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北の要塞での生活が始まって一週間。
私の生活リズムは劇的に改善されていた。
朝は優雅に七時に起床(以前は四時起き)。
午前中は執務室で書類と格闘(敵は多いが、動かないので王太子よりマシ)。
そして、午後は――。
「……閣下」
「ん」
「それは、紅茶ですか? それともジャムのホット割りですか?」
執務室のソファにて。
休憩中のオルグレン辺境伯の手元を見て、私は真顔で問いかけた。
彼の持つティーカップの中身は、ドロドロとした赤紫色の液体と化していた。
スプーンが直立するほどの粘度だ。
「……紅茶だ」
「嘘をおっしゃい。先ほど、イチゴジャムの瓶を半分ほど投入されるのを目撃しました」
「頭を使うと糖分が必要になる」
彼は悪びれもせず、その激甘(と思われる)液体をズズズと啜った。
渋い顔一つせず、むしろ幸せそうにほう、と息を吐く。
「美味いぞ。やるか?」
「遠慮しておきます。糖尿病で早死にしたくありませんので」
北の英雄、『氷の狼』。
魔獣さえ恐れをなして逃げ出す強面の武人。
その正体が、これほどの甘党だとは、王都の誰も知らないだろう。
私の目の前で、彼はさらに角砂糖を三つ、追い投入した。
「……閣下。一つ提案ですが」
「なんだ」
「来客の前では、その飲み方は控えた方がよろしいかと。『辺境伯は味覚が壊滅している』と噂になります」
「善処する。……だが、ダーリよ」
彼は真剣な眼差しで私を見た。
まるで、敵軍の襲来を告げるかのような緊張感。
「マリーが焼いたこのクッキー。……あと五枚、残っているな?」
「はい」
「……俺が食ってもいいか?」
「どうぞ(そんな顔で聞くことですか)」
彼は嬉々としてクッキーに手を伸ばした。
その仕草は、獲物を狩る猛獣というより、餌をもらった大型犬に近い。
(……ギャップが激しすぎて、時々脳の処理が追いつかないわ)
私はため息をつきつつ、自分のカップ(無糖)に口をつけた。
***
その日の夕方。
私は気分転換に中庭へ出た。
北国の冷気は厳しいが、雪景色は美しい。
ふと見ると、中庭の隅にある大きな針葉樹の下に、オルグレン様が立っていた。
微動だにせず、腕を広げている。
その背中からは、近寄りがたいほどの威厳と殺気が……。
(……いや、殺気じゃないわね。あれは……)
私は静かに近づいた。
雪を踏む音を殺して、彼の背後に回る。
そして、その光景を目撃した。
「……こら、そこはくすぐったい」
オルグレン様が、低く優しい声で呟いている。
彼の広げた両腕、そして肩、さらには頭の上にまで。
真っ白な小鳥たちが、鈴なりに止まっていたのだ。
「チュン!」
「ピピ!」
小鳥たちは彼のことを人間だと思っていないのか、それとも巨大な止まり木だと思っているのか。
彼の軍服の肩章をつついたり、髪の毛の中に潜り込んだりして遊んでいる。
極めつけは、彼の足元だ。
子グマのポチが、彼のアイスブーツに噛み付いて遊んでいる。
「……閣下」
「!!」
私が声をかけると、オルグレン様はビクリと肩を震わせた。
その拍子に、小鳥たちが一斉にパタパタと飛び立つ。
彼はバツが悪そうに振り返った。
その頬は、寒さのせいか、それとも恥ずかしさのせいか、ほんのり赤い。
「……見られたか」
「ええ、バッチリと。『北の氷壁』が、実は『小鳥の止まり木』だった現場を」
「……あいつらは、俺がじっとしていると、木だと勘違いして寄ってくるんだ。追い払うのも面倒だから、放置していただけだ」
「嘘ですね。ポケットから木の実がこぼれていますよ」
