新月の光

恵あかり

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第二部 紅陽(完結)

9 添えば、君

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「ええっ! 紀宗様がいたんですか?」
 話を聞いて、東雨は、怯えた顔をした。
 録坊から帰ってきた犀星と慈圓は、完全に精魂尽き果てたという様子で、中央の長榻に座り、姿勢を崩していた。帰り道もまた、彼らは人だかりに襲われていた。
 玲陽がそっと犀星の隣に座る。待っていたかのように、犀星は玲陽のほうに体を傾けた。
 しなだれかかるようなその姿に、慈圓はあからさまに顔を歪めた。
「伯華様!」
 と、声を上げる。
「誰も見ていない」
 言い訳をしながら、犀星が玲陽の肩に顔をすり寄せる。その仕草に、さすがに慈圓も黙っていられなかったらしい。ドンと几案が鳴り、茶器がガチャリと危なげに揺れた。
 犀星は瞬時に姿勢を正した。玲陽が苦笑する。
「伯華様、これだけは、はっきりとさせておきますが」
 と、慈圓が襟を正して説教の構えに入る。
「ご自宅において、伯華様と光理どのがどのような関係であろうと、我々が口を挟むことではありません。しかし、五亨庵は公の場所であるということをお忘れなく。ここでは伯華様には歌仙親王としてのお立場がある。そのようなことにこだわらない方であるのは存じてますが、その分別は、しっかりと心得ていただきたい」
 犀星は言葉に詰まり、深くため息を漏らした。
「わかった」
 本当にわかっているのか、と東雨が怪しんだ。東雨の疑いを裏付けるように、犀星はそっと玲陽の袖を握っている。
 大抵の者は、犀星のこのような感情の発露を見て、驚いたり呆気に取られたりするだけなのだが、慈圓にはそれをきちんと戒めるだけの余裕がある。
 こういうのを、年の功っていうのかな。
 と、東雨は思ったが、年寄り扱いされることを嫌う慈圓には口が裂けても言えなかった。
 重い空気を変えるように、東雨は、
「大体、どうしてわざわざ紀宗様がでてきたんです? 名前なんてそんなに重要ですか?」
 言って、茶をすすった。
「偉い人はいくつもお名前があるし、ややこしいったらありゃしないです」
「お前は一つだけだからなぁ」
 と、慈圓が東雨をからかった。
「一つあれば充分なんです」
 東雨も負けていない。玲陽は静かな声で、
「名前には、相手を指すだけではなく、特別な意味がありますから」
「特別な意味?」
 東雨は玲陽の話ならば聞く気があるらしく、身を乗り出した。
 玲陽はそっと腕を引いて犀星の指から袖を抜いた。犀星は仕方なく、空っぽになった手を自分の膝の上で重ねた。
「例えば、字とか」
 と、玲陽が言った。
「ああ」
 東雨は頷くと、思い出しながら、
「元服したときに、名前の意味から拾って、自分で自分につける……」
「はい、その通りです」
 玲陽は頷いた。
「公の場所では、字で呼ぶのが正式です。その人が、社会的に自立していることを認める意味になります。相手に対する敬意も含んでいますね」
 東雨は納得しながら、
「確かに。大抵は、字で呼びますね」
 ごく一部、例外はいるけれど、と、東雨は思い出していた。
「はい。ですから……」
 ちらっと犀星を見る。
「私も、兄様のことは、伯華様とお呼びするべきです」
 呼ばれ慣れていない犀星が、瞼をぴくりと動かして不安そうな顔をする。
「兄様も、ちゃんと、光理、と呼んでください」
「俺は……」
 犀星は何か言おうとして、うまい言葉が見つからない。
「陽は、陽だから……」
「言い訳にすらなってないです」
 ぴしゃりと玲陽が否定した。そのやりとりに慈圓がつい、にやっと笑う。
「これはこれは、光理どのは心強い」
 慈圓は、ふぬけた犀星に辟易している。玲陽までがそれに流されてはたまらなかった。幸い、玲陽はこの点では常識人である。
「光理、って綺麗な響きですよね」
 東雨の素朴な感想に反応したのは、玲陽ではなく犀星の方だった。どういうわけか目が泳ぎ、頬が赤らんでいる。
「なんで、若様が照れるんですか?」
 逃れようのない東雨の言葉が、犀星に刺さる。痛い、という顔で、犀星はわずかに体を引いた。
