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七、月と星のキーホルダー
月と星のキーホルダー2
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それから五日間、かなでたちは天海さんと月滝さんの思い出話をいろんな時間でたくさん聞いた。
「月に二回は近所の天文台に行ってプラネタリウムを観に行ってたんだ。そこでなかよくなった学芸員さんがいてさ。星や宇宙のことをいろいろ話してくれたんだ」
「そらかはクッキーを星型にすると喜ぶんだ。月の形よりも星型のほうがいいみたいなんだ」
「夏には花火をしながら、そらかはたしか『ほら見て、すい星』って言ってたっけ」
どの思い出を話すときも天海さんはとても楽しそうで、かなででもうらやましくなるほどの笑顔をうかべていた。そういう思い出話を聞いてかなでは心が温かくなった。しかしときどき自分もおしゃべりに参加したくて口がむずむずした。口が開きそうになったらほほをたたいた。
天海さんが泊まって五日目の夜。ごはんの前に律は彼をリビングに呼んだ。そしてどんな曲で思い出をこめるか確かめた。天海さんは『きらきら星』を指定して、律の提案でゆっくりとした曲調でアレンジすることになった。
「初めて見たプラネタリウムもそうだったそうですから。おれは覚えていないけれど、そらかはそう言っていたんで」
「かしこまりました。あさっては何時にご出立ですか?」
「午後二時にはここを発ちます」
「ならばそれまでに必ずおわたしします。ただ、一つ守っていただきたいことがあります」
律にそう言われ天海さんは姿勢を正した。律は真剣な眼差しで告げた。
「思い出をこめるとき、わたしがひいている曲以外の音が入ってしまうと失敗してしまいます。同じものにもう一度思い出をこめることはできません。予備がないのでしたら、そのときはどうぞ庭に出ることのないよう」
「わ、わかりました……」
律の強い目力に天海さんは何度もうなずいた。
(そうなんだ。わたしのときはもう思い出をこめてもらってたもんなあ)
さらに律は明日アレンジした曲を聴いてもらいたいことをつけくわえた。天海さんは承知した。
天海さんが部屋にもどったあと、律はかなでのほうを見て言った。
「かなで、あなたもよ」
「えーっ! そんなあ……」
かなでは大きく肩を落とした。
「見るだけでもだめですか?」
なんとか食らいつこうとするかなでに対して律は首を横にふった。
「あなたはたしかに修業をしっかりしている。でもまだ基本がぜんぶできているわけじゃない」
「うう」
かなでがあきらめきれずにうなっていると、意外なところから助け舟が出た。
「いいじゃない。見せてあげなよ、リツ」
「ワタシもイオに賛成だ」
イオとルゥトがいつの間にかリビングにやってきていた。
「イオ、ルゥト。お客さまがまだいらっしゃるんだから、部屋にいてちょうだい」
律はイオとルゥトに厳しい目をむけた。しかし二人とも今回はとくに気にしていないようだった。
「だいじょうぶさ。バレないようにこっそりきたから」
ルゥトはむねを張ってそう言った。律は鋭い眼差しのまま、イオとルゥトを見た。
「思い出は同じ品に二度はこめられない。それがどれだけ大変なことか十分わかっているでしょ?」
「もちろんさ。だからこそ、だよ」
イオはいっしゅんかなでを見てふっと笑った。
「大切なことならなおさらきちんと知っておくべきだと思うよ。それにカナデはまだ思い出をこめるところを見たことがないじゃない。せっかく夏休みってチャンスがあるんだ。それを生かすのは悪いことじゃないと思うよ」
「大切なことほどはじめに教えておくべきだとワタシは思うけれどね」
イオとルゥトにそう言われ律はうでを組んで考えた。かなではすがりつくように頭を下げた。
「おねがいします、律さん! 絶対に動いたりしゃべったりしません。なんだったら息もなるべくしませんからっ」
それを聞いたイオとルゥトはふき出していた。律は一度目を閉じてすぐ開いた。そして微苦笑をうかべた。
