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女神、現代を布教したい編
女神「スカイダンサー(店先でクネクネ踊る赤い風船人形)送ったわ〜」→将軍「【骨なき狂乱の巨神】が顕現したぞぉぉぉ!!」
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「あー、暇すぎてハゲそう」
わたしは天界の雲の上で、ゴロゴロしながら下界をザッピングしていた。
先日の「ヘリウムガス」の一件、あれは傑作だったね。 魔王様の萌えボイス、今や魔界の着ボイスランキング一位らしいよ? 「威厳がない」とか言われてたけど、逆に親しみやすくて支持率爆上がりとか、世の中わかんないもんだわ~。
「ま、結果よければすべてよし! わたしってば敏腕プロデューサー?」
で、今日の下界チェック。 荒野の真ん中にある、古びた砦にズームイン。
なんか、敵の大軍に包囲されて、絶体絶命のピンチっぽい。 守ってる兵士たち、顔色が土気色だし。 「もう終わりだ……」とか呟いて、完全に負けムード漂ってる。
「うわ~、お通夜ムード全開じゃん。士気ひくっ」
「戦いにおいて一番大事なのは、メンタル! つまりバイブス!」
彼らに必要なのは、どんな逆境でも笑顔を絶やさない、最強の応援団長。 底抜けに明るくて、見てるだけで元気が出る「マスコットキャラ」が必要なわけ。
そこでこれ!
【業務用スカイダンサー(高さ5m・スマイルレッド)】
中古車屋とかパチンコ屋の店先によくある、送風機で膨らんでクネクネ踊る、あの赤い筒状の人形。 常に満面の笑顔で、強風に煽られながら予測不能な動きで暴れ回るアイツ。
「こいつの動き、マジで元気出るから」
「どんなに殴られても立ち上がる不屈の闘志(ただの空気圧)を見習いなよ!」
「戦場のド真ん中で、ハッピーダンス見せつけちゃって~!」
レッツ・クレイジー・ダンス! 転送ポチー!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
──国境防衛砦・最終防衛ライン──
「……敵軍、前進を開始! その数、およそ三万!」
見張り台からの報告に、守備隊長ガウスは剣を握りしめた。 味方はわずか千人。援軍は来ない。 ここで死ぬ運命か。
「皆、すまない……。私の力が及ばぬばかりに……」
その時である。 砦の正門前、敵軍との間の荒野に、空から巨大な『鉄の箱』が落下した。
ズドンッ!!
「なんだ!? 敵の新型兵器か!?」
「いや、空から降ってきたぞ! 神の雷か!?」
敵軍も味方も、その異様な物体の出現に動きを止めた。 箱には、奇妙な赤い布が折りたたまれている。 そして、箱の側面にあるスイッチが、衝撃で「ON」に入った。
ブゥォォォォォォォォン……!!
地響きのような駆動音が荒野に響く。 箱の下部にある強力な送風機が回転を始めたのだ。
「! 何かが起きるぞ!」
「魔力が充填されている音だ!」
次の瞬間。 折りたたまれていた赤い布が、猛烈な勢いで空気を孕み、鎌首をもたげた。
シュルルルッ……バッッ!!
「うわぁぁぁぁ!! 出たぁぁぁぁ!!」
高さ5メートル。 鮮血のように赤い、ひょろ長い巨人が、突如として荒野に直立した。 その顔には、耳まで裂けたような、凍りつくほど巨大な「笑顔」が描かれている。
「な、なんだあの化け物は!?」
「巨神だ! 赤い巨神が現れたぞ!」
だが、恐怖はここからだった。 スカイダンサーの真骨頂は、その「動き」にある。 空気圧が不安定になると、巨人は関節など存在しないかのような、狂気的な動きを始めた。
バッタン! グニャリ! ビタンッ!!
「ヒィッ!? お、折れた!?」
「腰が! 首が! ありえない方向に曲がっている!」
巨人は右に倒れたかと思えば、瞬時に起き上がり、今度は左へ激しく頭を打ち付ける。 両手(ただの筒)を振り回し、痙攣したように空を殴りつける。 その動きは、生物の理(ことわり)を完全に無視していた。
「速い! 動きが読めん!」
「見ろ! 自らの体を地面に叩きつけているぞ! 痛みを感じないのか!?」
敵軍の将軍が青ざめる。
「あれは……『狂乱の風神』だ!」
「見よ、あの笑顔を! 我々を殺戮することに喜びを感じている『殺意の笑み』だ!」
「あわわわ……! 目が合った! あいつ、笑いながらこっちを見て、手招きしてやがる!」(※ただ風で揺れているだけ)
守備隊長ガウスもまた、戦慄していた。
「これが……我らに送られた援軍だというのか……」
「骨を持たず、痛みを知らず、ただ敵を嘲笑いながら踊り狂う、狂気の偶像……!」
その時、敵の弓兵が放った矢が、巨人に命中した。 だが、矢はナイロン製の布を貫通するだけで、巨人は何事もなかったかのように踊り続けた。
ブスッ。……グニャ~、ビタンッ!!