「光理、は、兄様がつけてくださったんです」
 さらり、と、横から玲陽が答えた。
 一瞬、慈圓と東雨の頭の中が白くなった。
 字は自分でつける名である。名付ける行為自体が社会性を表し、独立した一人の人間、大人としての証明でもある。
「ちょっと待て」
 慈圓が困惑した。
「光理どのの字は、伯華様がつけたものだと?」
「はい」
 玲陽はうなずいた。
「もしかして……」
 東雨が遠慮がちに、しかし確信があるという顔で、
「若様の字は、光理様がつけてたりしません?」
「はい」
 玲陽は再び頷いた。
 慈圓と東雨は顔を見合わせた。こんな話は聞いたことがない。玲陽は不思議そうに、
「あの、そんなにおかしいですか?」
「おかしいです!」
 慈圓と東雨が声を合わせた。
「いや、まさか、そんなことになっていたとは……」
 慈圓が頭を抱えた。
 東雨は慈圓ほど動揺はしなかったが、明らかに呆れた顔である。
「光、理……」
 東雨は、一字ずつ、口にしてみた。
「どういう意味ですか?」
 玲陽がそっと、犀星を見た。犀星はやっと観念して、みなの方に顔を向けた。
「陽は俺にとって、ことわりを照らす光……」
 東雨は、よくわからない、と慈圓を見上げた。慈圓は完全に呆れ顔だ。
「つまり、光理どのが全ての基準であり、正義であると……」
「うわ……」
 思わず、東雨は口を抑えた。それから、玲陽を見て、
「じゃあ、伯華……様の意味って?」
「兄様は、私の大切な、たった一つの華ですから」
 臆面もなく、玲陽は最強の笑顔で答えた。
 何も言えなくなった東雨は、そっと、横を向いた。慈圓もまた、これ以上ない苦笑を浮かべていた。
 でも、なんか、羨ましい……
 こっそりとそんなことを考えながら、東雨は二人を盗み見た。
 犀星が何か、小声で玲陽にささやいている。目の前にいるというのに、その声は東雨には聞こえない。それは本当に、玲陽にしか届かない『特別な声』なのかもしれない、と東雨は思った。
 急に、寂しさが胸をぎゅっと締め付けた。一緒にいても、ひとりにされた気がした。
 唐突に、内扉がガタンと大きな音を立てて開く。
 挨拶もなく、歌仙親王の政所に入ってくる神経は普通ではありえない。そのありえないことをやってのける人間が一人だけいる。
 涼景である。
「陽、いるか?」
 涼景は中央の席に玲陽を見つけて、安心した顔をした。
 東雨が思わず眉をしかめた。
「涼景様、また厄介事ですか」
 涼景が直接ここを訪ねてくるのは、大抵個人的な用件なのだ。
 普通の警備であれば、他の者たちに任せているのだから、本人が来る必要はない。
 涼景は苦笑いした。
「仙水!」
 何を思ったか、慈圓が血相を変えて涼景に詰め寄った。その迫力に、涼景は一歩引いた。
「仙水、おぬし、まさか梨花と……っ!」
 と、言いかけ、慈圓は唸って黙り込んだ。
 顔の近さに、涼景は焦った。
「れ、蓮と……?」
 涼景には、色々と思い当たることがありすぎる。師匠である慈圓には言えるはずもない逸話は、数限りない。
「あ、いや、俺は……」
 慈圓の睨みつけるような目に、涼景はしどろもどろになりながら、
「お、俺たちはそういうんじゃ……まだ、なにも……」
「字を贈り合ったりなど、しておらんだろうな?」
「……え?」
 一気に緊張の糸が切れたように、涼景の表情が緩んだ。
「字?」
「そうだ」
「蓮と?」
「そうだ」
「まさか」
 涼景は、乾いた表情で笑った。
「しませんよ、星たちじゃあるまいし」
「おまえ、知っていたのか?」
「……あ」
 明らかに、自分が火種を踏みつけた感触があった。
「まぁ、いろいろ、ありますから。でも、そこまで気にすることでもないかと……」
 涼景ははっきりしない言い逃れをしながら、逃げるように慈圓のそばを離れると、東雨の隣に無遠慮に座った。
「まったく……今の若い連中は……」
 慈圓はぶつぶつと言いながら、自分の席に座り、現実を忘れるように仕事に向かった。
 助かった、というように涼景はうなだれ、フッと東雨の前に置かれていた湯呑みを見る。素早くそれを手に取り、一気に煽った。
「あっ、俺のお茶!」
 東雨が、不服そうに涼景を睨んだ。
「細かいこと言うな」
「細かくない! それ、光理様が煎れてくれたのに!」
「ほう、ではもう一杯……」
