28 / 34
一応破壊的要素満載の両親の子供ですから……
しおりを挟む
ちなみにギディアンは、アイドの服の裾を必死に掴み、ギディアンにしては最小限に振り絞った声で問いかけていた。
「アイド! 大丈夫か?」
「何が?」
「ユーザーって、絶対、似てるよな! 絶対似てる!」
「似てるって、誰?」
「アイドたちの父親に似てるじゃん! 大丈夫か? 揉めたりしないか?」
アイドは首を傾げ考え込み、
「似てないよ? 全然。うちのへ……実父に似てたらブッサイク! だし! あんなのに似てるなんて言われたら、可哀想だよ! ユーザーを見てごらん? 小さい顔にあのまんまるの目! 喋り方も一所懸命で、素直で可愛い! ひねくれてて、性格の悪い俺の実父に似てるはずがない!」
「いや、不細工とかじゃなくて! ユーザーはか……可愛いけどさ!」
顔を赤くして小声でもう一度、可愛いけど……と呟くギディアンの方も可愛いなぁと思いつつ、アイドは、
「というか~もし、俺たちの異母兄弟だったとして……」
「あ、そうだ! だったらどうすんの?」
「うーん、まずは、父さんたちとじい様と、セイラさんとおばあさまに告げ口して、ギッタンギッタンのボッコボコにして、あの人吊るして、溟海の向こうのルーズリアに捨てて来よっかなぁとは思ってるよ?」
にっこりと答える。
「あ、アイド……?」
「あ、違った! 今捨てたら、パパファンたちが大変だから、5年ぐらい1日も休ませず、王宮に閉じ込めて仕事をさせて、そのあと捨てる! 今まで遊んでた分を使わないと大損だもん。あ、仕事の間には、どっかの組織三つぐらい潰してもらおうかな?」
「あ、アイドぉぉ?」
指を一つ一つ折りながらニヤニヤと嗤う……美貌のアイドが黒い……。
「ついでに、あの人の財産は全部没収……どうせ、そんなの持ってたら、仕事放棄して裏口を抜け出して、街で酒を飲むか、喧嘩するかしてるに違いない! するたびに連れ戻す、パパファンの苦労を考えたら、パパファンに特別ボーナスとギリギリになっちゃうけど、有給休暇を追加するべきだと思うね!」
「いや、アイド……オレ、そういうのよくわかんない……」
「ふふふっ! ナイショだけど、カズールの北の《風の鳥平原》って、元々あの人のものなんだって。でも、密猟者入るでしょ? 叩いても叩いても出るからって、ギルドが騎士の館に依頼したって」
「はぁぁ? オレたちに密猟者捕まえろって?」
ギディアンが声を上げる。
密猟者は、悪い言い方をすれば、悪事を企む人間が集まる組織。
別組織とも手を組んでいる可能性がある。
「《風の鳥平原》は個人の土地だから、許可してない人は出入りできないようにしなくちゃいけないのに、しないくせに、火は持ち込んだランプ以外使わない、とか決まりが多い、テント宿泊訓練を騎士の館に頼んで入る許可を得たんだって。ちなみに、食事は非常食、水は実地で手に入れる必要があるから溜める方法に、簡単な蒸留方法も教わったり、するらしい」
「どんな訓練だよ」
「ファルト領の危険地帯の実地訓練よりマシって、元紅騎士してたルー兄さん他のお言葉があったよ」
「うわぁ……まぁ、オレ、暑いの苦手……」
ギディアンは暑すぎず、雪も降りすぎない上に川沿いの水も豊富な北西地域に生まれ育ったので、過酷な環境は苦手だろうと自覚している。
「俺は……草にかぶれるのと食べ物アレルギーだから、携帯食を自前かな……」
「大丈夫か? それ……」
「と言うか……死ななければ問題ない。と俺は思った」
「絶対ダメじゃん! それ!」
なぜか達観したような様子のアイドに、ギディアンが突っ込む。
「まぁ、生きてるから大丈夫。それより、平原は定期的に人が立ち入れば、馬鹿も警戒するだろうって」
「あー……」
「ついでに、その言い訳で逃げる実父を捕まえときたいって。食べ物とかの問題が解決するなら、ロープの結び方とか、木登りとかも教わるから、10日くらい生活訓練したいな」
「し、したいの?」
「うん。まぁ、それより、ユーザーのことは館長たちから伝わってると思う。早くて明日には来るでしょ……実父は来なくていいけど」