「二人の言うとおりかもね。そのかわり部屋のすみにいること。いいわね? あと息はふつうにしてちょうだい」
かなでの表情はぱっと明るくなり、力強く「はい!」と返事をした。
まず庭の小屋へ使う楽器を運んだ。といってもそれほどの数はなかった。ルゥトの体であるフルートと音楽室によくある金色のぼうが連なっている楽器、ウィンドチャイムだけだった。ウィンドチャイムは運ばれているあいだ絶え ずシャラシャラと鳴っていた。
小屋の中ではアノーが待っていた。律、かなで、イオ、ルゥト、アノーの五人で準備をはじめる。今回オッディは楽器部屋で待機らしい。ウィンドチャイムをピアノのはすむかいに置いて、イオたちは体である楽器にもどった。律はいすにこしかけアノーのピアノのふたを開けた。中のワインレッドの布を外す。
「音や音楽っていうのは記憶を呼び覚ますのにとても有効なのよ。そしてそのときの空気、におい、行動、場所なんかを閉じこめている。音は思い出のかたまりなの」
律はかなでにそう言ってぽーんと一音鳴らした。その直後、律がまとうふんいきががらりと変わった。近づきがたいような、それでも温かみのある、そんな空気だった。律はまずピアノだけで『きらきら星』をひいた。ひき終えると律はあごに手を当ててしばらく考えていた。
「かなで、ルゥトを貸して」
「はいっ」
かなでは律にルゥトの体であるフルートをわたした。今度はフルートで『きらきら星』が吹かれた。そして納得したようにうなずいた。
「今回はルゥトにするわ。イオ、曲をはじめる前にウィンドチャイムを鳴らして。曲は二回演奏するわ。一回目はルゥトだけで演奏するけれど、二回目のときには時折ウィンドチャイムを鳴らして」
「わかった」
イオがバイオリンの中から出てきた。
「あのお……イオも楽器を演奏するんですか?」
かなではえんりょがちに尋ねた。その問いに答えたのは律ではなくイオだった。
「まあ楽器の魂がほかの楽器を演奏するっていうのもおかしいかもね。でもこのウィンドチャイムはまだ魂がない。まだつくられて百年も経っていないから」
イオはシャラン、とウィンドベルを一度鳴らした。
「思い出をこめることができるのは想鳴者だけれど、その思い出を一度曲という形にできるのはボクら楽器の魂。ボクら楽器の魂は人の姿をとっているときは、その力を魂がこもっていない楽器にも分けることができる。だからまだ魂が宿っていない楽器を使うときは、リツが演奏する楽器以外でボクらの内だれかがリツの演奏を手伝うんだ。メインの楽器はリツと思い出をこめることに集中しなくちゃいけない。だから別の楽器のだれかが力を分けるんだ」
イオの答えを聞くとかなでの中で新しい疑問が生まれた。
「なんでそんな風に力を分けることができるの?」
「そうだなあ……ボクの考えでは音楽ってその場にいるたくさんの人に聴いてもらえるだろう? それって曲や音色をそこにいる人たちに分けるのと似てないかい? いや、分けるっていうか配るっていうほうがわかりやすいのかな? 紙のように音を配ってるって感じ」
「うーん、わかるようなわからないような。なんていうか、とにかく分けられるんだね」
「うん。でもその場だけなんだ。なんでかわからないけどね。まさしく音が消えるように、ボクらの中に力がもどってくるんだ」
イオはそんな風に説明してくれた。
「思い出をこめるには、わたしたち人間の力だけでも、楽器の魂たちだけでもだめなの。両者が協力してはじめてできることなのよ」
律はそうつけ加えた。話を終えると律とイオはアイコンタクトをとって演奏をはじめた。イオがウィンドチャイムを鳴らした。それはまるで流れ星のような音だった。その音が完全に消えるとルゥトのやさしい音で『きらきら星』が始まった。時折リズムが変わりながら、天の川でボートに乗っているような、ゆったりとした気持ちになった。最後の『お空の星よ』の部分はさらにテンポを落とし、音をのばした。その後もう一度演奏が始まった。同じようなリズムだが、今度は律の指示通り時折ウィンドチャイムの音が入った。最後のルゥトの音が波紋のようにゆっくり消えていく。かなでは気がつくとため息をつきながら拍手をしていた。律の視線にかなでは、はっとした。