 涼景の手が急須に届くより先に、犀星がそれを取り上げた。
 思わず、涼景は吹き出した。
「相変わらずのようで」
 涼景は唇の片端を上げて犀星を見た。犀星は、何事もない、というふうにそっと急須をゆすっている。
「星が五亨庵に戻ったと聞いて、気になって覗いてみたんだが……」
 涼景は、にこやかに玲陽を見た。
「元気そうでよかった」
 玲陽は頭を下げた。
「本当によくしていただいて、感謝しています。蓮章様にも、とても助けられました」
 蓮章の名前を聞いて、東雨はため息をついた。
「巻き込まれて、寿命が縮んだんですから」
 東雨が言い出したのは、いつぞやの市場の一件である。勝手に飲まれたお茶の仕返しとばかりに、食ってかかる。
「いったい、何を考えてるんですか、暁隊の人たちは」
「蓮と暁隊を一緒にしないでくれ」
「だって、副長じゃないですか。同じです」
「こっちも振り回されてるんだ」
 涼景は、本当に勘弁して欲しい、という顔をした。我関せず、で、犀星は自分の湯呑みに茶を注いだ。
 涼景は嫌なことを思い出した、と、遠くに目線を投げながら、
「あの後、三番隊が蓮章を出せと怒鳴り込んできて、それからずっと、険悪なままでな。まぁ、それはいつものことだが……」
 と、顎を撫でた。
「騙されたと知られれば大恥だからな。連中は、本当に怪物が存在したと報告したらしい。その話が三番隊長を通して、元締めの左近衛隊長にまで飛んだ」
 玲陽と東雨は、ポカンとして話を聞いていた。犀星はひとりおとなしく、湯呑みから茶を飲んだ。一息つく。
「結局ばれて、大騒ぎだ。民の前で大恥をかかされたわけだから。おかげで左近衛とも折り合いが悪い。仕事で鉢合わせると揉め事ばかりだ」
 涼景はそこで、玲陽を見た。
「宮中は市場以上に、噂が早い。巻き込まれないように気をつけろよ」
 玲陽は笑って、小さく頭を下げた。
「それで、その騒ぎの元凶はどうしている?」
 犀星が湯呑みを両手で大切そうに揺らしながら、長い沈黙を破った。
「今朝、朝餉も食べずに荷物をまとめて出て行ったぞ?」
「今、右衛房に逃げ込んでいる」
 涼景は苦笑した。
「当分、出てこられないだろう」
 言いながら、涼景は慈圓の方をちらりと見た。明らかに機嫌をうかがっている表情だ。東雨が目をきらりと輝かせた。玲陽に知らせるように、
「涼景様と蓮章様は、玄草様にいつも叱られてます」
「いつもではない」
 涼景は否定したが、やや声に自信がない。
「まぁ、陽の調子が戻ってきたようで、よかった」
 と、話題を切り替える。
「ご心配をおかけしました」
 玲陽は優しく微笑んで、
「ここに来られたのは、本当に皆さんのおかげです。安珠様にも、そうお伝えください」
 涼景はぴくっと眉を動かした。玲陽はさらに重ねて、
「涼景様、安珠様に頼まれていたんですよね。私のこと見るようにって」
 涼景は一瞬黙り、それからため息混じりに言った。
「全く、お前は勘がいいなぁ」
 玲陽は首を横に振った。
「家に来ると、涼景様は私の病状のことをずいぶんとお聞きになってましたから。それなのに、ご自身では特に何かをするという事は無かった。だとしたら、人に言われて情報だけ欲しいんじゃないかって思ったんです。それを頼んだ人間がいるとしたら、安珠様しか思いつかなくて」
「さすがだな」
 玲陽の説明に頷き、涼景はちらっと東雨を見た。涼景と目があうと、東雨はどうしても落ち着かない。
「陽に隠し事はできない。そう、思わないか、東雨」
 と、意味ありげな言い方をした。玲陽の顔色が変わった。
 東雨は笑顔の仮面を外さない。
「俺には関係ないです。光理様に隠し事なんてしませんから」
 と笑ってみせる。それを見ても、涼景は全く顔色を変えない。東雨の方は、仮面の下で腹の底が冷えるような怖さを感じていた。
「東雨どのは、本当によくしてくださってますよ」
 玲陽は少し身を乗り出した。
「今日も、五亨庵を案内していただきました。とても、頼もしいです」
 東雨はほっと息をついた。涼景は無表情で、遠くを見た。
「随分、仲良くなったんだな」
 玲陽は無垢に笑ったが、東雨の笑顔は一瞬、遅れた。ゾクっと肩が震え、手が痺れてくる。
 ダメだ、これ以上、無理……
 東雨は立ち上がった。涼景が視線だけでそれを追う。