「……なんか言われてる気がする」
ハリセンを構えた喧嘩っ早い嫁と義母に追い回されながら呟く男がいた。
「アイド! 大丈夫か?」
「何が?」
「ユーザーって、絶対、似てるよな! 絶対似てる!」
「似てるって、誰?」
「アイドたちの父親に似てるじゃん! 大丈夫か? 揉めたりしないか?」
アイドは首を傾げ考え込み、
「似てないよ? 全然。うちのへ……実父に似てたらブッサイク! だし! あんなのに似てるなんて言われたら、可哀想だよ! ユーザーを見てごらん? 小さい顔にあのまんまるの目! 喋り方も一所懸命で、素直で可愛い! ひねくれてて、性格の悪い俺の実父に似てるはずがない!」
「いや、不細工とかじゃなくて! ユーザーはか……可愛いけどさ!」
顔を赤くして小声でもう一度、可愛いけど……と呟くギディアンの方も可愛いなぁと思いつつ、アイドは、
「というか~もし、俺たちの異母兄弟だったとして……」
「あ、そうだ! だったらどうすんの?」
「うーん、まずは、父さんたちとじい様と、セイラさんとおばあさまに告げ口して、ギッタンギッタンのボッコボコにして、あの人吊るして、溟海の向こうのルーズリアに捨てて来よっかなぁとは思ってるよ?」
にっこりと答える。
「あ、アイド……?」
「あ、違った! 今捨てたら、パパファンたちが大変だから、5年ぐらい1日も休ませず、王宮に閉じ込めて仕事をさせて、そのあと捨てる! 今まで遊んでた分を使わないと大損だもん。あ、仕事の間には、どっかの組織三つぐらい潰してもらおうかな?」
「あ、アイドぉぉ?」
指を一つ一つ折りながらニヤニヤと嗤う……美貌のアイドが黒い……。
「ついでに、あの人の財産は全部没収……どうせ、そんなの持ってたら、仕事放棄して裏口を抜け出して、街で酒を飲むか、喧嘩するかしてるに違いない! するたびに連れ戻す、パパファンの苦労を考えたら、パパファンに特別ボーナスとギリギリになっちゃうけど、有給休暇を追加するべきだと思うね!」
「いや、アイド……オレ、そういうのよくわかんない……」
「ふふふっ! ナイショだけど、カズールの北の《風の鳥平原》って、元々あの人のものなんだって。でも、密猟者入るでしょ? 叩いても叩いても出るからって、ギルドが騎士の館に依頼したって」
「はぁぁ? オレたちに密猟者捕まえろって?」
ギディアンが声を上げる。
密猟者は、悪い言い方をすれば、悪事を企む人間が集まる組織。
別組織とも手を組んでいる可能性がある。
「《風の鳥平原》は個人の土地だから、許可してない人は出入りできないようにしなくちゃいけないのに、しないくせに、火は持ち込んだランプ以外使わない、とか決まりが多い、テント宿泊訓練を騎士の館に頼んで入る許可を得たんだって。ちなみに、食事は非常食、水は実地で手に入れる必要があるから溜める方法に、簡単な蒸留方法も教わったり、するらしい」
「どんな訓練だよ」
「ファルト領の危険地帯の実地訓練よりマシって、元紅騎士してたルー兄さん他のお言葉があったよ」
「うわぁ……まぁ、オレ、暑いの苦手……」
ギディアンは暑すぎず、雪も降りすぎない上に川沿いの水も豊富な北西地域に生まれ育ったので、過酷な環境は苦手だろうと自覚している。
「俺は……草にかぶれるのと食べ物アレルギーだから、携帯食を自前かな……」
「大丈夫か? それ……」
「と言うか……死ななければ問題ない。と俺は思った」
「絶対ダメじゃん! それ!」
なぜか達観したような様子のアイドに、ギディアンが突っ込む。
「まぁ、生きてるから大丈夫。それより、平原は定期的に人が立ち入れば、馬鹿も警戒するだろうって」
「あー……」
「ついでに、その言い訳で逃げる実父を捕まえときたいって。食べ物とかの問題が解決するなら、ロープの結び方とか、木登りとかも教わるから、10日くらい生活訓練したいな」
「し、したいの?」
「うん。まぁ、それより、ユーザーのことは館長たちから伝わってると思う。早くて明日には来るでしょ……実父は来なくていいけど」
