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「……素晴らしい。王都の一等地、かつて美しきバラが咲き誇っていたこの地に、これほどまでに『攻撃的な赤』が並ぶとは。……全くだ、涙が出るな」
王立アカデミーの正面庭園。
現在、そこは「王立・激辛産業省」の直轄地、通称『第一テスト圃場(ほじょう)』へと姿を変えていました。
シリウス殿下は、誇らしげに腰に手を当て、一面に植えられたトウガラシの苗を見渡して深く頷いています。
「兄上、感動に浸っている暇はありませんよ。ほら、あちらから『旧時代の遺物』の方々が、香水の匂いを振りまきながら進軍してきています」
カイル殿下が、防護ゴーグルを指でクイッと押し上げながら冷静に指摘しました。
彼の視線の先には、華やかなドレスに身を包み、ハンカチを鼻に当てて顔をしかめた貴族令嬢たちの集団がありました。
その先頭に立つのは、保守派貴族の重鎮、バルモア伯爵の令嬢イザベラ。
かつての私、つまり「社交界の華」を気取っていた頃のライバルですわ。
「……まあ! なんてことでしょう! ロザリア様、貴女という人は、ついに頭までトウガラシの毒に冒されてしまったのですか!?」
イザベラ様は、私の目の前で大袈裟に扇を広げ、周囲の令嬢たちと同調するように深く溜息をつきました。
「このアカデミーの庭園は、美しき伝統の象徴でしたのよ。それをこんな……鼻を突くような悪臭を放つ、野蛮な赤色の草に変えてしまうなんて! 殿下たちまで泥まみれにして、貴女、自分が何をしているかわかっておいでなの!?」
私は、手にした霧吹き(中身はトウガラシエキス100%)をそっと置き、優雅に微笑みました。
「あら、イザベラ様。ごきげんよう。これは悪臭ではなく『生命の躍動(スパイス)』ですわ。それに、バラは見るだけですが、このトウガラシは国を富ませ、国民を熱狂させ、さらには冬の冷え性まで改善する、まさに国家の宝なのですわよ?」
「宝!? 笑わせないで! こんな下品なもの、王都の景観を損なうだけですわ! 今すぐ元に戻しなさい! さもないと、お父様を通じて陛下に厳重に抗議いたしますから!」
イザベラ様の金切り声が響き渡ります。
周囲の学生たちも遠巻きに様子を伺っていますが、令嬢たちの放つ「伝統」という名の重圧に、少しばかり気圧されているようですわ。
「……おい、イザベラ。先ほどから黙って聞いていれば、我が部下の仕事に随分な言い草ではないか」
低い、そして有無を言わせぬ威厳に満ちた声。
トウガラシの茂みからぬっと現れたのは、泥だらけのシャツのボタンを大胆に開け、ワイルドという言葉を具現化したようなシリウス殿下でした。
「し、シリウス殿下!? まあ……なんてお痛わしいお姿に……! さあ、殿下、そんな汚らわしい場所から今すぐこちらへ! この魔女ロザリアの洗脳を解かなければ……!」
「洗脳だと? ふざけるな。私は今、かつてないほど正気だ」
シリウス殿下は、イザベラ様の差し出した手を無視し、ずんずんと私の方へ歩み寄ってきました。
そして、何を思ったのか。
彼は私の両肩をガシッと掴み、真剣な眼差しで私の瞳を見つめたのです。
「ロザリア。私は、あの日からずっと考えていた。……いや、この畑を耕しながら、確信したんだ」
「……は、はい? 何でしょう、殿下。肥料の配合ミスでしたら、後でお聞きしますわよ」
「違う! ……いいか、よく聞け。……私はもう、これ無しでは生きていけない体になってしまったんだ!」
シリウス殿下の絶叫に近い告白。
庭園に、静寂が訪れました。
令嬢たちは「まあ……!」と頬を染め、カイル殿下は「あ、これいつものやつだ」と呆れたように天を仰いでいます。
「ロザリア! 私は貴様が……貴様の作り出す、あの燃えるような熱さが欲しいんだ! 毎日、朝から晩まで貴様を求めている! 貴様の刺激がないと、私の人生は無味乾燥で、まるでお湯で薄めたスープのようなものだ!」
「…………え、あの、殿下?」
「私の隣には、貴様がいなければならない! 貴様と共に、この赤き大地を歩み、共に世界を焼き尽くしたい! ……ロザリア! 私の……私の専属の、最高責任者になってくれ!」
「………………」
……一瞬、周囲は「情熱的なプロポーズ」に酔いしれかけました。
しかし、その「告白」の内容をよく吟味したイザベラ様たちは、次第に顔を引き攣らせていきます。
「……ちょっと、殿下。今、その……『貴様』というのは、トウガラシのことではなく、ロザリア様のこと……ですわよね?」
