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-第32夜- 我が強い参加者達
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「そ、それでは乾杯っ!!!」
「「「「「乾杯~!!!」」」」」
突然の不測な事態?とやらに私はまたしても難を乗りこえた。参加者達がお腹を空かせて苛立っているということを感じ取りオーエンが締まらぬ乾杯の音頭を取ったからだ。
執事長がいない中でも使用人達はスムーズに料理やお酒を運んで来る。そして、運ばれたのはそれだけではなく休憩用のソファも4つ程、部屋へと運ばれた。
「先輩、今回こそ私が料理を取ってきますよ!何を食べたいです?」
「正直言うとなんでもいい。と言うよりもう既に眠いんだ」
「あれっ?サテラさんって意外とお酒弱いんですか?」
頬を少し赤らめたシェイリが上機嫌そうに尋ねてくる。
「いえ。長旅で疲れていてね……」
そう返すと彼女は「あ~、という事はやっぱり人狼……ですか?」と訊いてくる。
「まぁ、そんな所かな」
私はそうはぐらかした。当然だ、護衛任務に失敗して停職処分を受けている……なんて口が滑っても言える訳が無い。
「やっぱり私、取ってきますよ!料理」
レーネは浮き足で肉のタワーの方へと向かって行った。
「よぉ、赤装束のお嬢さん」
レーネと入れ替わるように当主がやって来た。
「どうも」
私とシェイリは軽く会釈をする。
「さっきは助かったな……ある意味で」
「まぁ、悪運は強いようで」
我ながら随分と尖らせた言い方だなと思った。
「そうか。まぁ、いい。何度でも言うがうちは無料では泊まらせない。招かれた客人を除いてな?見ず知らずの旅人なら尚更だ。僕は君の連れしか泊めることを認めていない。僕を満足させることが出来ない者、何もしない者は決してこの屋敷には泊めはしない。決してな?」
壁にもたれ掛かりながらギロリとこちらを睨む当主様に対し私は「そう睨まずとも、約束はちゃんと守りますよ……昔から約束はちゃんと守る主義だったんですから」と返した。
オーエンは「どうだがな」と言い、私達の元から消えて行った。
それから少ししてレーネが沢山の料理を抱え戻ってくると私達は新たに用意されたソファの上に座り、グランヴィル家の美味しい料理に舌鼓を打っていた。
「このローストビーフ美味しいですね。一体、どこ産なんでしょう?」
「さぁな」
「このマリネも美味しいないですか?ほら、」
「あぁ」
レーネの相手をするのが面倒になってしまった。私がテキトーに流していると彼女はマリネの入った小さなグラスを私に無理矢理近付けてくる。
「ほら食べてくたさいって……」
「自分で食べるからいいレーネ。しつこいお前」
この様子を見ていたシェイリは「お二人さんが食べないなら私が貰っちゃいますよ~」と言い、レーネのグラスを奪って食べてしまった。
(こいつ、酒に呑まれ安いタイプだったのか……)
もぐもぐと美味しそうに食べるシェイリにレーネは「それは先輩のです~、と言うか私が持ってきたの~」とジャレ始める。飽きれた私は席を立ち、もう部屋に戻ろうとすると、私達の元へ接触をしに来た人物がいた。
「これはこれはどうも。お嬢様方、いや……お嬢さんと言うべきかな?」
ツーブロのオールバックに薄く整えられた揉み上げと顎髭、口髭全てが繋がっている男。肌は白い。白人か?格好は黒のタキシードに黒の長ズボンと言う普通の格好だが、赤色のネクタイと左指に嵌められた大きなダイヤの付いた指輪から察するに彼も富豪と言った所か……。
瞬時に接触を図ってきた男を分析すると私は「どうも。こんばんは」と作り笑顔で対応した。これは私の得意中の得意としている武器の一つだ。
「先程は突然、オーエンに指名されて大変でしたな」
「えぇ、まぁ。それで何か?」
「え?」
驚いた表情をする彼に私は取り繕うの辞めて、キッパリとこう言った。
「私達に何か用ですか?生憎、ナンパは受け付けていなくて……その左手の指に着けたダイヤ。結婚指輪ですよね?貴方は既婚者では無いのですか?」