「……なんか言われてる気がする」
ハリセンを構えた喧嘩っ早い嫁と義母に追い回されながら呟く男がいた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
誰もが我儘な私ではないお方が良かったようなので、悪役の私は残忍な猛将達に手酷く扱われに行きます。戻れ? 絶対に離れるなと脅されているのですが
迷路を跳ぶ狐
ファンタジー
魔法もろくに使えない役立たずと言われ、婚約者にも彼の周りの人達にも馬鹿にされてきた私。ずっと耐えてきたつもりだったけど、誰もがこんな私よりも、もっと優秀な魔法使いがいたはずなのに、とため息をつく。
魔法によって栄え、王都にまでその名を知らしめた貴族の婚約者は、「なんでこんな役立たずが……」と私を蔑み、城の中で魔法使いたちを統率する偉大な魔法使いは、「こんな女がこの領地を任されるだなんて! なんて恐ろしく愚かなことだ!!」と嘆く。
貴族たちに囲まれ詰られて、婚約者には見放され、両親には罵声を浴びせられ、見せ物のように惨たらしく罰せられた。「なんでこんな役立たずがこの城に来たんだ……」そう落胆されながら。
魔法が苦手でここを出る手段はないけど……もうこんなところにいられるか!
そう決意した私に、私を虐げていた誰もが腹を立てる。激しくぶたれた私は、機嫌を損ねた残忍な竜たちに、枷をされて隣の領地まで連れて行かれることになった。
重労働を言いつけられ、魔物や魔獣、竜たちがうろつく森の城についてからは、暗く小さな部屋に放り込まれた。
たった一人で食事をして、何もない部屋から見窄らしい格好で窓の外を見上げる。
なんだこれ…………
「最高…………」
もう、私を踏み躙る奴らに好きに扱われることはないんだ! それだけで、何もかもが最高!!
金もなければ能力もまるでない! 魔法すらまともに使えない! だけど今は思いのままに身につけに行ける!! 何もないのでこれから欲しいもの全部、手に入れに行きます!
そんな風にして竜族の城に住むことになった私。気づいたらやけに皆さんとの距離が近い? 元婚約者も「戻って来い」なんてうるさいけど、知りません!! 私は忙しいので!
私たちの離婚幸福論
桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
女神様、もっと早く祝福が欲しかった。
しゃーりん
ファンタジー
アルーサル王国には、女神様からの祝福を授かる者がいる。…ごくたまに。
今回、授かったのは6歳の王女であり、血縁の判定ができる魔力だった。
女神様は国に役立つ魔力を授けてくれる。ということは、血縁が乱れてるってことか?
一人の倫理観が異常な男によって、国中の貴族が混乱するお話です。ご注意下さい。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クゥクーの娘
章槻雅希
ファンタジー
コシュマール侯爵家3男のブリュイアンは夜会にて高らかに宣言した。
愛しいメプリを愛人の子と蔑み醜い嫉妬で苛め抜く、傲慢なフィエリテへの婚約破棄を。
しかし、彼も彼の腕にしがみつくメプリも気づいていない。周りの冷たい視線に。
フィエリテのクゥクー公爵家がどんな家なのか、彼は何も知らなかった。貴族の常識であるのに。
そして、この夜会が一体何の夜会なのかを。
何も知らない愚かな恋人とその母は、その報いを受けることになる。知らないことは罪なのだ。
本編全24話、予約投稿済み。
『小説家になろう』『pixiv』にも投稿。
私は……何も知らなかった……それだけなのに……
#Daki-Makura
ファンタジー
第2王子が獣人の婚約者へ婚約破棄を叩きつけた。
しかし、彼女の婚約者は、4歳年下の弟だった。
そう。第2王子は……何も知らなかった……知ろうとしなかっただけだった……
※ゆるい設定です。ゆるく読んでください。
※AI校正を使わせてもらっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる