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七、月と星のキーホルダー
月と星のキーホルダー3
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かなでは天海さんが帰るその日、ずいぶん早くから目が覚めてしまった。
(思い出をこめるときってどんな感じなんだろう? 思い出がなにかの形になるのかな? それとも想像できない感じなのかな?)
ずっとそんなことばかり考えていて、夏休みの宿題も通信教育の教材もまったく進まなかった。
朝ごはんを食べたあと、天海さんに曲を聴いてもらった。天海さんは「そうだ、こんな感じだった……」とぽつりとつぶやいたあと、その演奏で思い出をこめてほしいと言った。
かなでたちは準備にとりかかった。庭にある防音仕様の思い出をこめるその場所で、準備がちゃくちゃくと進み、三回ほどリハーサルをして、思い出をこめることになった。かなでは約束どおり部屋のすみ、律のななめ左に移動した。律はピアノの上に天海さんから預かった月と星のキーホルダーを置いた。
「それじゃあはじめるわよ」
律はルゥトを、イオもウィンドチャイムのスティックを構えた。
イオのウィンドチャイムの、丸くてゆうがな音がひびいた。律とルゥトが『きらきら星』の演奏をはじめた。すると律の体のまわりが青と緑が混じったような光に包まれた。長い髪は下から風が吹いたときのように広がりゆれている。イオとウィンドチャイムからは蛍光灯のように真っ白な光が出ている。その緑の光と白の光はからみ合い海のように室内に広がった。
そのときどこからか声が聞こえる。若い男の人と女の人が笑い合っている。そしてその笑い声が消えないうちに、別の話し声が聞こえてきた。いつの間にか聞こえなくなっていた。話している声やそのときの音……ガスが青い火を灯しているぼっぼっという音や、なにかをかき混ぜている音などが、まるで返ってこないやまびこのように、ひびきながらも音量は小さくなっていった。かなでの目の前が小屋から台所に変わった。そこにはかなでと同い年くらいの天海さんと一人の少女がいた。二人はオーブンの中をのぞいている。
『ねえ、クッキーまだ?』
『もうちょっとだよ』
その少女が話に出てきたそらかさんだとわかった。小さな横顔はクッキーが焼けるのが楽しみなのかにこにこしていた。クッキーが焼けると、天海さんは『あちっあちっ』と言いながらそらかさんに焼きたてのクッキーを渡した。
『うーんっ、おいしいっ』
そらかさんの幸せそうな笑顔を見た天海さんは、とてもうれしそうに笑った。
その風景はにじむように消えていく。そして次の思い出の風景が見えた。その風景は光に包まれた。聞こえてきた音楽は羽根の形をとり、その光におんぷなどをほり始めた。そして羽根の先から光が吸いこまれていった。よく見てみると羽根の表面はシャボン玉のように、思い出がゆらゆらとゆらめきながら、再生されていた。そしてその羽根は、月と星のキーホルダーに吸いこまれていった。
そんな光景も曲の終わりに近づくと、淡く光っていた月と星のキーホルダーは、点滅しはじめやがて眠るように光が消えた。
(すごい。こんな風になるんだ)
かなではほうとため息をつきそうになって、あわてて口を閉じた。曲が終わりに近づくにつれ声は聞こえなくなり最後の音ののびとともに思い出の中の天海さんと月滝さんは現れなくなった。律がまとっていた光も次第に弱くなり消え、髪も元通りだ。律はルゥトを下ろし、キーホルダーを手にとった。それを数分ほど見つめて、一度うなずいた。そして手招きをしてかなでを呼んだ。
「見てみる?」
かなではキーホルダーをそっと両手ですくうように受けとった。じいっとキーホルダーを見つめた。天海さんから預かった時よりもキラキラしているように見えた。思い出の中に住んでいるクリームと会うときと同じように目を閉じ、耳をすました。するとまぶたの裏に先ほどと同じ思い出が見えた。
「さっき見えた思い出ばっかりだ」
かなではキーホルダーを律に返した。
「楽器の片づけはあとにするわ。先にこれを天海さまにわたしましょう」
「はいっ」
かなでとイオは天海さんを呼びに二階へ、律は一足先に応接間にむかった。
