立して参入すると表明した堀江貴文氏が、オンラインで「緊急記者会見」を開いた。堀江氏による参入は一部メディアが先行報道したが、以後、問い合わせが殺到したため緊急記者会見を開くことにしたとのこと。

まず設立母体である福岡北九州フェニックス株式会社の槇原淳展社長が経緯を説明した。堀江氏はオンラインサロン「HIU」(堀江貴文イノベーション大学校)を主宰しているが、ここに今年1月、旧知の九州アジアプロ野球リーグの「火の国サラマンダーズ」神田康範代表から独立リーグ設立の話があった。

堀江氏は、オンラインサロンのメンバーで運営ができるのではないかと思い球団設立を決断。そしてメンバーの一人の、元銀行マン槇原氏が社長に手を挙げ北九州市に本拠を移すなど準備を進めた。北九州市役所もこの動きに賛意を示した。リーグ参入の最終決断は夏から秋に行う。北九州市民球場(収容人数2万人)を本拠地として使用するが、それ以外にも適宜空いている球場を使用するという。

堀江氏「1年とかで終わるのはまずい」

ここで堀江氏が登場した。堀江氏は、「スポーツを見に来るコアなファン層はもちろんだが、たまにしか野球を見ないようなライトな人たちにいかに楽しんでもらうか、これがチャレンジになる」と強調した。

オンライン会見に登場した堀江氏

堀江氏は2月から独立リーグ、ルートインBCリーグの「埼玉武蔵ヒートベアーズ」のアドバイザーに就任している。この球団の経営母体は、株式会社温泉道場という温泉を中心とした複合型のアミューズメント事業を運営。北九州球団も野球だけでなく、多様な楽しみ方を提供したいとのことだ。

今年1月のオンラインサロンでの議論が始まりで、何年もかかるのではなくスピード感をもって事業参入まで持っていけたのは良かったとしたが、同時に「1年とかで終わるのはまずい」「ちゃんとやっていけることが大事」と強調した。

北九州でのスポンサー営業を本格的に開始するが、同時にNPBのドラフト終了後の11月に、リーグと合同でトライアウトを実施、また単独でもトライアウトを行って選手を集めていく。監督などの人事は未定とのこと。

筆者は事前質問で「独立リーグはこれまでNPB球団と人的交流があり、資本関係はないものの部分的な連携をしてきました。ドラフトで選手を輩出することも含め、NPBとはどういう関係性を持ちたいとお考えですか?」と言う投げかけを行った。

これに対しては堀江氏は「独立リーグは野球のすそ野を広げると思う。NPB球団では当落線上の選手が出てくる。実力があってもポジションの問題などではじき出される選手が、独立リーグでプレーして再びNPBに戻っていくのは良いのではないか、また選手以外にも連携を強化していきたい」と語った。

「ソフトバンクホークスの王貞治会長が『16球団構想』を提唱しているが、どう考えるか」との質問には、「近い将来、検討の余地はある。これから10年はアジアの時代だ。経済、人口が成長しているのは世界でもアジアだけだ。そのアジアでMLBに対抗できるようなスーパーリーグができれば盛り上がるだろう」と語った。

今年発足の九州アジアプロ野球リーグ(写真:筆者撮影)

さらに「(福岡ソフトバンクホークスの地元の北九州ではなく)NPBがない地方での球団設立のほうがいいのでは?」との問いに対しては、「北九州は多くのプロ野球選手を輩出しているし、経済規模も大きい。可能性は大いにある」と答えた。