糸がもつれるようなもどかしい思いが恋らしい。

刹那玻璃

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一応破壊的要素満載の両親の子供ですから……

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 ちなみにギディアンは、アイドの服の裾を必死に掴み、ギディアンにしては最小限に振り絞った声で問いかけていた。

「アイド! 大丈夫か?」
「何が?」
「ユーザーって、絶対、似てるよな! 絶対似てる!」
「似てるって、誰?」
「アイドたちの父親に似てるじゃん! 大丈夫か? 揉めたりしないか?」

 アイドは首を傾げ考え込み、

「似てないよ? 全然。うちのへ……実父に似てたらブッサイク! だし! あんなのに似てるなんて言われたら、可哀想だよ! ユーザーを見てごらん? 小さい顔にあのまんまるの目! 喋り方も一所懸命で、素直で可愛い! ひねくれてて、性格の悪い俺の実父に似てるはずがない!」
「いや、不細工とかじゃなくて! ユーザーはか……可愛いけどさ!」

顔を赤くして小声でもう一度、可愛いけど……と呟くギディアンの方も可愛いなぁと思いつつ、アイドは、

「というか~もし、俺たちの異母兄弟だったとして……」
「あ、そうだ! だったらどうすんの?」
「うーん、まずは、父さんたちとじい様と、セイラさんとおばあさまに告げ口して、ギッタンギッタンのボッコボコにして、あの人吊るして、溟海うみの向こうのルーズリアに捨てて来よっかなぁとは思ってるよ?」

にっこりと答える。

「あ、アイド……?」
「あ、違った! 今捨てたら、パパファンたちが大変だから、5年ぐらい1日も休ませず、王宮に閉じ込めて仕事をさせて、そのあと捨てる! 今まで遊んでた分を使わないと大損だもん。あ、仕事の間には、どっかの組織三つぐらい潰してもらおうかな?」
「あ、アイドぉぉ?」

 指を一つ一つ折りながらニヤニヤと嗤う……美貌のアイドが黒い……。

「ついでに、あの人の財産は全部没収……どうせ、そんなの持ってたら、仕事放棄して裏口を抜け出して、街で酒を飲むか、喧嘩するかしてるに違いない! するたびに連れ戻す、パパファンの苦労を考えたら、パパファンに特別ボーナスとギリギリになっちゃうけど、有給休暇を追加するべきだと思うね!」
「いや、アイド……オレ、そういうのよくわかんない……」
「ふふふっ! ナイショだけど、カズールの北の《風の鳥平原》って、元々あの人のものなんだって。でも、密猟者入るでしょ? 叩いても叩いても出るからって、ギルドが騎士の館に依頼したって」
「はぁぁ? オレたちに密猟者捕まえろって?」

 ギディアンが声を上げる。
 密猟者は、悪い言い方をすれば、悪事を企む人間が集まる組織。
 別組織とも手を組んでいる可能性がある。

「《風の鳥平原》は個人の土地だから、許可してない人は出入りできないようにしなくちゃいけないのに、しないくせに、火は持ち込んだランプ以外使わない、とか決まりが多い、テント宿泊訓練を騎士の館に頼んで入る許可を得たんだって。ちなみに、食事は非常食、水は実地で手に入れる必要があるから溜める方法に、簡単な蒸留方法も教わったり、するらしい」
「どんな訓練だよ」
「ファルト領の危険地帯の実地訓練よりマシって、元紅騎士してたルー兄さん他のお言葉があったよ」
「うわぁ……まぁ、オレ、暑いの苦手……」

 ギディアンは暑すぎず、雪も降りすぎない上に川沿いの水も豊富な北西地域に生まれ育ったので、過酷な環境は苦手だろうと自覚している。

「俺は……草にかぶれるのと食べ物アレルギーだから、携帯食を自前かな……」
「大丈夫か? それ……」
「と言うか……死ななければ問題ない。と俺は思った」
「絶対ダメじゃん! それ!」

 なぜか達観したような様子のアイドに、ギディアンが突っ込む。

「まぁ、生きてるから大丈夫。それより、平原は定期的に人が立ち入れば、馬鹿も警戒するだろうって」
「あー……」
「ついでに、その言い訳で逃げる実父を捕まえときたいって。食べ物とかの問題が解決するなら、ロープの結び方とか、木登りとかも教わるから、10日くらい生活訓練したいな」
「し、したいの?」
「うん。まぁ、それより、ユーザーのことは館長たちから伝わってると思う。早くて明日には来るでしょ……実父は来なくていいけど」



「……なんか言われてる気がする」

 ハリセンを構えた喧嘩っ早い嫁と義母に追い回されながら呟く男がいた。
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