 サッと、玲陽は血の気が引いた。犀星の指先がぴくりと震える。
「俺、掃除しなきゃ……」
 誰にともなく、東雨はつぶやいた。その横顔にはもう、笑みはない。
「私も、なにか……」
 玲陽が腰を浮かせる。東雨は、玲陽の方は見ないで首を振った。
「これ、俺の仕事ですから」
 その声はわずかに掠れていた。
 玲陽は長榻を離れていく東雨の背中を、心配そうに見守った。
「悪い……」
 涼景は低くつぶやいた。ゆっくりと涼景を振り返る玲陽の口元は穏やかだったが、その目は笑ってはいなかった。静かに見開かれている。
 涼景は思わず視線を外した。
「涼景様、察します」
 玲陽は声を殺し、さらに低めた。
「いくら兄様が大切でも、彼を傷つけるような振る舞いは、解しかねる」
「おまえの気持ちもわからないわけじゃない。だがな……」
「いいえ」
 玲陽は、今まで見せたことのない冷ややかさで、
「傷を抱えた人に、さらに鞭打つことは見過ごせません」
 全てのやりとりを見ていた犀星が、深く息を吐いた。慈圓がこちらを見ていないことを確かめてから、そっと、玲陽の膝に手を乗せる。それは甘えの仕草ではなく、何かを諭すようだった。
 玲陽は手を重ね、強く握った。そして、長く息を吐いて、目を伏せた。
 言いたい事は胸の中に渦巻いていたが、言葉にすることは思いとどまった。
 まずは、自分の気持ちを整えることが先決だ。先ほどまで穏やかだった部屋の空気が、突如として騒ぎ出した気がした。
 涼景は、気まずそうに黙り込んでいる。
 犀星は茶器を置くと、玲陽に膝を寄せた。衣擦れの音に玲陽は目を上げ、迷わずに見つめてくる。
 助けを求める気配が、玲陽の目に宿っている。
「疲れただろう」
 犀星は小さくささやいた。
「少し休もう」
 玲陽は、断ることもできたはずだった。だが、玲陽の中の少し柔らかい部分が、その誘いを拒絶しなかった。彼は黙ってうなずいた。
 そっと犀星が体を支える。必要はなかったが、あえて犀星の手に体を預ける。
 席を立つ時、一瞬、玲陽は涼景を見た。涼景は背を丸め、じっと視線を床に落としていた。その表情は半分伏せられていたが、隠しようのない苦悩が揺れていた。
 犀星は、外壁の一つにある自分の寝室に玲陽を連れて行った。部屋に入ると帳を下ろして、中央の広間から見えないように仕切る。
 部屋には一台の牀と、小さな几案、そして交椅が置かれていた。
 犀星は玲陽を牀に座らせた。冬の空気に、褥もすっかり冷えていた。
 犀星は長袍を脱ぎ、玲陽に羽織らせた。玲陽は反射的に袍の襟を掻き抱いた。犀星の温もりがじんわりと沁みてくる。
 犀星は静かに褥を引き寄せ、丁寧に整えながら、玲陽をそっと寝かしつけた。褥は柔らかく、微かに犀星が好む香の香りがした。玲陽は深く口元まで引き上げた。背中に重い火傷がある玲陽は仰向けになることが辛い。自然と体を横にして犀星に顔を向けて眠る。犀星は枕元の交椅に座って、迷わず玲陽の額を撫でた。
 玲陽は自らすり寄るように首を動かした。先ほどまで、慈圓の目をきにしたが、ここには二人きりだ。心が、一人になりたくないと言っていた。
「星」
 玲陽は少し甘えた声を出した。
 帳の向こうにいる涼景たちには聞かれないように、
「苦しいです」
 玲陽は囁くように言った。
「そうだな」
 と、犀星も小さく答える。
 先程の、何気ない涼景と東雨のやりとり。そこには明らかな警戒や、探り、含みがあった。
 そして、東雨はそれを認めるかのように席を立った。
 玲陽は、そこから気づいてしまった。東雨が隠そうとしている、大きな何かの存在に。
 おそらく、東雨自身にもどうすることもできない、逃れがたい『何か』なのだ。
 自分に向けられた東雨の笑顔も、思いやりも、全て真実だったと玲陽は信じている。彼はどんな想いで、精一杯に笑っていたのだろう。
 たまらなく優しい人なのに……
 玲陽の目には、涼景が冷たく東雨を突き離したように見えた。
「涼景様……あんな言い方、しなくたって……」
 玲陽は、つぶやいた。
 犀星はそっと髪を撫でるだけだ。だが、心は誰より玲陽に寄り添い、その痛みを自分の痛みとして受け入れている。
「あんなふうに、東雨どのを追い詰めて……」
 感情的になった玲陽は、収まるまでに時間がかかる。
 そのことを、犀星はよく知っている。
