『恋ではなくなったとしても』御礼と次作について
こんにちは。ねるねです。
拙作『恋では〜』を読んでくださる方が増えていて、喜びつつもドキドキが止まりません。
本当にありがとうございます。
現在、次作を書いています。
5話まで書いたあたりでどんどんヒロインの元気がなくなってしまい、悩んだ末、彼女に活力を注入して書き直すことにしました。
けれどこれはこれとして頑張って書いたので、プロトタイプ版として第1話の前半を載せさせていただきます。後半は、次作の公開と同時に掲載する予定です。
ぜひ新生ヒロインと読み比べていただければ嬉しいです。
↓↓↓
「ベア? あんなの領主様の娘じゃなけりゃ願い下げだって」
収穫祭で幼馴染みに声をかけようとしたベアトリスは、上げかけた手を下ろし口を覆った。
「やだあ、トムってばあの子と結婚するんじゃないの? おじさんがうちでいつも自慢してるわよ」
一緒にいるのは酒場の娘のレイナだ。ベアトリスと同様にしっかりした体つきだが、彼女は十五歳にしてすでに大人の色気を醸し出している。
ベアトリスはすぐにでも逃げ出したかった。しかし、雑踏のなか身動きが取れず、聞きたくもない話は次々と耳へと流れ込む。
「だいたいアイツ、俺がなんでベアって呼んでるか気づきもしないでさ。ヘラヘラ笑いやがって、時々イラッとするんだよな」
「ひどーい。そんなこと言って、もう婚約の話も出てるんでしょ?」
「俺は別に。アイツがどうしてもっていうなら受けてやるさ。従順だしやりやすいだろ。色々と、な」
横並びで歩いていた二人の距離が近づいていく。ベアトリスを追い越した人が目の前を歩いて、それから先は楽しげに笑う声が聞こえるだけになった。
◇◇◇
ベアトリス・バーレイは、女学校の友人とともに王立図書館に来ていた。
貴族子息が通う学園と女学校との中間地点にある図書館には、学生らしき人たちがちらほらと見受けられる。
人はいても余計な物音はなく、紙をめくる風さえも感じられそうなその空間で、ベアトリスたちは足音ひとつにも神経を使いながら歩いた。
「ねぇ、ベティ。読書席ってここのことでいいのかな?」
「……たぶんそうだと思う。荷物だけ置いて、課題の本を探しに行こう」
二人はうなずき合って、また足音を忍ばせて書架に向かった。
拙作『恋では〜』を読んでくださる方が増えていて、喜びつつもドキドキが止まりません。
本当にありがとうございます。
現在、次作を書いています。
5話まで書いたあたりでどんどんヒロインの元気がなくなってしまい、悩んだ末、彼女に活力を注入して書き直すことにしました。
けれどこれはこれとして頑張って書いたので、プロトタイプ版として第1話の前半を載せさせていただきます。後半は、次作の公開と同時に掲載する予定です。
ぜひ新生ヒロインと読み比べていただければ嬉しいです。
↓↓↓
「ベア? あんなの領主様の娘じゃなけりゃ願い下げだって」
収穫祭で幼馴染みに声をかけようとしたベアトリスは、上げかけた手を下ろし口を覆った。
「やだあ、トムってばあの子と結婚するんじゃないの? おじさんがうちでいつも自慢してるわよ」
一緒にいるのは酒場の娘のレイナだ。ベアトリスと同様にしっかりした体つきだが、彼女は十五歳にしてすでに大人の色気を醸し出している。
ベアトリスはすぐにでも逃げ出したかった。しかし、雑踏のなか身動きが取れず、聞きたくもない話は次々と耳へと流れ込む。
「だいたいアイツ、俺がなんでベアって呼んでるか気づきもしないでさ。ヘラヘラ笑いやがって、時々イラッとするんだよな」
「ひどーい。そんなこと言って、もう婚約の話も出てるんでしょ?」
「俺は別に。アイツがどうしてもっていうなら受けてやるさ。従順だしやりやすいだろ。色々と、な」
横並びで歩いていた二人の距離が近づいていく。ベアトリスを追い越した人が目の前を歩いて、それから先は楽しげに笑う声が聞こえるだけになった。
◇◇◇
ベアトリス・バーレイは、女学校の友人とともに王立図書館に来ていた。
貴族子息が通う学園と女学校との中間地点にある図書館には、学生らしき人たちがちらほらと見受けられる。
人はいても余計な物音はなく、紙をめくる風さえも感じられそうなその空間で、ベアトリスたちは足音ひとつにも神経を使いながら歩いた。
「ねぇ、ベティ。読書席ってここのことでいいのかな?」
「……たぶんそうだと思う。荷物だけ置いて、課題の本を探しに行こう」
二人はうなずき合って、また足音を忍ばせて書架に向かった。
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登録日 2026.03.21 11:17
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