「当たり前だ! ロザリアとトウガラシ、それはもはや分かちがたい不可分な存在だ! 私は彼女の情熱(カプサイシン)を愛していると言っているんだ!」
「カプ……何ですのそれ!? 殿下、しっかりなさって! 愛を語る相手が、公爵令嬢ではなく『辛味成分』になっていますわよ!」
「うるさい! お前たちのような、刺激の足りない女に何がわかる! ロザリア、返事をくれ! 共に激辛の向こう側へ行こう!」
シリウス殿下は、完全に自分の世界に入り込み、私の手を握ってブンブンと上下に振り始めました。
「……殿下。とりあえず、今すぐその握った手を離してください。トウガラシを触った手で私の手を握ると、あとで猛烈にヒリヒリしますの」
「あ。……済まない、つい情熱が溢れてしまった」
私は溜息をつき、呆然としているイザベラ様の方を向きました。
「イザベラ様。ご覧の通りですわ。……殿下は、伝統よりも『刺激』を選ばれましたの。もし貴女が、この庭園をバラに戻したいとおっしゃるなら、殿下以上の情熱で、このトウガラシたちを上回る『刺激』を私たちに見せていただけますかしら?」
「……し、刺激……? 私が、そんな……野蛮なことを……」
「あら、できないのですか? それでは、この『第一テスト圃場』の運営を邪魔しないでくださいませ。……あ、せっかくですから、今朝収穫したての『火龍の涙(ハバネロ)』を差し上げますわ。これを食べて、少しは頭を冷やし……いえ、熱くされるとよろしいですわよ」
私が真っ赤な実を一粒差し出すと、イザベラ様たちは悲鳴を上げて、逃げるように去っていきました。
……第一王子による、史上最も「暑苦しい」告白は、こうして不発(?)に終わりました。
「……ロザリア。私の想い、伝わっただろうか?」
「ええ、殿下。……『労働意欲の高さ』だけは、痛いほど伝わりましたわ。……さあ、告白が終わったなら、あそこの畝に虫除けを撒いてきてください。一匹でも見逃したら、夕食の担々麺は三辛に落としますわよ」
「なっ、それは死刑宣告と同じだ! 待っていろ、一匹残らず殲滅してやる!」
シリウス殿下は、再び泥まみれになって畑へとダイブしていきました。
私の静かな隠居生活は、もう二度と戻ってこない。
……でも、この騒がしくて激辛な日々も、案外悪くないわね。
私は、真っ赤に実ったトウガラシを一つ手に取り、満足げに微笑むのでした。
王立アカデミーの正面庭園。
現在、そこは「王立・激辛産業省」の直轄地、通称『第一テスト圃場(ほじょう)』へと姿を変えていました。
シリウス殿下は、誇らしげに腰に手を当て、一面に植えられたトウガラシの苗を見渡して深く頷いています。
「兄上、感動に浸っている暇はありませんよ。ほら、あちらから『旧時代の遺物』の方々が、香水の匂いを振りまきながら進軍してきています」
カイル殿下が、防護ゴーグルを指でクイッと押し上げながら冷静に指摘しました。
彼の視線の先には、華やかなドレスに身を包み、ハンカチを鼻に当てて顔をしかめた貴族令嬢たちの集団がありました。
その先頭に立つのは、保守派貴族の重鎮、バルモア伯爵の令嬢イザベラ。
かつての私、つまり「社交界の華」を気取っていた頃のライバルですわ。
「……まあ! なんてことでしょう! ロザリア様、貴女という人は、ついに頭までトウガラシの毒に冒されてしまったのですか!?」
イザベラ様は、私の目の前で大袈裟に扇を広げ、周囲の令嬢たちと同調するように深く溜息をつきました。
「このアカデミーの庭園は、美しき伝統の象徴でしたのよ。それをこんな……鼻を突くような悪臭を放つ、野蛮な赤色の草に変えてしまうなんて! 殿下たちまで泥まみれにして、貴女、自分が何をしているかわかっておいでなの!?」
私は、手にした霧吹き(中身はトウガラシエキス100%)をそっと置き、優雅に微笑みました。
「あら、イザベラ様。ごきげんよう。これは悪臭ではなく『生命の躍動(スパイス)』ですわ。それに、バラは見るだけですが、このトウガラシは国を富ませ、国民を熱狂させ、さらには冬の冷え性まで改善する、まさに国家の宝なのですわよ?」
「宝!? 笑わせないで! こんな下品なもの、王都の景観を損なうだけですわ! 今すぐ元に戻しなさい! さもないと、お父様を通じて陛下に厳重に抗議いたしますから!」
イザベラ様の金切り声が響き渡ります。
周囲の学生たちも遠巻きに様子を伺っていますが、令嬢たちの放つ「伝統」という名の重圧に、少しばかり気圧されているようですわ。
