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前世で読んだ物語の悪役令嬢、マルグリット・ベルクレールへ転生した主人公。原作では、聖女となるヒロインを妨害し、最後には王太子と神殿の前で断罪される。ならば簡単だ。聖女候補にも王太子にも近づかなければいい。マルグリットは聖女選定を辞退し、公爵家の仕事だけをして静かに暮らそうとする。
ところが、聖女候補たちはなぜか公爵邸へ相談に来る。追い払うために愛想も慰めもなく、相手が最も言われたくない事実を冷静に突きつければ、なぜか相手は成長して翌日またやってくる。
しかも、幼い頃から仕える従者ルーカスが、マルグリットの雑な頼み事をいつものように実務で処理した結果、聖女候補たちはそれを「秘密任務」だと盛大に誤解してしまう。
さらに、避けているはずの王太子からは妙な意味で納得され、原作では起きるはずだった嫌がらせまで、マルグリットが何もしていないのに少しずつ現実に現れ始める。
自分は原作から逃げているはずなのに、なぜ物語の方から追いかけてくるのか。原作知識を信じるマルグリットと、目の前の事実だけを見るルーカス。
すれ違いと勘違いが積み重なる中で、マルグリットは少しずつ、自分の知っている物語よりも、今ここにいる人間を信じるようになっていく。
そして最後に、自分の意思で選ぶのは――。
○第1話:悪役令嬢は静かに消えたい
○第2話:泣いて帰ったはずですのに
○第3話:いつもの秘密任務です
○第4話:どうして友人まで連れてきたのですか
○第5話:無能だから高慢なのですね
○第6話:秘密任務は増殖する
○第7話:殿下だけはいりません
○第8話:物語のヒロインは待っている
〇第9話:その数字、合っていませんわよ
〇第10話:呼びつけた覚えはありません
〇第11話:秘密任務って何ですの?
〇第12話:殿下はなぜ納得しているのですか
〇第13話:そんな男たちは知りません
〇第14話:では、あなたの目を信じます
〇第15話:その紙、どこでもらいましたの?
〇第16話:それ、本当に私の弁護ですの?
〇第17話:今度はきちんと調べてください
〇第18話:物語では私が聖女なのよ!
〇第19話:これで選定は終わりです
〇第20話:では、あなたを口説きます
※全20話(最終話は10月24日公開予定です)
文字数 39,352
最終更新日 2026.10.14
登録日 2026.10.11
婚約破棄は喜んで。ですが、金貨三万五千枚はお返しくださいませ。
王太子から婚約破棄を告げられた公爵令嬢オルヴェールは、泣きも縋りもしなかった。若いお二人の「真実の愛」を祝福し、立て替えてきたお金の請求書を差し出す。彼女は十八歳。けれど、その胸には、まだいるはずのない子どもや孫たちに囲まれて暮らした、長い人生の記憶がある。
王太子の浪費の後始末は、もうおしまい。南部の古城で畑を整え、保存食を作り、未来の家族が暮らせる家を用意する。子どもも夫もまだいない? だから今のうちに準備するのです。
そんな古城へ運び込まれたのは、胃を痛めて倒れた「鉄血の総督」ヴォルフラムだった。怖い顔も、高い身分も、弱った胃袋には役に立たない。まずは温かいスープを飲んで、休みなさい。
そう世話を焼いていたら、総督は毎夕、食卓へやってくるようになった。畑を耕し、荷物を運び、彼女が語る未来の家族の話に耳を傾ける。やがて彼は、その未来に自分の席も欲しいと願い始めて――。
一方、口うるさい婚約者を追い出した王太子と、善意で王家の備蓄を配る令嬢は、空になった金庫と倉庫を前に頭を抱えることに。今さら戻って後始末をしろと言われても、こちらには畑も、夕食を待つ人もありますから。
少々口の悪い令嬢と、不器用な総督が育てる、新しい恋と家族の物語。婚約破棄も債権回収もきっちり済ませて、目指すは子どもと孫に囲まれた陽だまりの食卓。
○第1話:婚約破棄と貸付金
○第2話:隠居先はお城の縁側
○第3話:滋養スープの効能
○第4話:胃痛の総督様
○第5話:常連客の指定席
○第6話:王宮の赤字決算
○第7話:畑仕事と荷物持ち
○第8話:お花畑の無償配給
○第9話:縁側の逢瀬
○第10話:底をついた金庫
○第11話:領地を守る保存食
○第12話:スープの温もり、指の熱
○第13話:身勝手な徴発命令
○第14話:総督の威嚇射撃
○第15話:真実の愛の賞味期限
○第16話:幻影の家族、目の前の男
○第17話:泥まみれの王子様
○第18話:総督の求婚
○第19話:破滅の決着
○第20話:陽だまりの食卓で
※全20話(最終話は10月10日公開です)
文字数 96,815
最終更新日 2026.10.10
登録日 2026.10.04
婚約破棄されて予定が全部なくなった。――では今日は、何をしてもいいのかしら?
王子妃候補として育てられてきた公爵令嬢エレノアは、ある夜、王宮の舞踏会で王子アルベルトから婚約解消を告げられる。
翌朝。いつもの時刻に目を覚ました彼女を待っていたのは、講義も訪問も茶会もない、生まれて初めての「予定のない一日」だった。
何をしてもいいと言われても、何をすればいいのか分からない。
とりあえず朝から焼き菓子を食べてみる。
ずっと気になっていた王都の菓子店へ行ってみる。
しかも今日は、馬車ではなく自分の足で。
これまで王子妃になるために使ってきた礼儀や知識も、街へ出てみれば思いがけないところで役に立つ。
店主、令嬢、商人、職人――。
自由になったエレノアが自分で行き先を選ぶたび、王都には少しずつ知り合いが増えていく。
本人はただ、今までできなかったことを楽しんでいるだけ。
なのに気づけば、街のあちこちから声をかけられるようになっていて――?
婚約破棄から始まる、明るく軽快な悪役令嬢の王都生活と、新しい恋のお話。
※全26話・完結済み。
文字数 100,749
最終更新日 2026.10.04
登録日 2026.09.23
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