 犀星の温もりに励まされ、玲陽は去り際の涼景の顔を思い出した。
 苛立ちと後悔とやるせなさにさいなまれて、こちらまで苦しくなる涼景の表情。自分は、つい、責める態度をとってしまったが、涼景もまた、辛いのだと知った。
 犀星は何も言わない。片手で髪を撫で、もう一方の手で、優しく腰のあたりをとんとん、と叩く。
「あなたは、ご存知だったんですか?」
 東雨どののこと、と、玲陽は細い声で尋ねた。犀星は黙ったまま、かすかに首をかたむけた。
「そうですよね」
 玲陽は寂しそうに微笑んだが、それは泣き顔のようにも見えた。
「あなたが、気づかないわけがない」
 横たえられた体には少しずつ脱力が見られ、眠気もやってくる。
 それでも今だけはしっかりと目を開けて、犀星の顔を見ていたかった。
 犀星はかすかに目元を緩めた。
「陽、考えなくていい」
 そっと、玲陽の頬に唇を寄せる。優しく触れる。
「俺もいる。玄草もいる。涼景だって、もう何もしない」
 犀星はささやいた。
「少し休んで。今日はたくさんのことがあった。本当によくがんばったよ」
 玲陽は、少しずつ意識が沈んでいくのを感じていた。犀星の声はどこまでも優しい。
「これからまた都へ戻らねばならない。その前に少し体を休めておいて欲しい」
 玲陽は、重たいまぶたをまだかろうじてあげ、犀星を見た。包み込む微笑みが視界に広がる。
「眠れ。俺の頼みだ。聞いてくれるな?」
 玲陽は声を出そうとしたが、もう、力がなかった。
 頬を撫でた犀星の温もりに、最後の意識が途切れ、眠りの底に沈んでゆく。
 犀星は玲陽の呼吸が落ち着くまで、そのまま、そばに寄り添っていた。
 玲陽は優しすぎる。
 犀星は、かすかに歪められた玲陽の目元を見ながら思った。
 宝順帝から預けられた東雨が、何らかの使命を帯びていることを、犀星も早くから察していた。明確なきっかけがあったわけではない。だが、長年一緒に暮らしていれば、それとなく違和感に気づく。
 涼景がそのことを気にしていることも知っていた。
 だが、犀星には何もできない。
 犀星が気づいたと知られた時点で、東雨の居場所はなくなる。それは、死を意味する。
 だからこそ何があっても、自分は目を伏せるしかない。それが唯一、犀星が東雨にしてやれることだった。
 やはり玲陽には気づかれたか、と、犀星は深くため息をついた。
 東雨が玲陽との関係を深める姿に、少なからず不安を感じていた。
 宝順の差し金。
 矛先のわからない不安と怒りが、胸の奥に溜まる。
 玲陽は静かに眠る。
 それだけが、犀星にとって救いだ。
 眠りを妨げないよう、犀星は音を立てずに部屋を出た。
 広間では、慈圓が相変わらず書類に向かっている。それだけを見ると、平和な光景だ。東雨は厨房だろうか、水を使う音がしている。中央の長榻では、涼景が几案の上に資料を乗せて、自分を待っている様子だった。
 犀星は黙って涼景の前に座った。
「陽は?」
 押し殺した声で涼景は尋ねた。
「眠った」
「そうか」
 涼景は何か言いたげだったが、犀星は首を横に振った。
「すまない」
 涼景は小さく、一言だけ言った。
 犀星は黙ったまま、涼景が並べていた資料に目を通していく。
 それは、花街の出来事のあらましだった。
 以前、涼景からこっそりと事件の概要を知らされた犀星は、暁隊に調査を命じる王旨を出した。
 涼景には、指示者である犀星に、経過を報告する義務がある。
「事件は続いてる」
 涼景は、犀星にだけ聞こえるように、声を抑えていった。
「昨日また……これで四人目」
 犀星は順番に資料を手にとった。竹簡の上を青い視線が素早く走る。
「どの事件も似たり寄ったりだ」
 涼景が要点をまとめた。
「被害者は女郎。全員、背中に焼印が押され、それ以外の外傷は無い。被害者にも犯行の時間帯にも共通点がない」
「犯人のあては?」
「店の記録によれば、成人男性が一人。だが、みな『顔を覚えていない』と言う。人相書を作ろうとしたがダメだった」
「被害者も?」
「ああ。間違いなく、見ているはずなんだが」
 涼景は眉を寄せた。
「傷を負わされたときに気絶していて、前後の記憶があやふやになっているらしい」
「悲鳴を聞けば、周りも気づくだろう?」
「それが、最初の時と同様に、誰も声を上げていないようだ。周囲の客も店の者も、時間がたつまで気づかなかった」
