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異世界とはどんなものかしら?

今度は何を作りましょうか……?

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 うむむ……お久しぶりです。
 真彩まあやです。
 ただいま私は、アネッサ……正式にはシスターではなくアネッサ枢機卿と呼ばれるのだそうです……に安静を言い渡されてベッドに横になっています。
 病院はなく、自室でよくなるまで出てはいけないとこんこんと言い聞かされました。

 うん、目の前にいるマザー・ミームとシスター・サラにです。
 マザー達はとても大好きですが、ここ数日で私が特にマザー・ミームに弱いと理解されたようです。
 ……うん……マザー・ミームはおばあちゃんに似てるんです。
 喋り方とか雰囲気とか……だから、怒られるというより、心配ですよと窘められるとごめんなさいと言いたくなる。
 あ、マザー・ミームは、一時期よりとっても元気になったそうです。
 やっぱり足が辛いと大変ですからね。
 よく言いますよね……足は第二の心臓だって……あ、足裏ですか?
 でも、ちょっと膝とか足首とか悪くなると、足かばっちゃうんですよ……これは、前世、姉に突き飛ばされて足を骨折した時にくっつけるのに1ヶ月、それから普通に歩くのもしばらくかかりましたから。
 単純骨折の方が大変なんです……何故かって? 松葉杖なしで動くから、ギプス分の歪みが坐骨に負担になって、坐骨神経痛になるのですよ……あれは地味に痛いんです。
 あの辛さはカイロプラクティックで歪みを治していく治療で楽になったけど、足の悪いマザー・ミームはその治療よりこれからにいい方法を考えて差し上げたいものです。
 今は一時的に楽になっているけど、中長期的にリハビリとか食生活、もしくは負担にならない筋力トレーニングを考えたほうがいいのだけれど……その前に、ここでの知識を追加したいものです。



 ということで、長々と語りましたが、この国や神殿について聞いてみました。

 まず、聞いたのはマザーとシスター、枢機卿の違い。
 頭に文字は浮かぶものの……日本語で。自動翻訳機能があるようですが、私にはその差はわかりませんでした。
 そうすると、前世のマザーお母さんファーザーお父さんシスター姉妹ブラザー兄弟とは当然違い、地位のようなものだそうです。
 マザーやファーザーは長い間神殿で神の教えを学んだり、神の代理として各地に赴き教育を施したり、暮らしを支えてきた人の中で、中心的役割の方だそう。
 無理矢理当てはめてみると、一種の地方公務員と言えばいいのかな?
 だから、上位管理職に当たるのがそれぞれマザーやファーザー。
 その修行中の見習い……社員さんとか、行儀見習いのために預けられた人……契約社員さんを総称してシスターとブラザーだそうです。
 でも、この神殿ではファーザーが今いらっしゃらず、男性で中心的に動く人がブラザー・ドロスとブラザー・ケインだそうです。
 ファーザーはお亡くなりになったのではなく、管轄区域の別の神殿に出向いているとのことです。

 そして、枢機卿は中央から派遣されている、形式上神殿の代表者になるのだそう。
 神殿長という立場の人もいらっしゃるけれど、もっとたくさんの小神殿をまとめる存在だそうだ。
 他にもマザーやファーザー達のトップは神官長という感じらしいけれど、今はそういう存在はいないのだという。
 昔よりも信仰が薄くなったとか……そういっていた。
 ちょっと思うのは、もしかして、私の前の聖女がしでかしたせいでしょうか?
 もしそうだったら申し訳ないですね……と思うけど分からないから何とも答えられないですね。
 あ、アネッサの双子の弟さんであるあのジークフリードさんは、元枢機卿で還俗されているそうだ。
 アネッサと一緒に小さい頃に神殿で育ったらしい。

「気になりますか?」

と途中で様子を見に来てくれたジークフリードさんの元同僚の一人で、交流のあったブラザー・ドロスに聞かれました。

「そうねぇ……? 年齢と身長と体重、体力があるかどうか気になるかなぁ?」
「体力?」
「うーん……年齢と身長と体重で、ある程度筋肉量ってわかると思うの。今度来た時、帰る時にここにある無駄なものをついでに売りに行ってもらいたいから、どれくらい持っていってくれるかなって?」
「に、荷物を運ばせるんですか?」
「当たり前です。マザー・ミームに荷物を持たせるくらいなら、健康な手と足があるんですから、帰るついでに街に売りに行ってもらうんです。ついでです!」

 ぶっはっ!

ちょうど水を瓶に汲み、運んでいたブラザー・ケインが噴き出した。
 水は井戸はいくつかあるのですが、やっぱり力仕事なので、力持ちの人にお願いするのだそうです。
 そしてブラザー・ケインは笑い上戸らしい。

「マーヤ様は面白いですね。一応、アイツは次期皇帝ですよ?」
「身分よりも体力有り無しですよね~」
「あははは! いいですねそういうの」

 ブラザー・ケインは楽しそうに瓶を運んでいきました。

 一応、この神殿は男女ともに共同生活です。
 ですが、寝るところは別で、特に礼儀作法を学ぶような若い子女は交流を厳しくしているそうです。


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 ちょっと間が空きましたm(_ _)m

 ちょっとずつ公開していきます。
 チートっぽいですが、作者知識不足ですみません。
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