「……おい、イザベラ。先ほどから黙って聞いていれば、我が部下の仕事に随分な言い草ではないか」
低い、そして有無を言わせぬ威厳に満ちた声。
トウガラシの茂みからぬっと現れたのは、泥だらけのシャツのボタンを大胆に開け、ワイルドという言葉を具現化したようなシリウス殿下でした。
「し、シリウス殿下!? まあ……なんてお痛わしいお姿に……! さあ、殿下、そんな汚らわしい場所から今すぐこちらへ! この魔女ロザリアの洗脳を解かなければ……!」
「洗脳だと? ふざけるな。私は今、かつてないほど正気だ」
シリウス殿下は、イザベラ様の差し出した手を無視し、ずんずんと私の方へ歩み寄ってきました。
そして、何を思ったのか。
彼は私の両肩をガシッと掴み、真剣な眼差しで私の瞳を見つめたのです。
「ロザリア。私は、あの日からずっと考えていた。……いや、この畑を耕しながら、確信したんだ」
「……は、はい? 何でしょう、殿下。肥料の配合ミスでしたら、後でお聞きしますわよ」
「違う! ……いいか、よく聞け。……私はもう、これ無しでは生きていけない体になってしまったんだ!」
シリウス殿下の絶叫に近い告白。
庭園に、静寂が訪れました。
令嬢たちは「まあ……!」と頬を染め、カイル殿下は「あ、これいつものやつだ」と呆れたように天を仰いでいます。
「ロザリア! 私は貴様が……貴様の作り出す、あの燃えるような熱さが欲しいんだ! 毎日、朝から晩まで貴様を求めている! 貴様の刺激がないと、私の人生は無味乾燥で、まるでお湯で薄めたスープのようなものだ!」
「…………え、あの、殿下?」
「私の隣には、貴様がいなければならない! 貴様と共に、この赤き大地を歩み、共に世界を焼き尽くしたい! ……ロザリア! 私の……私の専属の、最高責任者になってくれ!」
「………………」
……一瞬、周囲は「情熱的なプロポーズ」に酔いしれかけました。
しかし、その「告白」の内容をよく吟味したイザベラ様たちは、次第に顔を引き攣らせていきます。
「……ちょっと、殿下。今、その……『貴様』というのは、トウガラシのことではなく、ロザリア様のこと……ですわよね?」
「当たり前だ! ロザリアとトウガラシ、それはもはや分かちがたい不可分な存在だ! 私は彼女の情熱(カプサイシン)を愛していると言っているんだ!」
「カプ……何ですのそれ!? 殿下、しっかりなさって! 愛を語る相手が、公爵令嬢ではなく『辛味成分』になっていますわよ!」
「うるさい! お前たちのような、刺激の足りない女に何がわかる! ロザリア、返事をくれ! 共に激辛の向こう側へ行こう!」
シリウス殿下は、完全に自分の世界に入り込み、私の手を握ってブンブンと上下に振り始めました。
「……殿下。とりあえず、今すぐその握った手を離してください。トウガラシを触った手で私の手を握ると、あとで猛烈にヒリヒリしますの」
「あ。……済まない、つい情熱が溢れてしまった」
私は溜息をつき、呆然としているイザベラ様の方を向きました。
「イザベラ様。ご覧の通りですわ。……殿下は、伝統よりも『刺激』を選ばれましたの。もし貴女が、この庭園をバラに戻したいとおっしゃるなら、殿下以上の情熱で、このトウガラシたちを上回る『刺激』を私たちに見せていただけますかしら?」
「……し、刺激……? 私が、そんな……野蛮なことを……」
「あら、できないのですか? それでは、この『第一テスト圃場』の運営を邪魔しないでくださいませ。……あ、せっかくですから、今朝収穫したての『火龍の涙(ハバネロ)』を差し上げますわ。これを食べて、少しは頭を冷やし……いえ、熱くされるとよろしいですわよ」
私が真っ赤な実を一粒差し出すと、イザベラ様たちは悲鳴を上げて、逃げるように去っていきました。
……第一王子による、史上最も「暑苦しい」告白は、こうして不発(?)に終わりました。
「……ロザリア。私の想い、伝わっただろうか?」
「ええ、殿下。……『労働意欲の高さ』だけは、痛いほど伝わりましたわ。……さあ、告白が終わったなら、あそこの畝に虫除けを撒いてきてください。一匹でも見逃したら、夕食の担々麺は三辛に落としますわよ」
「なっ、それは死刑宣告と同じだ! 待っていろ、一匹残らず殲滅してやる!」
シリウス殿下は、再び泥まみれになって畑へとダイブしていきました。
私の静かな隠居生活は、もう二度と戻ってこない。
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