これで諦めてくれたと思ったが彼はブワッと吹き出すように大きな笑い声を上げると「いやはやいやはや、お見逸れ致しました」と言い、「これはただ左指に着けているだけで結婚指輪なんかじゃございませんよお嬢さん」と臭い息を近付けて来た。
「そう。それで?何?私からしたらそんな事どーでもいいんだけど?用は?それとさっきから子供扱いしてるけどウザイから辞めてくんない?息もなんか臭いし、歯磨いてる?」と彼に強気な姿勢で望んだ。今度こそこれで引いてくれると思ったが、彼は「ほぉ~。案外肝据わってんな~子供の癖に。だが言葉遣いには気を付けた方がいい、俺様は今や国内で一部上場と呼ばれている食肉メーカーの運営者なんだ。喧嘩を売る相手には気を付けた方がいいぞ?雌餓鬼がぁ~」とまた臭い息を私の前に持って来た。
「……臭い、消せろ。気持ち悪い」
怯むことなくそう言い返すと今度は高らかな笑いが聞こえてくる。これは誰かを嘲笑うかのような声だ。
「見ろよアイリス。無様な独身者貴族(笑)を。ダサいよなぁ、いい歳した男が女子供相手にマウントを取って、その全てを流されている様を。ホント笑えてくるよ。良い酒のツマミになりそうだ」
「ローキスの言う通りね。みっともないったらありゃしない」
またしても見知らぬ2人組がこちらへとやって来た。腕を組んでいる様子からするにカップル?か新婚の若い夫婦だろうか。
「なんだ、誰かと思ったら運良く国内ナンバー3まで登り詰めたヴィジュアルだけのミュージカル女優に。まだ無名の頃からその女に付き纏っているストーカー野郎のヒモ男じゃねぇか。いい加減ちゃんと働いたらどうだ?いつまで親のスネを齧って生きていくつもりだ?」
挑発で返すオッサンに対し若い男は「うるせぇよ。ただの親の会社を継いだだけの元 プー太郎が。お前だって俺と大して変わらないだろ?それより早く結婚相手を見つけたらどうだ?もう40になるんだろ?あっ、そっか、その似合ってない気持ち悪い髭面にその気色の悪い性格じゃ恋人の一人も出来ないか、悪かったな」と嘲笑しながら返したのだった。隣の女性も鼻の下に人差し指を当て、腹を抱えながら笑っている。
2人の口論を見ていた他の客人達も彼女の笑いに釣られたのかゲラゲラと一斉に笑い始めた。
これには流石に恥ずかしくなったのか私達の元にオッサンも耳まで顔を赤くし、期限を損ねてどこかへ行ってしまった。
「けっ、つまんねーの。逃げ出すのかよ。最後までダサい男だなぁあいつは」
「ホントそれ」
あのオッサンは「どこへ行かれるのです?」と駆け寄った執事を壁に突き飛ばすと「酒が不味い、料理もだ。全然、冷々でちっとも味がしないじゃないかっ!クソっ、」と如何にもそれっぽい台詞を捨て吐き、この部屋を後にした。
「はっ、捨て台詞まで典型的な負け犬だな」
金髪の長めの男はそう言うと私達の元へとやって来て「さっきは済まなかった。君達に見苦しい光景を見せてしまった。他の参加者達にもお詫び申し上げます。すみません、せっかくの楽しいバースデーパーティーなのに」と、意外にも誠実な謝罪をして見せたのだ。
まぁ形だけの謝罪、ということは私は見抜いていたが。
彼の後に続き、隣のロングヘアの女性も頭を深々と下げた。
謝罪を終えると彼らは馴れ馴れしくも私達の輪へと入ってくる。
「俺の名はローキス・ルマンド。父は有名な彫刻家で。母は国立病院の院長をやっている。そんで俺の隣にいるこいつは再来月、式を挙げる予定の婚約者、よろしく頼むよ」
そう言い右手を出して来た彼の手を私は渋々と握り「これはどうも。サテライト・ヴィル=アストレアです。ただの旅人です。今夜のパーティーには招待されていなくて、宿泊ついでに参加させて頂いております。こっちは連れのレーネ。そして、こちらは昔、顔を合わせた事のある知人のシェイリさんです」とついでに紹介をしてあげた。
2人は「どうも」と頭を下げると目の前の婚約者達も「どうも」と返した。この時、シェイリの表情がふと視界に入ったがやはり暗くなっていた。婚約者という言葉に嫌でも反応をしてしまったのだろう。無理もない……。
そんな心情を察する訳もなく婚約者の方は「あ、申し遅れました。アイリス・ユア・エデス……と申します。先程、ウンガーが言ってた通り、私はミュージカル女優をやっておりまして、今となっては国内人気ナンバー3?とか、だそうです……自分で言うのも恥ずかしいですが……今夜はよろしくどうぞ。それと、来月に王都でミュージカルをやるので良かったら……」
長い自己紹介だけに留まらず、ちゃっかり自分から劇の宣伝までしやがる。こういう所が如何にもナンバー3って感じだと思った。
彼女は他の参加者達にもミュージカルの宣伝をし始めると、レーネがローキスに「行かなくていいんですか?」と尋ねた。すると彼は「いつもあ~なんだ。もう慣れたよ。すぐに戻ってくるさ」と言い、グラスに残った白ワインを飲み干した。
「あの、それで彼女さんの言っていたウンガーさんっていうのは?」
気になった為、彼に訊いてみた。
「あぁ、それね。君にさっきダル絡みしてきたオッサンだよ。高そうなダイヤの付いた指輪を嵌めた、ね。彼は自分でも言ってたと思うけど国内有数の食肉メーカーの運営者でね。まぁ、所謂最高責任者って奴だ。会社を経営していた父親が半年前に亡くなったことで彼が自動的に会社を継いだんだけどね、まぁ年下の女好きっていうか……君達みたいな明らかに子供って感じの若い女の子にも手を出すガチでキメェ奴なんだ。親父がよく言ってたけど、本当だったみたいだな」
『君達みたいな明らかに子供って感じの若い女の子』ってフレーズが少し引っかかったが、今回はその発言に目を瞑ってやり、「お父様は彼とお知り合いなのですか?」と訊いてみる。
「あぁ。小学生の頃から知ってるらしい。まぁ、最も中等部を出る時には彼とは縁を切っていたそうだがな。知り合い伝に彼が結婚相手欲しさに年下の女の子を口説いてるって噂を聞いたらしい。親父曰く、奴は学生の頃から女好きだったらしい。ホントキメェ話だよな」
そう言うと彼は「おっと、長居し過ぎたな。迷惑を掛けて済まなかったな。このパーティーにはそういう輩が少なからずいるから気を付けてな」と言い「互いに良い夜をな」と残し、私達の元から去っていった。
漸く騒がしいのがいなくなったと安堵していると、張り詰めていた糸が切れたようにレーネとシェイリが大きな溜め息を吐いてからそれぞれがこんなことを言った。
「いやぁ~一気に酔いが覚めちゃいましたよ、」
「ちょっと先輩、心臓に悪いですよ。もうホントに心臓バグバグで……辞めてくださいよぉ、知らない人にあんな悪態つくの……」
「え、だって、なんかウザかったじゃん?凄いダルいし……。それに私にあんな顔を近付けて臭い息を吐きながら話し続けるんだもん、イラってきちゃってね」
突然の不測の事態に引き続き修羅場が発生したが、室内は再びパーティームードに包まれていた。
「先輩、食べないんですか?こんなご馳走、もしかしたらこの先食べる機会無いかもですよ?」
「お前それは人を馬鹿にし過ぎだ。言っただろ?さっきも。疲れているんだよ私は……歩き疲れていて食欲が無い。それにもう眠いんだ……ふあぁ」
「大変、お疲れの様ですねサテラさん」
心優しいシェイリは私にそう声を掛けてくれた。全く、レーネにはこういう労いの言葉の一つや二つは出ないものか。
そんな風に話していると今度は同時に2組がやって来た。最初にシェイリが話していた男3人組と当主のオーエンだ。3人組は私やレーネに興味は無いのか「さっきは修羅場だったね~」とシェイリだけ連れて室内の中央へと移動した。別れ際シェイリは「短い時間でしたがお話し出来て良かったです。後で良かったら部屋に来てください。4階の402号室です」と言っていたが……まぁ、行く事は無いだろうな。
「しかし、変わったな……シェイリ。最愛の婚約者を失うと人はこうも変わるものなのか……」
そうボソッと呟くとレーネが「え、今、何か言いましたか?」と尋ねてくる。私は「なんでもない」とだけ言い、部屋を後にしようとするが「待て」と彼が腕を掴んだ。
「オーエンさん、まだ何か?」
「恍けるなよ。この際、見世物はどうだっていい。せめて名前だけでも教えてくれないか?どうやら僕はお前の事を結構、気に入ってしまったようだ」
そうウットリとした表情を浮かべるオーエン。これは恐らく、アルコールが回ってきている。
「さっきのやり取りを見たでしょう?私を口説いても無駄ですよ」
「あぁ、見せてもらった。非常に面白いものであった。あれが君から僕への最高の誕生日プレゼントだ。そうだ、この後、僕の部屋に来ないか?2人でホールケーキを食べようじゃないか!」
そう熱烈に提案してくる彼に対して私は「結構です」と言うと彼の腕を振り解いた。いつぞやの日の如く、ケーキと言う言葉にレーネは即座に反応を示したが彼女の小さな顔を手の平で押さえ付けてソファへと座らせる。
まだ諦める様子の無い彼に対し、私はそろそろ痺れを切らしていたが彼のおかげで私は救われた。
「オーエン様、ただいま戻りました」
「おっ、爺やか」
「はい。不測の事態の事と、運んで来るケーキについてお話が」
音も立てずに現れた執事長によってオーエンは連れて行かれた。
「しかし、奴は本当に気配を感じさせぬな。まるで“ニンジャ”ってやつみたいだな。噂に聞く」
「なんか、そんなようなこと、輝夜さんも知っていましたね」
するとこの会話に乱入してくる者が現れた。今回のパーティーである意味で主役のオーエンより存在感を放っていたハクビャクイン?とかいう和性の男だ。彼は遅れて部屋に入って来た時から異様な雰囲気を放っていた。
ゆっくりとこちらへとやって来るハクビャクイン。
「あの、何か?」
私から先に尋ねるとその御老人は足をゆっくり泊め、ソファへと視線を向ける。どうやら座りたいようだ。
「レーネ。食べ終わった食器とグラス、下げて来て」
どうせレーネは気が利かないと思い、こういう形で彼女にはどいて貰い、ソファを空けさせた。
「どうぞ。お座りください」
ハクビャクインは「恩に着る」とだけ言い、ゆっくりと腰を下ろした。
「それで何か?」
ハクビャクインはゆっくりと口を開き、ゆっくりと話し始めた。
「洋酒に飽きてな……泊まる部屋に戻ろうとしていた。腹も満たされたし、年寄りは眠くなるのが早くてな?その時に偶々お主らの会話が入って来たのじゃ。あぁ、偶々じゃ」
「と、言いますと?」
「“忍者”とお主らは申しておらなかったかな?忍者、と」
「えぇ、それが何か?」
ハクビャクインを顎にシワをよせ、力強く唇を噛み締める、再び口を開きこう言った。
「それはワシの故郷の言葉じゃ、我が愛しの国。和國の。何故、お主ら西洋人がその言葉を知っている。いつどこで知ったのじゃ?」
「あぁ~なるほど。そういうことですか」
私は何故、自分がこの事を知っているのかという事とそれを教えてくれた存在。“輝夜”という名の聖職者について説明をした。
レーネが別の料理を持って再び、ここに戻って来る頃にはその経緯についての会話も終わりを迎えようとしていた。
その時に再び、修羅場が発生したのだった。
「てめぇ、いい気になりやがって!ぶち殺すぞぉ!!」
「んだとぉ、殺ってみろよタコスケがぁ。お前みたいなヒヨっ子に殴られてもなぁ?痛くも痒くもね~んだよこっちはよぉ」
中央の方から男性2人の口論が聞こえてくる。それも先程の2人のやり取りとは比にならないくらい激しい争いだ。
「また、修羅場か……」
私が呆れているとハクビャクインが「ワシが止めてこよう」と動き始める。
だが、その前に彼ら2人は西部劇に出てきそうな保安官みたいな青い目の男性とガタイの良い中年の男性によって引き離され、瞬時に気絶させられた。
争っていた男2人は呼び出された執事達数名によって宿泊部屋と運ばれて行った。
私は中央へと向かい状況を聞きに行った。
「あの、何があったんですか?」
近くに立っていた奇抜な髪色の女性に尋ねると「アタシもよく分からないけど、『俺の父のことを侮辱するなぁ~』とか言って優しそうな顔の男がブチ切れたんだよ。それでスキンヘッドの男も逆ギレしちゃって、軽い争いが起きた。飲みの席ではよくある事さ」と特に気にした様子も無く淡々と語ってくれた。
そう言い残し、一人どこかへと消えてく彼女。人々の隙間から小さくなって行く彼女の背中を意味も無く見つめていた私だったがふと、誰かの視線が気になった。
周囲を見渡し、その視線を送り続ける人物を探す。
(誰だ?今、誰かが私を……。あの執事か?それともオーエン?いや、もっと別の感じがしたが……)
こうして見るとパーティーの参加者達はどいつもこいつも個性的……と言うべきか怪しい……と言うべきか我の強い者達ばかりであった。
