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【第一部完結済み(約10万字)】
数多の精霊が住まう自然豊かな国、クローマチェスト王国。
その地方の片隅に、ひっそりと佇む石造りの古い小城があった。
長らく王族に使われることなくあるじを失ったままのその城は、家令を勤めていた一族によって保たれていたが、その一族もついに最後の一人が残るのみ。
時代も変わり国の情勢も移ろいゆく中、先代家令であった祖父を亡くし、二十歳でその地位を受け継いだ最後の子、エレノア=レコンフォール。
城や貴族の邸宅などで、あるじに代わり家政の一切を担う家内最高位の役職、家令――その重責を果たそうと、彼女は未熟ながらも日々学びながら城の運営に尽力し、家族同然の使用人たちとともに穏やかな生活を送っていた。
幼い頃からの祖父の教えを守り堅実に業務をこなし、街の社交界の面々や住人たちとも親交を深め、プライベートではお気に入りの羽根ペンで日記などの書き物に勤しみ――。
それから二年あまり、その変わらない毎日に満たされていたはずだった彼女の人生は、ある嵐の晩の出会いによって、少しずつ変化していく。
強力なパトロンを持ち、精霊とともに旅をする謎多き放浪画家、ヴァイスとの奇縁。
城を訪れ、去っていく者たちと結ばれていく絆。
新たに城に迎え入れることになった執事の青年から向けられる、不思議な好意。
二十年前、両親の命を奪った流行病とはなんだったのか。
城にまつわる不可解な言い伝えとは。
そしてエレノアに秘やかに託されていた、使命とは――。
家族との思い出が残る城を守り抜くというエレノアの決意は、やがて空位に揺れる王国の、新たな礎を創り出していく。
過去に浸る古城と、未来へ歩んでいく人々。
その狭間で語られる、たくさんの〝心〟の物語。
※カクヨム・アルファポリス・小説家になろうにて同時掲載中です
文字数 174,909
最終更新日 2026.03.29
登録日 2026.01.28
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