カプコン「モンハンで位置ゲー」今、参入の深い意味

9月配信予定の『モンスターハンターNow』(画像は『モンスターハンターNow』発表映像より)

アメリカのNiantic(ナイアンティック)とカプコンは2023年4月18日、スマートフォン向けの位置情報ゲーム『モンスターハンターNow』を発表した。9月より全世界でサービス開始となる予定だ。カプコンの株価は、年初来高値を更新した。

なぜ『モンスターハンターNow』に注目が集まるのか。それは本作がただの新作ゲームにとどまらない可能性を持つからだ。

ジャンルとして確立した「位置情報ゲーム」

『モンスターハンターNow』の開発を行うナイアンティックは、もともとGoogleから独立した会社である。すでに『ポケモンGO』で大きな成功を収めていることもあって、新たなゲームの発表にも関心が集まりやすい。

また「位置情報ゲーム」は、すでにジャンルとして確立しているといっても過言ではない。ナイアンティックが2013年にリリースした『Ingress』や2021年にリリースした『ピクミン ブルーム』は現在もサービスが続いているし、スクウェア・エニックスの『ドラゴンクエストウォーク』も売り上げは好調とみられる。

『ポケモンGO』のコミュニティデイ(月に一度、特定のポケモンが大量発生するイベント)では駅前などに人混みができる。もちろん配信直後に比べれば人気は落ち着いているが、それでもプレーヤーが“定住”しているような状況といっていいだろう。

『モンスターハンターNow』はナイアンティックがカプコンに提案したと報道されており、カプコンにとってもこれは渡りに船だったようだ。実際、この協業は「モンスターハンター」シリーズにとっても大きなメリットがあると考えられるからだ。

『ポケモンGO』に関しては、10~60代の幅広い層がプレイしているとの報告がある。位置情報ゲームはスマホを持って外に出歩くゲームであり、それゆえにほかのテレビゲームとはかなり性質が異なってくる。

外出するついでに遊ぶ人、あるいは『ポケモンGO』で出会った仲間と一緒に遊ぶ人など、ほかのゲームとは異なった層のプレーヤーが遊ぶ可能性が考えられるわけだ。スマートフォンで遊べるタイトルなので気軽に参加できるのも大きく、新たな層の開拓につながっていくのである。

外出するついでにモンハンが楽しめるようになる(画像はNiantic Labs公式サイトより)

シリーズの広告的な意味合いも

基本プレイ無料であれば、ますますシリーズの広告的な意味合いが強まる。『ポケモンGO』では、家庭用ゲーム機で「ポケットモンスター」シリーズの新作が発売される前に、新しいポケモンが先行登場するといったイベントを開催している。これにより、互いのシリーズの認知度を上げる効果が得られるわけだ。

『ピクミン ブルーム』もその広告的な効果を証明するタイトルの1つだ。「ピクミン」シリーズは2013年にWii Uで『ピクミン3』が発売されたあと、新作はしばらく出ていなかった。はっきりいえば、音沙汰のなくなったシリーズだったのだ。

しかしその後、再びシリーズは動き出す。2021年に『ピクミン ブルーム』がリリースされ、2023年にはついにNintendo Switchで『ピクミン4』が発売されると明らかになった。シリーズ作品の開発は水面下でずっと続いていたようだが、位置情報ゲームの『ピクミン ブルーム』が盛り上がりに貢献したのは間違いないだろう。

「モンスターハンター」シリーズはすでに日本では大きな人気を獲得しているが、北米では2018年発売の『モンスターハンター:ワールド』あたりから評価され始めた。2020年にはハリウッド映画も上映されているが、まだまだ伸びしろはあるだろう。