 涼景は首を振った。
「手口が同じだから、同一犯だと思うが、何しろ足取りが追えず……」
「暁隊は警備に当たってるんだろう?」
「情けないが、裏をかかれてばかりだ。店には注意喚起もしているが、それでも……」
 と、顔を歪める。
 犀星は一通り資料読み終え、肩で息をつく。それから、涼景の側に畳んで置いてあった小さな布を見た。
「それは?」
 涼景は真剣な顔で犀星を見た。目があう。
「声をたてるなよ」
 そう言うと、涼景はそっと犀星の前で布を開いた。それは、被害者が受けた焼印の写しだった。
 犀星の全身が殺気立つ。見開かれた蒼い目に、鋭い光が走った。
 涼景は、その焼印をどこかで見た気がしていた。そして犀星の反応を見て確信した。
「やはりそうか」
 涼景は苦しげに言った。
「……ああ、同じだ」
 犀星の声が震える。それは怒りだ。じっと堪え、心を鎮める犀星を涼景は見守った。
「……陽と、同じ痕だ」
 かたく握った犀星の手が、涼景にもわかるほどに震えていた。それ以上耐えきれない、というように、涼景は布を畳んで懐にしまった。犀星はじっと几案の上を見つめている。
「……陽は知らない」
 犀星は、声を出すことで気持ちを落ち着かせようとしているようだった。
「背中の傷だ。見ることはない。本人は、ただの火傷だと思っている」
「そうか」
 涼景はふっと、犀星の寝室に下ろされた帳を見た。薄い白い絹が、音もなく揺れている。
「どうする? 伝えるか?」
「…………」
「無関係とはいかないだろう」
「……言ってどうなる?」
 犀星は声を絞り出した。
「もう、終わりにしてやってくれ……」
 涼景は目を細めた。犀星は震えてはいたが、冷静だ。
「わかった」
 涼景は広げていた竹簡をすべて、皮袋に収めた。
「星、この件は俺にまかせて、お前は忘れろ」
 犀星は唇を噛んだ。
「おまえが気にする限り、陽は勘づくぞ」
「……勝手だな」
 犀星のつぶやきに、涼景は目元を動かした。
「おまえのことじゃない」
 犀星の手は、血の気が失せるほど、かたく握りしめられていた。
「勝手なのは、俺だ」
「…………」
「これは、あいつの決着なのに、その機会さえ、奪いたいと思ってしまう」
「それは違う」
 素早く、涼景が否定した。
「おまえが言うように、もう、終わらせるべきだ。これ以上、痛みを重ねる必要はない」
 涼景は鋭く息を吐いた。立ち上がると、犀星の前にひざまずいた。顔を見上げる。
「星。毅然としていろ。おまえが揺らげば、みなが迷う」
 犀星は息をすることも苦しい、という顔で涼景を見つめた。それは、玲陽を取り戻す前の、心が崩れたころの犀星を彷彿とさせた。
 涼景には、なす術がない。玲陽ならば、ただ犀星を抱きしめるだけで、支えてやれるものを。
 あまりに不器用で無力だ。
 涼景は悔しさで、わずかに震えた。
 犀星のことも、東雨のことも、どうにかしたいと思えば思うほどに、何もできないことを思い知る。
 足掻けば足掻くほど、大切にしたい人を傷つけてしまう。
 所詮自分は、刀を振るうことでしか、人の役には立てないのか。
 誰かを傷つけることでしか守れない力に、どんな価値があるのか。
 玲陽や東雨のように、その微笑みと明るさで人を癒せるならどれほど尊いだろう。
 涼景には、それがあまりに口惜しい。
「涼景?」
 不意に、犀星は手を開き、そっと涼景の右の頬に触れた。涼景は動けなかった。頬に刻まれた傷跡を、犀星の手のひらが包む。その手があまりに優しく、涼景は息が詰まった。
「おまえの方が辛そうだ」
 碧く澄んだ犀星の目が、全てを見通すように涼景を映していた。誰かの瞳に映る自分の姿を、涼景は初めて見た。その姿がじわり、と滲む。
 涼景は咄嗟に顔を伏せた。ぽたり、と雫が床に落ちた。何かが崩れた。それでも、犀星の手は離れなかった。
「……俺は……」
 次につなげる言葉のあてもなく、涼景はつぶやいた。
「抱えすぎだ」
 まるで、空白になった涼景の言葉を埋めるように、犀星が言った。
「何もかも、一人で背負おうとする。おまえは、昔から……」
 その声は、耳元で囁かれているように近く感じられた。
「だが、そうさせてしまうのは、俺の弱さだ」
 犀星の指が、そっと傷痕を撫でた。
