「裏で陰口言われ」傷ついた人に知ってほしいこと

漫画
(漫画:Jam)

10年来、仲よくして信頼していた人に辛辣な陰口を言われていて、人間不信になってしまった

そんな話を聞きました。

私にも似たような経験があります。詳細は割愛しますが、当時はつらい思いもしました。でも、何か話がおかしいと気づいてくれた人もいて、あまり誤解を受けずに済みました。一方で、それを境に音信不通になってしまった人もいます。

数年そんなことが続いたので、その方とは縁を断って離れることにしました。若い頃の私だったら、信頼を裏切られたことにずっと思い悩んだり、理由もわからず離れていった人たちに戸惑ったり。不安になって傷ついて、人間不信になっていたかもしれません。

相手とのつらい思い出を忘れることを「自分に許す」

冒頭の相談に戻りますが、もし10年来仲よく信頼していた人に、辛辣な陰口を言われて人間不信になってしまったら……、私の場合ですが、今の自分の立場と同じ目にあっているのが、自分の大切な人だったらと考えることにしています。

自分の大切な人がそんな目に合って傷ついていたら、つらくはないでしょうか? 人間不信になって、心配している自分の声さえ届かなくなってしまったら……、とても悲しいと思うんです。

私が立ち直れた理由の1つは、親身に心配してくれた友達に、早く安心してほしかったのもあります。「自分のために」が苦手な人でも、「大切な人のために」なら、前を向けないでしょうか

漫画
(漫画:Jam)

仮に、裏切った人が唯一の友だちで、その人以外に誰も友だちがいなかった場合は、純粋に、相手に怒りを感じるか、悲しみを感じるか、考えてみてください。私は、相手のした行動に傷つくということは、相手のことがまだ好きなんだと思うんです。人はどうでもいい相手のためには、そこまで傷つきません。

また、トラブルがあったとき、憎んだり復讐したいと思えたりする人は、こういうとき、傷つくのではなく怒れるんです。そういう人はエネルギーをうまく転換できるというか、相手への未練をスパッと捨てて早く立ち直れるし、なんらかの行動をとってスッキリすれば、前を向いて次に行けます。

でも、人間不信になるほど傷ついてしまう人は、そうはいきません。まだ相手のことが好きだし、やり返すのも嫌だし、もしかしたら自分に原因があるのでは? と悩んでしまうこともあります

そういう人は、自分のために「許す」のが楽だと思います。許すと言っても、問題をなかったことにしたり、悪くもないのに謝ったり、仲直りしろという意味ではありません。

相手とのつらい思い出を忘れることを、自分に許してあげてください。人に対して一番残酷なことは、「無反応」や「忘れること」だと言います。傷つき、人間不信になってしまうくらいのことをする相手に、反応しない、二度と振り回されない自分になることを、許してあげてもいいと思うんです。

「陰口を叩かれた」ではなく、「言葉で殴られた」

私は、冒頭の件では相手と縁を断ち、もう関わらないと決めました。実は、ふたを開けてみたら、今までに私以外の人たちも、結構な人数が似た経緯で突然連絡先を切られたり、陰口を言われたりしていたのです。

でも、おそらくは件の人に、そこまで悪気はなかったのだと思います。いつも信頼を裏切ったり陰口を言ったりしても、なんとかうまくやってこられたから、その方法が人の気を引く成功体験になっていて、気軽にやってしまったのでしょう。

私の場合も、頃合いを見て誰かに頼めば、今までどおり仲直りできると思っていたのだと思います。実際、仲直りしたいと人づてに連絡が来たこともありました。でも、離れるべきだと思いました。