そうやって周囲を見渡していると私は遂に見つけてしまった……彼女の存在を。
「「「「「乾杯~!!!」」」」」
突然の不測な事態?とやらに私はまたしても難を乗りこえた。参加者達がお腹を空かせて苛立っているということを感じ取りオーエンが締まらぬ乾杯の音頭を取ったからだ。
執事長がいない中でも使用人達はスムーズに料理やお酒を運んで来る。そして、運ばれたのはそれだけではなく休憩用のソファも4つ程、部屋へと運ばれた。
「先輩、今回こそ私が料理を取ってきますよ!何を食べたいです?」
「正直言うとなんでもいい。と言うよりもう既に眠いんだ」
「あれっ?サテラさんって意外とお酒弱いんですか?」
頬を少し赤らめたシェイリが上機嫌そうに尋ねてくる。
「いえ。長旅で疲れていてね……」
そう返すと彼女は「あ~、という事はやっぱり人狼……ですか?」と訊いてくる。
「まぁ、そんな所かな」
私はそうはぐらかした。当然だ、護衛任務に失敗して停職処分を受けている……なんて口が滑っても言える訳が無い。
「やっぱり私、取ってきますよ!料理」
レーネは浮き足で肉のタワーの方へと向かって行った。
「よぉ、赤装束のお嬢さん」
レーネと入れ替わるように当主がやって来た。
「どうも」
私とシェイリは軽く会釈をする。
「さっきは助かったな……ある意味で」
「まぁ、悪運は強いようで」
我ながら随分と尖らせた言い方だなと思った。
「そうか。まぁ、いい。何度でも言うがうちは無料では泊まらせない。招かれた客人を除いてな?見ず知らずの旅人なら尚更だ。僕は君の連れしか泊めることを認めていない。僕を満足させることが出来ない者、何もしない者は決してこの屋敷には泊めはしない。決してな?」
壁にもたれ掛かりながらギロリとこちらを睨む当主様に対し私は「そう睨まずとも、約束はちゃんと守りますよ……昔から約束はちゃんと守る主義だったんですから」と返した。
オーエンは「どうだがな」と言い、私達の元から消えて行った。
それから少ししてレーネが沢山の料理を抱え戻ってくると私達は新たに用意されたソファの上に座り、グランヴィル家の美味しい料理に舌鼓を打っていた。
「このローストビーフ美味しいですね。一体、どこ産なんでしょう?」
「さぁな」
「このマリネも美味しいないですか?ほら、」
「あぁ」
レーネの相手をするのが面倒になってしまった。私がテキトーに流していると彼女はマリネの入った小さなグラスを私に無理矢理近付けてくる。
「ほら食べてくたさいって……」
「自分で食べるからいいレーネ。しつこいお前」
この様子を見ていたシェイリは「お二人さんが食べないなら私が貰っちゃいますよ~」と言い、レーネのグラスを奪って食べてしまった。
(こいつ、酒に呑まれ安いタイプだったのか……)
もぐもぐと美味しそうに食べるシェイリにレーネは「それは先輩のです~、と言うか私が持ってきたの~」とジャレ始める。飽きれた私は席を立ち、もう部屋に戻ろうとすると、私達の元へ接触をしに来た人物がいた。
「これはこれはどうも。お嬢様方、いや……お嬢さんと言うべきかな?」
ツーブロのオールバックに薄く整えられた揉み上げと顎髭、口髭全てが繋がっている男。肌は白い。白人か?格好は黒のタキシードに黒の長ズボンと言う普通の格好だが、赤色のネクタイと左指に嵌められた大きなダイヤの付いた指輪から察するに彼も富豪と言った所か……。
瞬時に接触を図ってきた男を分析すると私は「どうも。こんばんは」と作り笑顔で対応した。これは私の得意中の得意としている武器の一つだ。
「先程は突然、オーエンに指名されて大変でしたな」
「えぇ、まぁ。それで何か?」
「え?」
驚いた表情をする彼に私は取り繕うの辞めて、キッパリとこう言った。
「私達に何か用ですか?生憎、ナンパは受け付けていなくて……その左手の指に着けたダイヤ。結婚指輪ですよね?貴方は既婚者では無いのですか?」
これで諦めてくれたと思ったが彼はブワッと吹き出すように大きな笑い声を上げると「いやはやいやはや、お見逸れ致しました」と言い、「これはただ左指に着けているだけで結婚指輪なんかじゃございませんよお嬢さん」と臭い息を近付けて来た。
