フジテレビ親会社が上場廃止の可能性も、中居正広さん問題で…東証の規約

特別注意銘柄

 そのフジテレビの親会社フジHDをめぐって、東京証券取引所プライム上場廃止の可能性が市場関係者の間から指摘されている。

 東証に上場する企業は以下事項に該当した場合、東証から特別注意銘柄に指定され、指定から1年経過後の審査において内部管理体制等が適切に整備されていると認められない場合、または適切に運用される見込みがなくなったと認められる場合、上場廃止となる。

・上場会社が有価証券報告書等に虚偽記載(有価証券上場規程第2条第30号)を行った場合

・上場会社の財務諸表等に添付される監査報告書等において、公認会計士等によって、「不適正意見」又は「意見の表明をしない」旨が記載された場合。ただし、「意見の表明をしない」旨が記載された場合であって、当該記載が天災地変等、上場会社の責めに帰すべからざる事由によるものであるときを除く。

・上場会社が適時開示に係る規定に違反したと東証が認めた場合

・上場会社が企業行動規範の「遵守すべき事項」に係る規定に違反したと東証が認めた場合

・上場会社が適時開示・企業行動規範に係る改善報告書を提出した場合において、改善措置の実施状況及び運用状況に改善が認められないと東証が認めた場合

 上記のうち「企業行動規範の『遵守すべき事項』に係る規定」には「第三者割当に係る遵守事項」「流通市場に混乱をもたらすおそれ又は株主の利益の侵害をもたらすおそれのある株式分割等の禁止」といった株式の発行・取り扱いに関する事項や、「取締役会、監査役会、監査等委員会又は指名委員会等、会計監査人の設置義務」「社外取締役の確保義務」といった組織に関する事項のほか、「業務の適正を確保するために必要な体制整備の決定義務」という事項もある。

「仮に幹部社員など大きな権限を有する社員が、ハラスメント的な行為が行われることを予見した上でアナウンサーを接待の場に同席させるということが社内で常態化しており、経営陣がその事実を認識した上で何も防止の手段を講じず放置していたのだとすれば、特別注意銘柄に指定される可能性がゼロではないかもしれません。ただ、株式発行や組織設置、決算報告など客観的な事実に関する事柄ではなく、社内の慣習やハラスメントといったグレーな事柄を理由として東証が特別注意銘柄に指定するというのは、考えにくいです。また、規約違反が認められても1年間は猶予期間があり、その間に体制整備など対策を行うでしょうから、上場廃止という可能性は高くはないでしょう」(メガバンク系マーケット部門社員)

(文=Business Journal編集部)