「き、効かない!!」
「心臓を射抜いても笑っているぞ!」
「不死身だ! 奴は不死身の怪物だぁぁぁ!!」
「逃げろぉぉ! あんな『正気のない動き』をする奴に関わったら、魂ごと持っていかれるぞぉぉ!!」
「撤退ッ! 全軍撤退せよぉぉぉ!! 『赤き狂神』に食い殺される前にぃぃぃ!!」
三万の敵軍が、たった一体の風船人形の、あまりにも不気味な挙動に精神をへし折られ、悲鳴を上げて逃げ出した。
ガウスたちは、荒野で一人、敵がいなくなってもなお激しくヘッドバンキングを繰り返す赤い背中を見つめ、静かに敬礼した。
「……感謝する、名もなき狂神よ」
「だが……頼むから、こっちを向かないでくれ……」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「……うわぁ」
わたしはポテチを持ったまま、ちょっと引いていた。
「動き、キモッ」
あんなに暴れるんだっけ、アレ。 地面に顔面強打して跳ね起きるとか、エクソシストかよ。
「『殺意の笑み』って何?」
「ただのスマイルマークだから! 平和の象徴だから!」
「あと『手招き』じゃないから! 空気抜けて垂れ下がっただけだから!」
敵軍、全員逃げちゃったね。 勝ったのはいいけどさ。 砦の人たち、あの人形が怖すぎて、誰も近づけずに遠巻きにしてるんだけど。
「……ねえ、あれ電源切れるまで動き続けるよね?」
「夜中にあの笑顔でバッタンバッタン暴れてたら、普通にホラーじゃない?」
応援団長のつもりだったのに、なんか「触れてはいけない土地神様」みたいに祀られ始めちゃったし。 砦の前にお供え物とか置かれてるけど、あれ食べられないから。空気しか食わないから。
「ま、勝ったからいっか! 結果オーライ!」
わたしは天界の雲の上で、ゴロゴロしながら下界をザッピングしていた。
先日の「ヘリウムガス」の一件、あれは傑作だったね。 魔王様の萌えボイス、今や魔界の着ボイスランキング一位らしいよ? 「威厳がない」とか言われてたけど、逆に親しみやすくて支持率爆上がりとか、世の中わかんないもんだわ~。
「ま、結果よければすべてよし! わたしってば敏腕プロデューサー?」
で、今日の下界チェック。 荒野の真ん中にある、古びた砦にズームイン。
なんか、敵の大軍に包囲されて、絶体絶命のピンチっぽい。 守ってる兵士たち、顔色が土気色だし。 「もう終わりだ……」とか呟いて、完全に負けムード漂ってる。
「うわ~、お通夜ムード全開じゃん。士気ひくっ」
「戦いにおいて一番大事なのは、メンタル! つまりバイブス!」
彼らに必要なのは、どんな逆境でも笑顔を絶やさない、最強の応援団長。 底抜けに明るくて、見てるだけで元気が出る「マスコットキャラ」が必要なわけ。
そこでこれ!
【業務用スカイダンサー(高さ5m・スマイルレッド)】
中古車屋とかパチンコ屋の店先によくある、送風機で膨らんでクネクネ踊る、あの赤い筒状の人形。 常に満面の笑顔で、強風に煽られながら予測不能な動きで暴れ回るアイツ。
「こいつの動き、マジで元気出るから」
「どんなに殴られても立ち上がる不屈の闘志(ただの空気圧)を見習いなよ!」
「戦場のド真ん中で、ハッピーダンス見せつけちゃって~!」
レッツ・クレイジー・ダンス! 転送ポチー!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
──国境防衛砦・最終防衛ライン──
「……敵軍、前進を開始! その数、およそ三万!」
見張り台からの報告に、守備隊長ガウスは剣を握りしめた。 味方はわずか千人。援軍は来ない。 ここで死ぬ運命か。
「皆、すまない……。私の力が及ばぬばかりに……」
その時である。 砦の正門前、敵軍との間の荒野に、空から巨大な『鉄の箱』が落下した。
ズドンッ!!
