『君は強いから大丈夫』と婚約者に言われたので家を出ました。今さら探しに来ても遅いです

「君は強いから大丈夫だろ?」

隣領から来た貴族の娘を紹介した婚約者は、私にそう言った。

平民ながら魔力が多く、魔法学校に特待生として通っていた私は、在学中に領主の息子に見初められた。

「君の力なら、この街を守れる。一緒に守ろう」

そう言われて彼の領地に来て、婚約した。

それから数年。
街にはほとんど魔物が近づかなくなり、平和な日々が続いていた。

――あの日までは。

隣領から来た貴族の娘を紹介した婚約者は、私にこう言った。

「君は強いから大丈夫だろ?」

その言葉を聞いた瞬間、私はようやく気づく。

彼にとって私は、何だったのか。

だから私は、静かに街を出ることにした。

……今さら探しに来ても遅いです。
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