限られた時間で仕事を終える「ダンドリ力」の極意

(写真:EKAI/PIXTA)
部下にはうまく指示が通らず、上司は相談したいときにいつもいない。取引先からはなかなか返事が来ない……。こうした状況を回避して、効率よく仕事をこなすにはどうすればいいのでしょうか。本稿は、『限られた時間で必ず仕事が終わるダンドリと予定の立て方』から一部抜粋・再構成、「ダンドリ力」を身につける方法をご紹介します。
 

コミュニケーションにおけるダンドリ力の高め方

なるべく効率よく仕事をこなしたいと思っても、どんな仕事も1人では完結しないもの。社内の人間や取引先など、周りの人とのスムーズなコミュニケーションがあってこそ、仕事は効率よく回ります。今回は、部下に指示を出す、上司に報告をする、先方に仕事を依頼するといった際に心掛けたい「コミュニケーションにおけるダンドリ力の高め方」についてお伝えしましょう。

①ダンドリよい指示の出し方

自分が指示を出して、人に仕事を依頼する場合もあります。自分が伝えたいことと、相手に伝わったことは違うという前提に立って、相手が具体的に依頼内容を理解できるように指示をします。指示の出し方がよければ、最短距離でタスクが完了し、仕事の効率もアップします。ミスを最小限に抑えることにもつながります。

指示を出す立場としても、仕事は5W3Hが大事です。何をしてほしいのか(What)は伝えても、それはなぜか(Why)、どんな目的があるのかを伝えなければ、その仕事の大切さも、全体像も伝わりません。目的を共有できれば、指示されたことをただ作業するだけでなく、主体的に仕事に取り組んでもらえるようになります。

スケジュール(When)の指示は、希望を伝えつつ、相手のスケジュールを確認して調整します。どのタイミングで報告がほしい、事前に確認や打ち合わせをしたいなど、お互いの動きとスケジュールをその場で決めておけば安心です。

なお、聞き間違いが起きる可能性もあるため、紙に書いて渡したり、紙を見せながら説明すると確実です。

『限られた時間で必ず仕事が終わるダンドリと予定の立て方』P.103
②相手に仕事をちゃんとやってもらえる指示の出し方

指示を出すときは、使う言葉にも配慮が必要です。「それ」「あれ」などの指示代名詞が多いと内容がわかりにくく、双方の理解のズレを生みます。また専門用語、略語は相手が意味を理解しているかどうかが大切です。言葉の意味がわからない場合、そこから質問するのは勇気がいります。

質問できず、わかったふりをして話が進んでいれば、指示内容が正しく伝わっていない可能性が高いです。そこで、「ここまでで疑問点はありませんか?」と質問を受け付けたり、「こういう場合はどうなりますか?」とこちらから逆に質問してみるのもよいでしょう。指示した内容を、相手に説明してもらう方法もあります。

そして指示を出したからといって、そのまま放置せず、途中にも声かけをし、様子を見ていきます。指示したときには理解したつもりでも、いざやってみるとできないこともあります。「うまく進んでる?」「やってみてわからないことはない?」と声をかけ、相手がつまずいていることに早く気づけば、適切なフォローができます。放置して結局指示した仕事ができていなければ、自分も組織も困ります。できたところまで見届けてはじめて、仕事を指示したといえます。

『限られた時間で必ず仕事が終わるダンドリと予定の立て方』P.10
③できないことは、どうしたらできるか考える

できないことを簡単に引き受けるのは、無責任です。安請け合いして結果的に期限に間に合わなければ、社会人失格です。だからといって、安易に「できません」と断っていたら、仕事に対して後ろ向きな人と見なされてしまいます。仕事を頼みにくい人だと思われますし、成長につながるような仕事のチャンスもこなくなってしまいます。