「そう。それで?何?私からしたらそんな事どーでもいいんだけど?用は?それとさっきから子供扱いしてるけどウザイから辞めてくんない?息もなんか臭いし、歯磨いてる?」と彼に強気な姿勢で望んだ。今度こそこれで引いてくれると思ったが、彼は「ほぉ~。案外肝据わってんな~子供の癖に。だが言葉遣いには気を付けた方がいい、俺様は今や国内で一部上場と呼ばれている食肉メーカーの運営者なんだ。喧嘩を売る相手には気を付けた方がいいぞ?雌餓鬼がぁ~」とまた臭い息を私の前に持って来た。
「……臭い、消せろ。気持ち悪い」
怯むことなくそう言い返すと今度は高らかな笑いが聞こえてくる。これは誰かを嘲笑うかのような声だ。
「見ろよアイリス。無様な独身者貴族(笑)を。ダサいよなぁ、いい歳した男が女子供相手にマウントを取って、その全てを流されている様を。ホント笑えてくるよ。良い酒のツマミになりそうだ」
「ローキスの言う通りね。みっともないったらありゃしない」
またしても見知らぬ2人組がこちらへとやって来た。腕を組んでいる様子からするにカップル?か新婚の若い夫婦だろうか。
「なんだ、誰かと思ったら運良く国内ナンバー3まで登り詰めたヴィジュアルだけのミュージカル女優に。まだ無名の頃からその女に付き纏っているストーカー野郎のヒモ男じゃねぇか。いい加減ちゃんと働いたらどうだ?いつまで親のスネを齧って生きていくつもりだ?」
挑発で返すオッサンに対し若い男は「うるせぇよ。ただの親の会社を継いだだけの元 プー太郎が。お前だって俺と大して変わらないだろ?それより早く結婚相手を見つけたらどうだ?もう40になるんだろ?あっ、そっか、その似合ってない気持ち悪い髭面にその気色の悪い性格じゃ恋人の一人も出来ないか、悪かったな」と嘲笑しながら返したのだった。隣の女性も鼻の下に人差し指を当て、腹を抱えながら笑っている。
2人の口論を見ていた他の客人達も彼女の笑いに釣られたのかゲラゲラと一斉に笑い始めた。
これには流石に恥ずかしくなったのか私達の元にオッサンも耳まで顔を赤くし、期限を損ねてどこかへ行ってしまった。
「けっ、つまんねーの。逃げ出すのかよ。最後までダサい男だなぁあいつは」
「ホントそれ」
あのオッサンは「どこへ行かれるのです?」と駆け寄った執事を壁に突き飛ばすと「酒が不味い、料理もだ。全然、冷々でちっとも味がしないじゃないかっ!クソっ、」と如何にもそれっぽい台詞を捨て吐き、この部屋を後にした。
「はっ、捨て台詞まで典型的な負け犬だな」
金髪の長めの男はそう言うと私達の元へとやって来て「さっきは済まなかった。君達に見苦しい光景を見せてしまった。他の参加者達にもお詫び申し上げます。すみません、せっかくの楽しいバースデーパーティーなのに」と、意外にも誠実な謝罪をして見せたのだ。
まぁ形だけの謝罪、ということは私は見抜いていたが。
彼の後に続き、隣のロングヘアの女性も頭を深々と下げた。
謝罪を終えると彼らは馴れ馴れしくも私達の輪へと入ってくる。
「俺の名はローキス・ルマンド。父は有名な彫刻家で。母は国立病院の院長をやっている。そんで俺の隣にいるこいつは再来月、式を挙げる予定の婚約者、よろしく頼むよ」
そう言い右手を出して来た彼の手を私は渋々と握り「これはどうも。サテライト・ヴィル=アストレアです。ただの旅人です。今夜のパーティーには招待されていなくて、宿泊ついでに参加させて頂いております。こっちは連れのレーネ。そして、こちらは昔、顔を合わせた事のある知人のシェイリさんです」とついでに紹介をしてあげた。
2人は「どうも」と頭を下げると目の前の婚約者達も「どうも」と返した。この時、シェイリの表情がふと視界に入ったがやはり暗くなっていた。婚約者という言葉に嫌でも反応をしてしまったのだろう。無理もない……。
そんな心情を察する訳もなく婚約者の方は「あ、申し遅れました。アイリス・ユア・エデス……と申します。先程、ウンガーが言ってた通り、私はミュージカル女優をやっておりまして、今となっては国内人気ナンバー3?とか、だそうです……自分で言うのも恥ずかしいですが……今夜はよろしくどうぞ。それと、来月に王都でミュージカルをやるので良かったら……」