私が指摘すると、彼は慌ててポケットを押さえた。
「……これは、非常食だ」
「小鳥用の?」
「……俺用だ」
苦しい言い訳だ。
私は笑いを堪えて、彼に歩み寄った。
「動物に好かれるのは、悪いことではありませんわ。彼らは人間より見る目がありますから」
「……そうか?」
「ええ。邪心のある人間には、野生動物は近づきません。……まあ、閣下の場合、殺気がなさすぎて『岩』か『木』だと思われている可能性もありますが」
「……否定できん」
彼は肩を落とした。
その時、足元のポチが「ガウッ!」と鳴いて、私の足にじゃれついてきた。
「あらあら、元気ね」
私が屈んでポチの頭を撫でると、ポチはゴロゴロと喉を鳴らしてお腹を見せた。
「……解せぬ」
オルグレン様がそれを見て呟く。
「俺が撫でようとすると逃げるくせに、なぜお前には懐くんだ」
「それは、撫で方の問題です」
私は立ち上がり、彼の手を取った。
大きくて、分厚い手だ。
「閣下の手は大きすぎるんです。そして、力が強すぎる。だから、こうやって……」
私は彼の手のひらに自分の指を添え、力の加減を教えるように空中で動かした。
「指先だけで、優しく掻くように。……そう、羽毛に触れるか触れないかくらいの強さで」
「こうか?」
「まだ強いです。卵を割らないように扱うつもりで」
彼は眉間に深い皺を寄せて、真剣に指先を動かしている。
魔剣を振るう時よりも慎重な表情だ。
「……よし、今だ。ポチ、行け」
私が合図すると、ポチが再び起き上がる。
オルグレン様はおっかなびっくり、その巨大な手を子グマの頭へと伸ばした。
そっ……。
指先が、茶色の毛並みに触れる。
ポチがビクリとする。
(頑張れ、閣下!)
彼は息を止めて、私の教え通り、優しく、優しく指を動かした。
わしゃわしゃ……。
ポチの目が、とろんと細められる。
そして、「クゥ~」と気持ちよさそうな声を出した。
「……できた」
オルグレン様の顔が、パァァッ!と輝いた。
まるで難攻不落の要塞を落とした時のような(見たことないけど)、達成感に満ちた笑顔。
とはいえ、強面なので笑顔というより「ニヤリと笑う魔王」に近いのだが。
「やりましたね、閣下」
「ああ! 逃げなかった! 噛まなかった!」
彼は子供のように喜んで、今度は両手でポチをわしゃわしゃし始めた。
ポチも嬉しそうに尻尾を振っている。
その光景を見て、私は確信した。
(……この人、チョロいわ)
王都では「冷血漢」だの「人間味がない」だのと言われていたが、とんでもない誤解だ。
むしろ人間味がありすぎる。
そして、不器用すぎる。
「……ふふっ」
「なんだ、ダーリ」
「いえ。……ここに来てよかったな、と思いまして」
私が言うと、彼は手を止めて私を見た。
その青い瞳が、夕陽を受けて穏やかに揺れている。
「……そう言ってもらえると、助かる。……お前が来てから、城の中が明るくなった気がするしな」
「それは、物理的に窓ガラスを磨かせたからでは?」
「それもあるが……いや、なんでもない」
彼は咳払いをして、立ち上がった。
「体が冷えた。戻るぞ、ダーリ。……あと、夕食のデザートは何だか知っているか?」
「アップルパイだと聞いています」
「そうか! それは楽しみだ」
足取り軽く城へ戻る巨大な背中。
その後ろを、ポチがテチテチとついていく。
私はその後ろ姿を見送りながら、小さく呟いた。
「……手のかかる上司ですこと」
でも、その声色は、自分でも驚くほど弾んでいた。
王太子殿下(あっち)の世話は地獄だったが、閣下(こっち)の世話は、どうやら意外と楽しいらしい。
