ダイエット法を間違うと痩せない!低カロリー型、低脂肪型、断食型、低炭水化物型

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「gettyimages」より

 何度もチャレンジするダイエット。うまく体重がコントロールできず、つい断念してしまうことってありますよね。巷で人気のダイエット、実はあなたには向いていないタイプのダイエットかもしれません。今回はいくつかのダイエット法で、適している方、適さない方についてご紹介いたします。

摂取エネルギーを抑える“低カロリーダイエット”

 特定の栄養素を制限するのではなく、食事から摂るエネルギー(カロリー)を制限するダイエット法です。消費エネルギー量よりも摂取エネルギー量が少なければ、通常は痩せていきます。エネルギーがカットできれば、食べるものに特に制限はありません。普段からボリュームの多い食事を好み、ケーキやお菓子などもよく食べるといった、高カロリー料理を摂取をしている方には向いていますが、そうでない方にはあまり向きません。

 また、カロリー計算をしなくてはならないため、食べたものを記録したり計算したりするのが苦手な人には難しいでしょう。低カロリーなものを選びすぎて、体に必要な栄養素が不足してしまうリスクもあり、注意が必要です。

脂っこいものを避ける“低脂肪ダイエット”

 1gあたりのエネルギー量が高い脂質の摂取量を制限するダイエット法です。糖質を制限するダイエット法よりも、体脂肪を減らしやすいという研究データがあります。揚げ物が多い、スナック菓子をよく食べるといった食事をしている方に向いています。調理法や食材の選び方によって、効率よく脂質をカットできるため、外食中心の方よりも自炊をする方が効果を得やすい傾向にあります。

 ただし、脂質は細胞膜やホルモンの材料となるものなので、制限しすぎると健康に影響を与えることがあります。質の良い油(魚の油や、オリーブオイル 、ナッツ類などの油)を取り入れるようにしましょう。このダイエット法は体脂肪の少ない人にはおすすめしません。

食事を食べない“ファスティングダイエット”

 食事を摂らない(断食)ダイエット法です。食事を摂らないことで、排泄を促し、腸内環境を整えます。その結果、宿便が排泄されたり、免疫力が上がったりするといわれています。ダイエット目的だけではなく、冷え性やむくみの改善や肌艶アップなど美容効果を期待して取り入れる方もいます。

 朝食だけ抜く方法や、1日の中で決まった時間以外は食事を摂らない方法(例:朝7時~夜7時までの中で朝昼夕食を済ます)、食事を摂らない一定期間中(数日にわたることもある)に酵素ドリンクやジュース、サプリメントから栄養素を補給する方法など、いろいろなやり方があります。

 長期間、自己判断で行うと健康に影響することもあるので、医師などの専門家による指導が必要です。計画的に行うものなので、不規則な生活リズムの人や空腹に耐えられない方には不向きでしょう。

低炭水化物ダイエット

 ご飯、麺、パン、砂糖を含む食品などに多い炭水化物の摂取量を制限するダイエット法です。具体的には、炭水化物に含まれる糖質を制限する方法で、「ローカーボダイエット」ともいわれています。糖質は血糖値をあげやすく、体に脂肪を蓄えやすいため、脂質を制限するよりも、体重を減らしやすいという研究データがあります。

 糖質はご飯小盛り1膳で55gほどで、日本人は1日おおよそ300gほど摂取しています。

 低炭水化物ダイエット法では、1食当たり20~40g、1日70~130gほどを目安に糖質の摂取量を制限します。そのかわりに総エネルギー量や脂質、たんぱく質の摂取には特に制限がありません。むしろ、糖質制限をすると体内のたんぱく質が減る傾向があるというデータがあり、しっかりと食べることが大切です。

 炭水化物には、糖質のほかに食物繊維も含まれているため、ごはん、麺、パンなどの炭水化物を極端に減らすと、食物繊維が不足してしまう可能性があり、注意が必要です。このダイエット法は、いつもご飯を大盛りで食べる、砂糖を使った甘いお菓子が好きという方には効果が出やすいです。逆に主食をあまりとらない、甘いものは苦手というような、もともと糖質の摂取量が少ない人には、効果が出にくいです。

 さまざまな種類のダイエットがありますが、万人に合うダイエットというのはありません。ご自身の性格、ライフスタイル、食生活などを加味した上で、向いているダイエット方法を選ぶと、成功への近道になります。ぜひ、試してみてくださいね。

(文=望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士)