「いつも私だけ扱いが雑」「待ち合わせをするといつも遅刻される」「損な役回りを押しつけられがち」
気にしても仕方ないと思いつつ、「私、なめられてるのかな」と悩んでしまう。そんな人は少なくないようです。じつは、この「なめる/なめられる」問題はささいなことのようで、人間関係、仕事、ひいては人生すべてさえ左右する重要なトピックスです。
実業家でライターでもある黒坂岳央氏は、グローバルな環境での勤務経験、独立起業を経て、「なめられると人生で損をする」という真理にたどり着いたそうです。この連載をまとめ、加筆・改稿したビジネス書『なめてくるバカをだまらせる技術』が、アルファポリスより好評発売中です。
なめた態度に対して反撃することに慣れていない人は、いざ反撃しようとなったときに、どうしても「一撃で確実に倒す」と考えすぎて、加虐になりすぎる傾向がある。
被害を受けているからといって、攻撃的にふるまってしまうと、周囲によくない印象を与えてしまう。
理想としては、なめてきた相手が自然に自らの過ちに気づき、「悪かったな」と罪悪感を抱き、自発的に攻撃の手を緩める、もしくは攻撃する気をくじいてくれることだろう。もちろん、そんな良心へのうったえが利かない相手もいるのは事実なので、反撃には段階があることを理解する必要がある。
では、段階的に反撃の強度を上げて紹介していこう。
なめた発言をされたとき、有効なのが無言の圧だ。いっさいの言葉や行動を使うことなく、相手に察するように持ってくのだ。「沈黙と視線で刺す」という戦略が最初の段階である。
このレベル1で攻撃を思い止まらせれば、もっとも平和的かつ低コストで争いの芽を摘み取ることができる。周囲に対してもあなたの態度は悪くは映らない。
社会性のあるまともな人間なら、このレベル1で踏みとどまるだろう。実践している読者も多いはずだ。
しかし、世の中にはどうしようもない人がいる。空気を読まずに鈍感だからこそ、周囲の目を気にせず、なめた態度をやめられない人もいる。そういう場合は次のレベル2へ移行するタイミングだ。