私は「世話焼き」の血が騒ぐのを感じながら、二人の後を追った。
私の生活リズムは劇的に改善されていた。
朝は優雅に七時に起床(以前は四時起き)。
午前中は執務室で書類と格闘(敵は多いが、動かないので王太子よりマシ)。
そして、午後は――。
「……閣下」
「ん」
「それは、紅茶ですか? それともジャムのホット割りですか?」
執務室のソファにて。
休憩中のオルグレン辺境伯の手元を見て、私は真顔で問いかけた。
彼の持つティーカップの中身は、ドロドロとした赤紫色の液体と化していた。
スプーンが直立するほどの粘度だ。
「……紅茶だ」
「嘘をおっしゃい。先ほど、イチゴジャムの瓶を半分ほど投入されるのを目撃しました」
「頭を使うと糖分が必要になる」
彼は悪びれもせず、その激甘(と思われる)液体をズズズと啜った。
渋い顔一つせず、むしろ幸せそうにほう、と息を吐く。
「美味いぞ。やるか?」
「遠慮しておきます。糖尿病で早死にしたくありませんので」
北の英雄、『氷の狼』。
魔獣さえ恐れをなして逃げ出す強面の武人。
その正体が、これほどの甘党だとは、王都の誰も知らないだろう。
私の目の前で、彼はさらに角砂糖を三つ、追い投入した。
「……閣下。一つ提案ですが」
「なんだ」
「来客の前では、その飲み方は控えた方がよろしいかと。『辺境伯は味覚が壊滅している』と噂になります」
「善処する。……だが、ダーリよ」
彼は真剣な眼差しで私を見た。
まるで、敵軍の襲来を告げるかのような緊張感。
「マリーが焼いたこのクッキー。……あと五枚、残っているな?」
「はい」
「……俺が食ってもいいか?」
「どうぞ(そんな顔で聞くことですか)」
彼は嬉々としてクッキーに手を伸ばした。
その仕草は、獲物を狩る猛獣というより、餌をもらった大型犬に近い。
(……ギャップが激しすぎて、時々脳の処理が追いつかないわ)
私はため息をつきつつ、自分のカップ(無糖)に口をつけた。
***
その日の夕方。
私は気分転換に中庭へ出た。
北国の冷気は厳しいが、雪景色は美しい。
ふと見ると、中庭の隅にある大きな針葉樹の下に、オルグレン様が立っていた。
微動だにせず、腕を広げている。
その背中からは、近寄りがたいほどの威厳と殺気が……。
(……いや、殺気じゃないわね。あれは……)
私は静かに近づいた。
雪を踏む音を殺して、彼の背後に回る。
そして、その光景を目撃した。
「……こら、そこはくすぐったい」
オルグレン様が、低く優しい声で呟いている。
彼の広げた両腕、そして肩、さらには頭の上にまで。
真っ白な小鳥たちが、鈴なりに止まっていたのだ。
「チュン!」
「ピピ!」
小鳥たちは彼のことを人間だと思っていないのか、それとも巨大な止まり木だと思っているのか。
彼の軍服の肩章をつついたり、髪の毛の中に潜り込んだりして遊んでいる。
極めつけは、彼の足元だ。
子グマのポチが、彼のアイスブーツに噛み付いて遊んでいる。
「……閣下」
「!!」
私が声をかけると、オルグレン様はビクリと肩を震わせた。
その拍子に、小鳥たちが一斉にパタパタと飛び立つ。
彼はバツが悪そうに振り返った。
その頬は、寒さのせいか、それとも恥ずかしさのせいか、ほんのり赤い。
「……見られたか」
「ええ、バッチリと。『北の氷壁』が、実は『小鳥の止まり木』だった現場を」
「……あいつらは、俺がじっとしていると、木だと勘違いして寄ってくるんだ。追い払うのも面倒だから、放置していただけだ」
「嘘ですね。ポケットから木の実がこぼれていますよ」
私が指摘すると、彼は慌ててポケットを押さえた。
「……これは、非常食だ」