「強くなると、約束する。だから、自分を追い詰めるな」
 涼景は、ふたつ、涙が石畳に落ちる音が聞こえた気がした。
 じっと目を閉じ、ただ、犀星の温もりだけを感じる。
 守っているつもりが、守られている。
 自分には真似のできない、底も天井もない無限の赦しによって。
 涼景はそっと、犀星の手に触れた。そして、ゆっくりとその手を頬からはずす。最後まで、指先で触れながら、名残惜しげに手を離した。
 顔を背けたまま、涼景は立ち上がると、鼓動を鎮めるように、大きく全身で息をした。
「心配するな」
 涼景は強く言った。
「また、連絡する」
 かすかに、犀星が頷く気配があった。
 涼景は振り返らず、ただ、真っ直ぐに五亨庵を後にした。
 涼景を見送り、犀星はしばらくじっと目を閉じて、長榻に座っていた。それは彼にとって、必要な時間だ。自分の感情と向き合い、ひとつひとつに名をつけ、心の底に鎮める儀式。
 心の昂りは、犀星がもっとも避けたいもののひとつだった。特に、玲陽が絡むとそれは制御できない嵐となる。感情を閉じ込めていた箱の鋲が緩んで、隙間から熱いものが溢れ出してしまう。見せたい自分と、見せてしまう自分との不一致が、犀星を動揺させる。
 冷静であらねば。
 犀星は自分に言い聞かせた。
 ゆっくりと開かれた犀星の目には、強い意志の光が灯っていた。
 犀星は、静かに寝室を覗いた。玲陽は深く眠っていた。その顔に辛そうな気配はなく、規則正しい呼吸が宿っている。
 うなされることなく穏やかな時が過ぎるように、と、祈りを残し、部屋を出る。
 慈圓の席で、今後の予定についていくつか言葉を交わし、やるべきことを確認する。慈圓はいつも通りの冷静さで、手際よく話題を進めた。三ヶ月の留守を取り戻すために、取り組まなければならない仕事は多い。
 差し当たって、先日指示していた空き家を薪にする作業について打ち合わせる。犀星が都の私室で立てた計画は、慈圓の協力によって形となり、皇帝の許可を取り付けた。解体の仕事は涼景が率いる右近衛隊を中心に進めることが決まっており、緑権が五亨庵の代表として現地を走り回っているとのことだった。
 相談が済むと、中央の几案に残されていた茶器を片付け、厨房に運ぶ。厨房内は東雨がきれいに整えたと見えて、いつも通りの整然とした様子だ。
 だが、東雨本人の姿が見えない。
 犀星は視線だけで東雨を探した。五亨庵の中に姿は見えなかった。
 慈圓に行き先を問うと、中庭に行ったきり戻ってないという。
 犀星は迷わず裏口から中庭に出た。
 冬の風が、全身の熱をひやりと冷ました。風も弱く寒さは厳しくはないが、長時間、外にいれば体にこたえる。
 庭の左奥で、軽快な音を響かせて、東雨は薪割りをしていた。犀星が庭に出てきたことにも気づいていない。何かに取り付かれたように、黙々と斧を振る。
 犀星は裏口に立ったまま、その様子を見守った。
 すっかり大きくなった。
 犀星の唇が緩む。
 自分と出会ったばかりの頃、東雨は八つの子供だった。視野が狭く感情が豊かで何事にも大騒ぎをする、実に明るい少年だった。彼の天真爛漫さは犀星を困惑させ、同時に異郷での寂しさを紛らわせてもくれた。
 幼い東雨にとっては、毎日が驚きの連続だっただろう。都に染まらない歌仙育ちの犀星の元で、翻弄され続けていたはずだ。思えば、可哀想なことをした、と犀星も反省する。
 それなのに、気がつけば東雨はすっかり自分のやり方を覚え、先回りして犀星を助けてくれるようになっていた。
 いつも、若様、若様と、犀星の世話を焼き、時には良くないと思ったことはしっかりと言葉にして諌めてくれるまでに成長した。その言葉も大人びて、時折犀星の口癖を引用する。それを聞くたび、犀星はどこかこそばゆかった。
 利発で活発、真面目で甘えることが下手な東雨は、いつも全力で犀星たちにぶつかってくれた。彼でなければ、十年もの間、犀星の侍童をつとめることはできなかっただろう。
 言葉の少ない犀星の気持ちを推し量り、何事にも容赦のない慈圓に振り回され、自分より頼りにならない緑権の面倒を見て、無遠慮で怖いもの知らずの涼景とも渡り合った。
 東雨ほどの逸材は、そうそういるものではない。その巡り合わせは幸運だった。
 玲陽を迎えてからも、東雨は献身的なまでに力を貸してくれた。