ノックをすると天海さんは荷物をまとめ終わったところだった。思い出をこめられたことを告げると、満面の笑みをうかべた。荷物を持って、かなでたちといっしょに応接間にむかった。
応接間では律がすでにソファーにこしかけていた。天海さんが入ってくるとすわったまま頭を下げ、席をすすめた。全員が初日と同じようにすわると、律は「お確かめください」と言ってキーホルダーをわたした。
「そのキーホルダーにふれたまま目を閉じて、耳をすましてください」
天海さんは言われたとおりにした。しかしすぐに目を開いて、信じられないといった顔をした。そしてもう一度ゆっくり目を閉じた。今度はしばらく目を開かなかった。
五分以上経って天海さんはようやく現実に帰ってきた。
「こんなに鮮明だなんて……。ありがとうございます」
天海さんは深々と頭を下げた。そしてハンカチに大切そうに包んでトートバッグの中にしまった。
午後二時になると天海さんは口元に笑みをうかべて帰った。
「天海さん、よろこんでくれてよかったですね」
天海さんの背中を見送りながらかなでは律に笑いかけた。律は首をたてにふった。
「あの、大人になったら友達同士でもわからなくなっちゃうんですか?」
かなではずっと疑問に思っていたことを尋ねた。
「どうしてもね。高校生にもなると女の子は化粧をする子も出てくるし、大学生や社会人になると髪型に体型や雰囲気が変わることが多いから。会わなくなるとわからなくなってしまうこともけっこうあるわ」
かなでは想像した。みいちゃんやクラスの子と別々の道を歩むようになって連絡をとることもなくなる。どこかでたまたま会ったとしても名前をよぶこともない。
「それってさみしいですね……」
「そうね。でもそんな楽しかったりうれしかったりする思い出があるからこそ、人は未来に進めるのよ。想鳴者はその手伝いをするの」
かなでだってそうだった。クリームとの思い出があるからこそ、つらいときにもクリームが元気づけてくれている気がしてがんばれるのだ。
「想鳴者って音楽で人を幸せにするだけじゃないんですね」
律はうなずいた。かなではちらりと律の横顔を見た。律はまだ天海さんの背中を見つめていた。まるで頭の中でなにかと重ね合わせようとするように。
(思い出をこめるときってどんな感じなんだろう? 思い出がなにかの形になるのかな? それとも想像できない感じなのかな?)
ずっとそんなことばかり考えていて、夏休みの宿題も通信教育の教材もまったく進まなかった。
朝ごはんを食べたあと、天海さんに曲を聴いてもらった。天海さんは「そうだ、こんな感じだった……」とぽつりとつぶやいたあと、その演奏で思い出をこめてほしいと言った。
かなでたちは準備にとりかかった。庭にある防音仕様の思い出をこめるその場所で、準備がちゃくちゃくと進み、三回ほどリハーサルをして、思い出をこめることになった。かなでは約束どおり部屋のすみ、律のななめ左に移動した。律はピアノの上に天海さんから預かった月と星のキーホルダーを置いた。
「それじゃあはじめるわよ」
律はルゥトを、イオもウィンドチャイムのスティックを構えた。
イオのウィンドチャイムの、丸くてゆうがな音がひびいた。律とルゥトが『きらきら星』の演奏をはじめた。すると律の体のまわりが青と緑が混じったような光に包まれた。長い髪は下から風が吹いたときのように広がりゆれている。イオとウィンドチャイムからは蛍光灯のように真っ白な光が出ている。その緑の光と白の光はからみ合い海のように室内に広がった。
そのときどこからか声が聞こえる。若い男の人と女の人が笑い合っている。そしてその笑い声が消えないうちに、別の話し声が聞こえてきた。いつの間にか聞こえなくなっていた。話している声やそのときの音……ガスが青い火を灯しているぼっぼっという音や、なにかをかき混ぜている音などが、まるで返ってこないやまびこのように、ひびきながらも音量は小さくなっていった。かなでの目の前が小屋から台所に変わった。そこにはかなでと同い年くらいの天海さんと一人の少女がいた。二人はオーブンの中をのぞいている。
『ねえ、クッキーまだ?』
『もうちょっとだよ』