(これ、本番だったら思い出がこめられなくなっちゃってた)
かなでは自分のほほをつねった。その後細かいところを手直しするなどして、律たちは何回も『きらきら星』を演奏した。
「月に二回は近所の天文台に行ってプラネタリウムを観に行ってたんだ。そこでなかよくなった学芸員さんがいてさ。星や宇宙のことをいろいろ話してくれたんだ」
「そらかはクッキーを星型にすると喜ぶんだ。月の形よりも星型のほうがいいみたいなんだ」
「夏には花火をしながら、そらかはたしか『ほら見て、すい星』って言ってたっけ」
どの思い出を話すときも天海さんはとても楽しそうで、かなででもうらやましくなるほどの笑顔をうかべていた。そういう思い出話を聞いてかなでは心が温かくなった。しかしときどき自分もおしゃべりに参加したくて口がむずむずした。口が開きそうになったらほほをたたいた。
天海さんが泊まって五日目の夜。ごはんの前に律は彼をリビングに呼んだ。そしてどんな曲で思い出をこめるか確かめた。天海さんは『きらきら星』を指定して、律の提案でゆっくりとした曲調でアレンジすることになった。
「初めて見たプラネタリウムもそうだったそうですから。おれは覚えていないけれど、そらかはそう言っていたんで」
「かしこまりました。あさっては何時にご出立ですか?」
「午後二時にはここを発ちます」
「ならばそれまでに必ずおわたしします。ただ、一つ守っていただきたいことがあります」
律にそう言われ天海さんは姿勢を正した。律は真剣な眼差しで告げた。
「思い出をこめるとき、わたしがひいている曲以外の音が入ってしまうと失敗してしまいます。同じものにもう一度思い出をこめることはできません。予備がないのでしたら、そのときはどうぞ庭に出ることのないよう」
「わ、わかりました……」
律の強い目力に天海さんは何度もうなずいた。
(そうなんだ。わたしのときはもう思い出をこめてもらってたもんなあ)
さらに律は明日アレンジした曲を聴いてもらいたいことをつけくわえた。天海さんは承知した。
天海さんが部屋にもどったあと、律はかなでのほうを見て言った。
「かなで、あなたもよ」
「えーっ! そんなあ……」
かなでは大きく肩を落とした。
「見るだけでもだめですか?」
なんとか食らいつこうとするかなでに対して律は首を横にふった。
「あなたはたしかに修業をしっかりしている。でもまだ基本がぜんぶできているわけじゃない」
「うう」
かなでがあきらめきれずにうなっていると、意外なところから助け舟が出た。
「いいじゃない。見せてあげなよ、リツ」
「ワタシもイオに賛成だ」
イオとルゥトがいつの間にかリビングにやってきていた。
「イオ、ルゥト。お客さまがまだいらっしゃるんだから、部屋にいてちょうだい」
律はイオとルゥトに厳しい目をむけた。しかし二人とも今回はとくに気にしていないようだった。
「だいじょうぶさ。バレないようにこっそりきたから」
ルゥトはむねを張ってそう言った。律は鋭い眼差しのまま、イオとルゥトを見た。
「思い出は同じ品に二度はこめられない。それがどれだけ大変なことか十分わかっているでしょ?」
「もちろんさ。だからこそ、だよ」
イオはいっしゅんかなでを見てふっと笑った。
「大切なことならなおさらきちんと知っておくべきだと思うよ。それにカナデはまだ思い出をこめるところを見たことがないじゃない。せっかく夏休みってチャンスがあるんだ。それを生かすのは悪いことじゃないと思うよ」
「大切なことほどはじめに教えておくべきだとワタシは思うけれどね」
イオとルゥトにそう言われ律はうでを組んで考えた。かなではすがりつくように頭を下げた。
「おねがいします、律さん! 絶対に動いたりしゃべったりしません。なんだったら息もなるべくしませんからっ」
それを聞いたイオとルゥトはふき出していた。律は一度目を閉じてすぐ開いた。そして微苦笑をうかべた。
「二人の言うとおりかもね。そのかわり部屋のすみにいること。いいわね? あと息はふつうにしてちょうだい」
かなでの表情はぱっと明るくなり、力強く「はい!」と返事をした。