「なんだ!? 敵の新型兵器か!?」
「いや、空から降ってきたぞ! 神の雷か!?」
敵軍も味方も、その異様な物体の出現に動きを止めた。 箱には、奇妙な赤い布が折りたたまれている。 そして、箱の側面にあるスイッチが、衝撃で「ON」に入った。
ブゥォォォォォォォォン……!!
地響きのような駆動音が荒野に響く。 箱の下部にある強力な送風機が回転を始めたのだ。
「! 何かが起きるぞ!」
「魔力が充填されている音だ!」
次の瞬間。 折りたたまれていた赤い布が、猛烈な勢いで空気を孕み、鎌首をもたげた。
シュルルルッ……バッッ!!
「うわぁぁぁぁ!! 出たぁぁぁぁ!!」
高さ5メートル。 鮮血のように赤い、ひょろ長い巨人が、突如として荒野に直立した。 その顔には、耳まで裂けたような、凍りつくほど巨大な「笑顔」が描かれている。
「な、なんだあの化け物は!?」
「巨神だ! 赤い巨神が現れたぞ!」
だが、恐怖はここからだった。 スカイダンサーの真骨頂は、その「動き」にある。 空気圧が不安定になると、巨人は関節など存在しないかのような、狂気的な動きを始めた。
バッタン! グニャリ! ビタンッ!!
「ヒィッ!? お、折れた!?」
「腰が! 首が! ありえない方向に曲がっている!」
巨人は右に倒れたかと思えば、瞬時に起き上がり、今度は左へ激しく頭を打ち付ける。 両手(ただの筒)を振り回し、痙攣したように空を殴りつける。 その動きは、生物の理(ことわり)を完全に無視していた。
「速い! 動きが読めん!」
「見ろ! 自らの体を地面に叩きつけているぞ! 痛みを感じないのか!?」
敵軍の将軍が青ざめる。
「あれは……『狂乱の風神』だ!」
「見よ、あの笑顔を! 我々を殺戮することに喜びを感じている『殺意の笑み』だ!」
「あわわわ……! 目が合った! あいつ、笑いながらこっちを見て、手招きしてやがる!」(※ただ風で揺れているだけ)
守備隊長ガウスもまた、戦慄していた。
「これが……我らに送られた援軍だというのか……」
「骨を持たず、痛みを知らず、ただ敵を嘲笑いながら踊り狂う、狂気の偶像……!」
その時、敵の弓兵が放った矢が、巨人に命中した。 だが、矢はナイロン製の布を貫通するだけで、巨人は何事もなかったかのように踊り続けた。
ブスッ。……グニャ~、ビタンッ!!
「き、効かない!!」
「心臓を射抜いても笑っているぞ!」
「不死身だ! 奴は不死身の怪物だぁぁぁ!!」
「逃げろぉぉ! あんな『正気のない動き』をする奴に関わったら、魂ごと持っていかれるぞぉぉ!!」
「撤退ッ! 全軍撤退せよぉぉぉ!! 『赤き狂神』に食い殺される前にぃぃぃ!!」
三万の敵軍が、たった一体の風船人形の、あまりにも不気味な挙動に精神をへし折られ、悲鳴を上げて逃げ出した。
ガウスたちは、荒野で一人、敵がいなくなってもなお激しくヘッドバンキングを繰り返す赤い背中を見つめ、静かに敬礼した。
「……感謝する、名もなき狂神よ」
「だが……頼むから、こっちを向かないでくれ……」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「……うわぁ」
わたしはポテチを持ったまま、ちょっと引いていた。
「動き、キモッ」
あんなに暴れるんだっけ、アレ。 地面に顔面強打して跳ね起きるとか、エクソシストかよ。
「『殺意の笑み』って何?」
「ただのスマイルマークだから! 平和の象徴だから!」
「あと『手招き』じゃないから! 空気抜けて垂れ下がっただけだから!」
敵軍、全員逃げちゃったね。 勝ったのはいいけどさ。 砦の人たち、あの人形が怖すぎて、誰も近づけずに遠巻きにしてるんだけど。
「……ねえ、あれ電源切れるまで動き続けるよね?」
「夜中にあの笑顔でバッタンバッタン暴れてたら、普通にホラーじゃない?」
応援団長のつもりだったのに、なんか「触れてはいけない土地神様」みたいに祀られ始めちゃったし。 砦の前にお供え物とか置かれてるけど、あれ食べられないから。空気しか食わないから。
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