その少女が話に出てきたそらかさんだとわかった。小さな横顔はクッキーが焼けるのが楽しみなのかにこにこしていた。クッキーが焼けると、天海さんは『あちっあちっ』と言いながらそらかさんに焼きたてのクッキーを渡した。
『うーんっ、おいしいっ』
そらかさんの幸せそうな笑顔を見た天海さんは、とてもうれしそうに笑った。
その風景はにじむように消えていく。そして次の思い出の風景が見えた。その風景は光に包まれた。聞こえてきた音楽は羽根の形をとり、その光におんぷなどをほり始めた。そして羽根の先から光が吸いこまれていった。よく見てみると羽根の表面はシャボン玉のように、思い出がゆらゆらとゆらめきながら、再生されていた。そしてその羽根は、月と星のキーホルダーに吸いこまれていった。
そんな光景も曲の終わりに近づくと、淡く光っていた月と星のキーホルダーは、点滅しはじめやがて眠るように光が消えた。
(すごい。こんな風になるんだ)
かなではほうとため息をつきそうになって、あわてて口を閉じた。曲が終わりに近づくにつれ声は聞こえなくなり最後の音ののびとともに思い出の中の天海さんと月滝さんは現れなくなった。律がまとっていた光も次第に弱くなり消え、髪も元通りだ。律はルゥトを下ろし、キーホルダーを手にとった。それを数分ほど見つめて、一度うなずいた。そして手招きをしてかなでを呼んだ。
「見てみる?」
かなではキーホルダーをそっと両手ですくうように受けとった。じいっとキーホルダーを見つめた。天海さんから預かった時よりもキラキラしているように見えた。思い出の中に住んでいるクリームと会うときと同じように目を閉じ、耳をすました。するとまぶたの裏に先ほどと同じ思い出が見えた。
「さっき見えた思い出ばっかりだ」
かなではキーホルダーを律に返した。
「楽器の片づけはあとにするわ。先にこれを天海さまにわたしましょう」
「はいっ」
かなでとイオは天海さんを呼びに二階へ、律は一足先に応接間にむかった。
ノックをすると天海さんは荷物をまとめ終わったところだった。思い出をこめられたことを告げると、満面の笑みをうかべた。荷物を持って、かなでたちといっしょに応接間にむかった。
応接間では律がすでにソファーにこしかけていた。天海さんが入ってくるとすわったまま頭を下げ、席をすすめた。全員が初日と同じようにすわると、律は「お確かめください」と言ってキーホルダーをわたした。
「そのキーホルダーにふれたまま目を閉じて、耳をすましてください」
天海さんは言われたとおりにした。しかしすぐに目を開いて、信じられないといった顔をした。そしてもう一度ゆっくり目を閉じた。今度はしばらく目を開かなかった。
五分以上経って天海さんはようやく現実に帰ってきた。
「こんなに鮮明だなんて……。ありがとうございます」
天海さんは深々と頭を下げた。そしてハンカチに大切そうに包んでトートバッグの中にしまった。
午後二時になると天海さんは口元に笑みをうかべて帰った。
「天海さん、よろこんでくれてよかったですね」
天海さんの背中を見送りながらかなでは律に笑いかけた。律は首をたてにふった。
「あの、大人になったら友達同士でもわからなくなっちゃうんですか?」
かなではずっと疑問に思っていたことを尋ねた。
「どうしてもね。高校生にもなると女の子は化粧をする子も出てくるし、大学生や社会人になると髪型に体型や雰囲気が変わることが多いから。会わなくなるとわからなくなってしまうこともけっこうあるわ」
かなでは想像した。みいちゃんやクラスの子と別々の道を歩むようになって連絡をとることもなくなる。どこかでたまたま会ったとしても名前をよぶこともない。
「それってさみしいですね……」
「そうね。でもそんな楽しかったりうれしかったりする思い出があるからこそ、人は未来に進めるのよ。想鳴者はその手伝いをするの」
かなでだってそうだった。クリームとの思い出があるからこそ、つらいときにもクリームが元気づけてくれている気がしてがんばれるのだ。
「想鳴者って音楽で人を幸せにするだけじゃないんですね」
律はうなずいた。かなではちらりと律の横顔を見た。律はまだ天海さんの背中を見つめていた。まるで頭の中でなにかと重ね合わせようとするように。
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