まず庭の小屋へ使う楽器を運んだ。といってもそれほどの数はなかった。ルゥトの体であるフルートと音楽室によくある金色のぼうが連なっている楽器、ウィンドチャイムだけだった。ウィンドチャイムは運ばれているあいだ絶え ずシャラシャラと鳴っていた。
小屋の中ではアノーが待っていた。律、かなで、イオ、ルゥト、アノーの五人で準備をはじめる。今回オッディは楽器部屋で待機らしい。ウィンドチャイムをピアノのはすむかいに置いて、イオたちは体である楽器にもどった。律はいすにこしかけアノーのピアノのふたを開けた。中のワインレッドの布を外す。
「音や音楽っていうのは記憶を呼び覚ますのにとても有効なのよ。そしてそのときの空気、におい、行動、場所なんかを閉じこめている。音は思い出のかたまりなの」
律はかなでにそう言ってぽーんと一音鳴らした。その直後、律がまとうふんいきががらりと変わった。近づきがたいような、それでも温かみのある、そんな空気だった。律はまずピアノだけで『きらきら星』をひいた。ひき終えると律はあごに手を当ててしばらく考えていた。
「かなで、ルゥトを貸して」
「はいっ」
かなでは律にルゥトの体であるフルートをわたした。今度はフルートで『きらきら星』が吹かれた。そして納得したようにうなずいた。
「今回はルゥトにするわ。イオ、曲をはじめる前にウィンドチャイムを鳴らして。曲は二回演奏するわ。一回目はルゥトだけで演奏するけれど、二回目のときには時折ウィンドチャイムを鳴らして」
「わかった」
イオがバイオリンの中から出てきた。
「あのお……イオも楽器を演奏するんですか?」
かなではえんりょがちに尋ねた。その問いに答えたのは律ではなくイオだった。
「まあ楽器の魂がほかの楽器を演奏するっていうのもおかしいかもね。でもこのウィンドチャイムはまだ魂がない。まだつくられて百年も経っていないから」
イオはシャラン、とウィンドベルを一度鳴らした。
「思い出をこめることができるのは想鳴者だけれど、その思い出を一度曲という形にできるのはボクら楽器の魂。ボクら楽器の魂は人の姿をとっているときは、その力を魂がこもっていない楽器にも分けることができる。だからまだ魂が宿っていない楽器を使うときは、リツが演奏する楽器以外でボクらの内だれかがリツの演奏を手伝うんだ。メインの楽器はリツと思い出をこめることに集中しなくちゃいけない。だから別の楽器のだれかが力を分けるんだ」
イオの答えを聞くとかなでの中で新しい疑問が生まれた。
「なんでそんな風に力を分けることができるの?」
「そうだなあ……ボクの考えでは音楽ってその場にいるたくさんの人に聴いてもらえるだろう? それって曲や音色をそこにいる人たちに分けるのと似てないかい? いや、分けるっていうか配るっていうほうがわかりやすいのかな? 紙のように音を配ってるって感じ」
「うーん、わかるようなわからないような。なんていうか、とにかく分けられるんだね」
「うん。でもその場だけなんだ。なんでかわからないけどね。まさしく音が消えるように、ボクらの中に力がもどってくるんだ」
イオはそんな風に説明してくれた。
「思い出をこめるには、わたしたち人間の力だけでも、楽器の魂たちだけでもだめなの。両者が協力してはじめてできることなのよ」
律はそうつけ加えた。話を終えると律とイオはアイコンタクトをとって演奏をはじめた。イオがウィンドチャイムを鳴らした。それはまるで流れ星のような音だった。その音が完全に消えるとルゥトのやさしい音で『きらきら星』が始まった。時折リズムが変わりながら、天の川でボートに乗っているような、ゆったりとした気持ちになった。最後の『お空の星よ』の部分はさらにテンポを落とし、音をのばした。その後もう一度演奏が始まった。同じようなリズムだが、今度は律の指示通り時折ウィンドチャイムの音が入った。最後のルゥトの音が波紋のようにゆっくり消えていく。かなでは気がつくとため息をつきながら拍手をしていた。律の視線にかなでは、はっとした。
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