長い自己紹介だけに留まらず、ちゃっかり自分から劇の宣伝までしやがる。こういう所が如何にもナンバー3って感じだと思った。
彼女は他の参加者達にもミュージカルの宣伝をし始めると、レーネがローキスに「行かなくていいんですか?」と尋ねた。すると彼は「いつもあ~なんだ。もう慣れたよ。すぐに戻ってくるさ」と言い、グラスに残った白ワインを飲み干した。
「あの、それで彼女さんの言っていたウンガーさんっていうのは?」
気になった為、彼に訊いてみた。
「あぁ、それね。君にさっきダル絡みしてきたオッサンだよ。高そうなダイヤの付いた指輪を嵌めた、ね。彼は自分でも言ってたと思うけど国内有数の食肉メーカーの運営者でね。まぁ、所謂最高責任者って奴だ。会社を経営していた父親が半年前に亡くなったことで彼が自動的に会社を継いだんだけどね、まぁ年下の女好きっていうか……君達みたいな明らかに子供って感じの若い女の子にも手を出すガチでキメェ奴なんだ。親父がよく言ってたけど、本当だったみたいだな」
『君達みたいな明らかに子供って感じの若い女の子』ってフレーズが少し引っかかったが、今回はその発言に目を瞑ってやり、「お父様は彼とお知り合いなのですか?」と訊いてみる。
「あぁ。小学生の頃から知ってるらしい。まぁ、最も中等部を出る時には彼とは縁を切っていたそうだがな。知り合い伝に彼が結婚相手欲しさに年下の女の子を口説いてるって噂を聞いたらしい。親父曰く、奴は学生の頃から女好きだったらしい。ホントキメェ話だよな」
そう言うと彼は「おっと、長居し過ぎたな。迷惑を掛けて済まなかったな。このパーティーにはそういう輩が少なからずいるから気を付けてな」と言い「互いに良い夜をな」と残し、私達の元から去っていった。
漸く騒がしいのがいなくなったと安堵していると、張り詰めていた糸が切れたようにレーネとシェイリが大きな溜め息を吐いてからそれぞれがこんなことを言った。
「いやぁ~一気に酔いが覚めちゃいましたよ、」
「ちょっと先輩、心臓に悪いですよ。もうホントに心臓バグバグで……辞めてくださいよぉ、知らない人にあんな悪態つくの……」
「え、だって、なんかウザかったじゃん?凄いダルいし……。それに私にあんな顔を近付けて臭い息を吐きながら話し続けるんだもん、イラってきちゃってね」
突然の不測の事態に引き続き修羅場が発生したが、室内は再びパーティームードに包まれていた。
「先輩、食べないんですか?こんなご馳走、もしかしたらこの先食べる機会無いかもですよ?」
「お前それは人を馬鹿にし過ぎだ。言っただろ?さっきも。疲れているんだよ私は……歩き疲れていて食欲が無い。それにもう眠いんだ……ふあぁ」
「大変、お疲れの様ですねサテラさん」
心優しいシェイリは私にそう声を掛けてくれた。全く、レーネにはこういう労いの言葉の一つや二つは出ないものか。
そんな風に話していると今度は同時に2組がやって来た。最初にシェイリが話していた男3人組と当主のオーエンだ。3人組は私やレーネに興味は無いのか「さっきは修羅場だったね~」とシェイリだけ連れて室内の中央へと移動した。別れ際シェイリは「短い時間でしたがお話し出来て良かったです。後で良かったら部屋に来てください。4階の402号室です」と言っていたが……まぁ、行く事は無いだろうな。
「しかし、変わったな……シェイリ。最愛の婚約者を失うと人はこうも変わるものなのか……」
そうボソッと呟くとレーネが「え、今、何か言いましたか?」と尋ねてくる。私は「なんでもない」とだけ言い、部屋を後にしようとするが「待て」と彼が腕を掴んだ。
「オーエンさん、まだ何か?」
「恍けるなよ。この際、見世物はどうだっていい。せめて名前だけでも教えてくれないか?どうやら僕はお前の事を結構、気に入ってしまったようだ」
そうウットリとした表情を浮かべるオーエン。これは恐らく、アルコールが回ってきている。
「さっきのやり取りを見たでしょう?私を口説いても無駄ですよ」
「あぁ、見せてもらった。非常に面白いものであった。あれが君から僕への最高の誕生日プレゼントだ。そうだ、この後、僕の部屋に来ないか?2人でホールケーキを食べようじゃないか!」