 心を病んだ玲陽に寄り添い、犀星のすることをよく見て覚え、対処してくれた。犀星は一度も、玲陽の状態を説明したことはない。それでも敏感な東雨は全てを把握していた。
 そして、さりげなく助け、犀星の負担を軽くしてくれた。決して恩着せがましくなく、ただただ、自然体のままに。
 本当に、苦労をかけた。
 犀星は、東雨の背中に、心底からそう思った。
 侍童といえど、東雨は自分の所有物ではない。一人の独立した人間だ。東雨自身が幸せになる権利もあれば、自由に振る舞うことも許されるはずだ。
 それなのに、ずっと耐え、自分に尽くしてくれた。
 犀星の表情に、優しい影が揺れる。
 短く声を発しながら、勢いよく薪を割る東雨の姿は、力強かった。
 だが、その横顔はどこか必死で、苦しみを内包しているようにゆがんで見えた。
 労働への苦しさではない。心の辛さをどうにかしたくて、力任せに斧を振り下ろしているようだ。
 乾いた音を立て、次々と薪を割る。細い破片が雪の上に飛び散る。
 自分で自分の心を引き裂いている。
 犀星の胸は痛んだ。
 東雨のためにしてやれることは、あまりにもわずかだった。
 犀星は一歩、近づいた。
 雪を踏む足音を聞いて、東雨ははっと顔を上げる。その顔は、いつもよりもずっと大人びてこわばっていた。頬が赤く上気し、息も乱れている。
「すごいな」
 と、犀星は言った。
「一人でこれほどとは」
 犀星は、周囲にまとめられた幾つかの薪の山を見回した。
 東雨は笑って、息を整えた。すぐには声が出なかった。
 限界を超えるほどに、振るい続けた両腕が重たく、だらりと下がる。
 指がしびれて力が入らない。東雨は足元に斧を置いた。
「若様」
 吐息混じりの声で呼ぶ。
 全身に汗が浮いている。寒さは感じなかったが、逆に息苦しさでその肌は震えていた。
「代わろう」
 犀星は斧を拾い上げた。
 東雨はふっと息を詰めた。
「でも、これは俺の……」
 そう言いかけたが、犀星はさっさと木片を一本、台の上に固定した。そうしながら、
「お前の仕事だが、お前だけの仕事じゃない」
 言って、木片に斧を当て、何度か打ち付けて刃を差し込むと、勢いよく二つに割る。ばらりと木片が裂けて足元に転がった。
 東雨は力任せに頑張っていたが、犀星は最低限の労力で効率よく作業を進める。
「これはお前だけの問題じゃない。だから俺にもやらせて欲しい」
 続けて、次の木に手をかける。
 東雨は頭の中が少し混乱した。
 薪割りのことを言っている? それとも……
 犀星の目はどこかもっと遠くを、別のものを見ているような気がした。
 おまえだけの問題ではない……
 その意味するところに、希望があるような気がした。
 ……いや、これは俺の願望だ。ただの根拠のない期待にすぎない……
 東雨は、心の中で様々な感情がぶつかり合うのを感じた。
 乱れている。これは危ない兆候だ。自分が自分でなくなる不安定な感覚に飲み込まれてしまう。
「若様」
 東雨は思わず、少し叫ぶように呼んだ。
 犀星は顔を上げた。その優しい顔に言葉が続かなくなる。
「そこで見ていろ。おまえは十分やってくれた」
 犀星の声が響く。
「東雨、疲れただろう?」
 自分だけに向けられた微笑みに、東雨はほんの少しだけ素直になる。
「……疲れました」
 犀星は頷き、そして、薪割りを続けた。東雨の心の、一つ一つの苦しみを、断ち切っていくように。
 東雨は、犀星の気持ちが、たまらなかった。
 自分はこんなことをしてもらえる人間ではない。
 俺は……あなたの一番大切な人を傷つけているんです。
 犀星に対する愛しさと、玲陽様に対する申し訳なさと、自分の存在感のなさと。
 東雨は軽いめまいを覚え、視界が傾いた。足に力を込めたが、支えきれない。
 倒れてしまう!
 投げ出された斧が、雪の上に転がる。崩れ落ちる東雨の体を、犀星が素早く抱きとめていた。
 すべてわかっていると言わんばかりに、犀星はそのまま、しっかりと東雨を抱きしめた。脱力して、東雨はその腕に体を預け、目を閉じた。
 犀星は何も言わない。
 それが、東雨には本当にありがたかった。
 自分もまた、何を言っていいのか、わからないのだから。
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