9
件
かつて聖堂や学び舎だった建物を再生した、
山あいの小さなホテル。
そこには、何かを終えた人間だけが辿り着くという。
元配信者で、現在は歯科衛生士として働く
館花琴音(たちばな ことね)は、
自分自身の心の整理のため、
そのホテルに滞在することになる。
静かな夜、ホテルでは
奇妙な「音」が聞こえ始める。
子どもの名前を呼ぶ声、誰かに似た話し方、
あるはずのない沈黙、拒絶された言葉――
それらはすべて、宿泊者自身が向き合うことを避けてきた過去だった。
琴音は探偵でも、裁く者でもない。
ただ、声と沈黙に関わってきた人間として、
彼らが“自分の音を聞く”のを邪魔しない。
再生とは、
許されることでも、元に戻ることでもない。
壊れたことがあっても生きていけると知ること。
全五話で描く、静かな心理ミステリー。
文字数 6,776
最終更新日 2026.01.03
登録日 2026.01.03
文字数 6,747
最終更新日 2025.12.14
登録日 2025.12.14
老舗パン屋「風見堂」で働く23歳の看板娘・雨音。
優しい声を褒められ、空いた時間に始めた配信活動で出会ったのは、
“売れない声優”を名乗る男・雷牙だった。
言葉巧みで、どこか孤独そうな彼。
甘い声に惹かれ、恋に落ちる雨音。
けれど次第に、彼の優しさは「愛」ではなく「支配」へと変わっていく。
雷牙は声を使い、言葉で人の心を操る。
“恋愛はトーナメント。
勝ち残った子がヒロイン。
その言葉を冗談だと思っていた雨音は、
やがて焦げつくような違和感の中で、
“本当の声”を取り戻していく――。
焦げたパンの香り、沈黙の温度。
声と愛の狭間で生きる人たちに贈る、
痛くて、優しくて、少し苦い恋の物語。
文字数 3,828
最終更新日 2025.11.01
登録日 2025.10.30
正義が死んだ街で、彼女たちは“悪”として生きる。
かつて人を救う言葉を操っていた詐欺師・ナギ。
そして、癒しを語りながら人を支配する“カウンセラー”・西園寺笙子(ナイトメア)。
法も信念も壊れたこの世界で、二人の女は出会い、
「悪で悪を倒す」という、もうひとつの救済を選ぶ。
暴かれる嘘、揺らぐ信仰、絡み合う罪と赦し。
そこに残るのは、復讐か、それとも愛か。
――闇の底で光を掴もうとする女たちの、
美しくも哀しい“再生の物語”。
心理戦×救済サスペンス。
痛みを抱えてもなお人を救おうとする全ての人へ捧ぐ、
“黒と光の境界”を描く物語。
文字数 5,701
最終更新日 2025.10.29
登録日 2025.10.29
9
件