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異世界とはどんなものかしら?

マーヤはベッドで試行錯誤中です。

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「そういえば、この神殿の衣装は皆白か淡い色なのね。身分によって違うのかしら?」
「いえ、皆白を最初にいただきます。身につけていると何かと汚れはじめ、その度に色を染めて汚れを隠します。破れた時には部屋着として用いるようにしていますね」
「そうなんですね」
「色を染めるのは汚れた時ですね。染色はお金がかかりますから、若い者は汚れてもそのままということもあります」

 今、そばにいて監視しているのはマザー・オーリーです。
 ちょっとぽっちゃりされていますが垂れ目で可愛らしい方です。
 が、さすがとてもマナーに厳しいです。
 でも、

「知識を求める時も武を求める際も、人は礼を持って教えを乞うのです。知識、実践も必要ですが先人を敬い、後進を導くのですから」

と言う言葉は背筋が伸びますね。



「そうですね……ふと思ったのですが、玉ねぎとかの皮はどうしていますか?」
「……確か捨てていますね。土に埋めるか焼きます」
「玉ねぎの皮を煮出したお汁に布をつけて、染めることができます。でもすぐ色落ちしますから酢と水とクギを煮詰めて作った定着液……を混ぜると色落ちしにくくなるはずです。新しい服は白が美しいのでそのままにしておいて、汚れた時には染めて着回すのもいいと思いますね」
「玉ねぎの皮で染める……」

 マザー・オーリーは考え込まれます。
 あら?
 使わないのかしら?
 布の色を染めるのは、決まった染料だけじゃないと思うのに。

「他にも、虫食いの食べられなくなった葉っぱとか、そう言うものも使えますよ。他には葡萄の枝も皮を剥いて、その皮を煮詰めるのもいいでしょうね。確か別の木などは、葉っぱや木の皮と部位によって色が変わると聞いたことがあります」

 うん、前に聞いたのは、桜の木が伐採されて、そのままはもったいないって桜の木の皮を剥いでその皮を煮出して染色したら綺麗なピンクになったらしい。
 葡萄の木の皮は知らないけど、もしかしたら鮮やかな色になるかも。
 まぁ、触媒液によって色も変わるのかもしれない。
 普通に洗濯の時の簡単な色落ち防止には、塩や酢を入れて洗うのもいいとか。
 つけ置きも可だ。
 まぁ、もうちょっと勉強しておくべきだったかな……。

~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~

 確か、玉ねぎの皮で染色すると、ミョウバン液を使えば鮮やかな黄色になるはずです。
 鉱物……鉄とか銅を煮出した液体を使うとちょっと違うのだとか。
 マーヤは専門外です^_^
 前世のちょっとした知識と思ってください。
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