「小鳥用の?」
「……俺用だ」
苦しい言い訳だ。
私は笑いを堪えて、彼に歩み寄った。
「動物に好かれるのは、悪いことではありませんわ。彼らは人間より見る目がありますから」
「……そうか?」
「ええ。邪心のある人間には、野生動物は近づきません。……まあ、閣下の場合、殺気がなさすぎて『岩』か『木』だと思われている可能性もありますが」
「……否定できん」
彼は肩を落とした。
その時、足元のポチが「ガウッ!」と鳴いて、私の足にじゃれついてきた。
「あらあら、元気ね」
私が屈んでポチの頭を撫でると、ポチはゴロゴロと喉を鳴らしてお腹を見せた。
「……解せぬ」
オルグレン様がそれを見て呟く。
「俺が撫でようとすると逃げるくせに、なぜお前には懐くんだ」
「それは、撫で方の問題です」
私は立ち上がり、彼の手を取った。
大きくて、分厚い手だ。
「閣下の手は大きすぎるんです。そして、力が強すぎる。だから、こうやって……」
私は彼の手のひらに自分の指を添え、力の加減を教えるように空中で動かした。
「指先だけで、優しく掻くように。……そう、羽毛に触れるか触れないかくらいの強さで」
「こうか?」
「まだ強いです。卵を割らないように扱うつもりで」
彼は眉間に深い皺を寄せて、真剣に指先を動かしている。
魔剣を振るう時よりも慎重な表情だ。
「……よし、今だ。ポチ、行け」
私が合図すると、ポチが再び起き上がる。
オルグレン様はおっかなびっくり、その巨大な手を子グマの頭へと伸ばした。
そっ……。
指先が、茶色の毛並みに触れる。
ポチがビクリとする。
(頑張れ、閣下!)
彼は息を止めて、私の教え通り、優しく、優しく指を動かした。
わしゃわしゃ……。
ポチの目が、とろんと細められる。
そして、「クゥ~」と気持ちよさそうな声を出した。
「……できた」
オルグレン様の顔が、パァァッ!と輝いた。
まるで難攻不落の要塞を落とした時のような(見たことないけど)、達成感に満ちた笑顔。
とはいえ、強面なので笑顔というより「ニヤリと笑う魔王」に近いのだが。
「やりましたね、閣下」
「ああ! 逃げなかった! 噛まなかった!」
彼は子供のように喜んで、今度は両手でポチをわしゃわしゃし始めた。
ポチも嬉しそうに尻尾を振っている。
その光景を見て、私は確信した。
(……この人、チョロいわ)
王都では「冷血漢」だの「人間味がない」だのと言われていたが、とんでもない誤解だ。
むしろ人間味がありすぎる。
そして、不器用すぎる。
「……ふふっ」
「なんだ、ダーリ」
「いえ。……ここに来てよかったな、と思いまして」
私が言うと、彼は手を止めて私を見た。
その青い瞳が、夕陽を受けて穏やかに揺れている。
「……そう言ってもらえると、助かる。……お前が来てから、城の中が明るくなった気がするしな」
「それは、物理的に窓ガラスを磨かせたからでは?」
「それもあるが……いや、なんでもない」
彼は咳払いをして、立ち上がった。
「体が冷えた。戻るぞ、ダーリ。……あと、夕食のデザートは何だか知っているか?」
「アップルパイだと聞いています」
「そうか! それは楽しみだ」
足取り軽く城へ戻る巨大な背中。
その後ろを、ポチがテチテチとついていく。
私はその後ろ姿を見送りながら、小さく呟いた。
「……手のかかる上司ですこと」
でも、その声色は、自分でも驚くほど弾んでいた。
王太子殿下(あっち)の世話は地獄だったが、閣下(こっち)の世話は、どうやら意外と楽しいらしい。
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