そう熱烈に提案してくる彼に対して私は「結構です」と言うと彼の腕を振り解いた。いつぞやの日の如く、ケーキと言う言葉にレーネは即座に反応を示したが彼女の小さな顔を手の平で押さえ付けてソファへと座らせる。
まだ諦める様子の無い彼に対し、私はそろそろ痺れを切らしていたが彼のおかげで私は救われた。
「オーエン様、ただいま戻りました」
「おっ、爺やか」
「はい。不測の事態の事と、運んで来るケーキについてお話が」
音も立てずに現れた執事長によってオーエンは連れて行かれた。
「しかし、奴は本当に気配を感じさせぬな。まるで“ニンジャ”ってやつみたいだな。噂に聞く」
「なんか、そんなようなこと、輝夜さんも知っていましたね」
するとこの会話に乱入してくる者が現れた。今回のパーティーである意味で主役のオーエンより存在感を放っていたハクビャクイン?とかいう和性の男だ。彼は遅れて部屋に入って来た時から異様な雰囲気を放っていた。
ゆっくりとこちらへとやって来るハクビャクイン。
「あの、何か?」
私から先に尋ねるとその御老人は足をゆっくり泊め、ソファへと視線を向ける。どうやら座りたいようだ。
「レーネ。食べ終わった食器とグラス、下げて来て」
どうせレーネは気が利かないと思い、こういう形で彼女にはどいて貰い、ソファを空けさせた。
「どうぞ。お座りください」
ハクビャクインは「恩に着る」とだけ言い、ゆっくりと腰を下ろした。
「それで何か?」
ハクビャクインはゆっくりと口を開き、ゆっくりと話し始めた。
「洋酒に飽きてな……泊まる部屋に戻ろうとしていた。腹も満たされたし、年寄りは眠くなるのが早くてな?その時に偶々お主らの会話が入って来たのじゃ。あぁ、偶々じゃ」
「と、言いますと?」
「“忍者”とお主らは申しておらなかったかな?忍者、と」
「えぇ、それが何か?」
ハクビャクインを顎にシワをよせ、力強く唇を噛み締める、再び口を開きこう言った。
「それはワシの故郷の言葉じゃ、我が愛しの国。和國の。何故、お主ら西洋人がその言葉を知っている。いつどこで知ったのじゃ?」
「あぁ~なるほど。そういうことですか」
私は何故、自分がこの事を知っているのかという事とそれを教えてくれた存在。“輝夜”という名の聖職者について説明をした。
レーネが別の料理を持って再び、ここに戻って来る頃にはその経緯についての会話も終わりを迎えようとしていた。
その時に再び、修羅場が発生したのだった。
「てめぇ、いい気になりやがって!ぶち殺すぞぉ!!」
「んだとぉ、殺ってみろよタコスケがぁ。お前みたいなヒヨっ子に殴られてもなぁ?痛くも痒くもね~んだよこっちはよぉ」
中央の方から男性2人の口論が聞こえてくる。それも先程の2人のやり取りとは比にならないくらい激しい争いだ。
「また、修羅場か……」
私が呆れているとハクビャクインが「ワシが止めてこよう」と動き始める。
だが、その前に彼ら2人は西部劇に出てきそうな保安官みたいな青い目の男性とガタイの良い中年の男性によって引き離され、瞬時に気絶させられた。
争っていた男2人は呼び出された執事達数名によって宿泊部屋と運ばれて行った。
私は中央へと向かい状況を聞きに行った。
「あの、何があったんですか?」
近くに立っていた奇抜な髪色の女性に尋ねると「アタシもよく分からないけど、『俺の父のことを侮辱するなぁ~』とか言って優しそうな顔の男がブチ切れたんだよ。それでスキンヘッドの男も逆ギレしちゃって、軽い争いが起きた。飲みの席ではよくある事さ」と特に気にした様子も無く淡々と語ってくれた。
そう言い残し、一人どこかへと消えてく彼女。人々の隙間から小さくなって行く彼女の背中を意味も無く見つめていた私だったがふと、誰かの視線が気になった。
周囲を見渡し、その視線を送り続ける人物を探す。
(誰だ?今、誰かが私を……。あの執事か?それともオーエン?いや、もっと別の感じがしたが……)
こうして見るとパーティーの参加者達はどいつもこいつも個性的……と言うべきか怪しい……と言うべきか我の強い者達ばかりであった。
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