信用という名の財産
だがアルフレッドは、乳母の娘である幼馴染リディアを「妹のようなものだから」と何かにつけて優先する。
セシリアの誕生日には夜会のエスコートをすっぽかし、伯爵家が用意した劇場の特別席や高級レストランの予約まで、当然のようにリディアとの外出に使ってしまう。
セシリアはそこで気づく。
問題なのは、自分より他の女性を優先されたことではない。
伯爵家の名義、資産、信用を、侯爵家が許可なく使っていることだった。
過去三年間を調べ直せば、次々と明らかになる婚約契約違反。
「これは恋愛の問題ではありません。二つの貴族家が結んだ契約の問題です」
伯爵家は婚約を解除し、契約通りに違約金と慰謝料を請求する。
一方、家のことを妻へ任せきっていた侯爵は、そこで初めて自らの家で何が行われていたのかを知る。
夫人の離縁。嫡男の廃嫡。
しかし、それで失われた信用が戻るわけではなかった。
前金を求める商人。条件を厳しくする銀行。距離を置く貴族たち。
金で支払える違約金よりはるかに重い、「信用を失う」という代償。
これは、婚約を破棄した伯爵令嬢と、崩れかけた侯爵家を一から建て直そうとする当主の、契約と信用をめぐる物語。
侯爵さまが主役でしたね。
巷によくある当事者同士の婚約破棄ものではなく、契約には信用があり、信用を積み上げて信頼を築いていくというお話。
信用信頼を築いていくのはなまなかではない年月が掛かるが、それらを失うのは一瞬。
愚直、頑固と謗られても誠実に積み上げて行かねば後の世代に繋いで行けない。
良いお話でした。(๑´ω`ノノ゙✧
婚約破棄から契約の大切さを知る興味深い作品でした
ただリディアの心情などが何もなかったのが残念でした
彼女は何を考えて当たり前のように贅沢を享受していたことに対してどう思っていたのか
侯爵家から離れ、アホ息子からのプロポーズを断ったのは英断だと思いましたが、理由が「自分を愛していないから」ではなぜ今まで婚約者がいるアホ息子を当たり前のように恋人のように連れ回していたのか
そのあたりを知りたいなと思ってしまいました
そして侯爵夫人も元凶の一人でしたね
何でも持ってる人から少し位もらったっていいじゃないって自分の懐は傷めずは駄目ですよね
割とまともな侯爵当主でしたが、やはり最初の報連相の所がダメダメでした
でも反省してコツコツと信用を重ねていく姿はやはり当主たるものでした
冷静な伯爵家族、幸せになってほしいです
とてもおもしろく拝読させていただきました
ただの婚約解消ではなく、家同士の契約、そこから何が崩れていったのか。
失われた信用を侯爵家が取り戻すために静かに静かにゆっくりと着実に動いていく当主の姿に感銘を受けました。
素晴らしい。
とても素晴らしい作品でした。
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