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第12話 名前で呼んでほしい
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「……いいよ……調子に乗って、浮かれて落とした俺が悪かったんだから……」
楽しくなってしまって、課題のことを忘れてしまうくらいお調子者なのに。力を使ってしまった華奈をせめることなく、自分が悪かったのだと言うシオンが、華奈にはとても眩しく輝いて見えました。そして、なんとか彼の力になりたい、改めて強くそう思います。
「でも……じゃあ、これからどうするの?」
華奈がそう聞くと、シオンは明るい笑顔をつくって答えます。
「とりあえず様子をみてみようと思う。もしかしたら意外と早く元に戻れるかもしれないし」
それを聞いて、本当に大丈夫かしらと華奈は心配になりました。けれど、力の戻るスピードがどのくらいなのか、想像もつかないので、せめて少しでもすごしやすいようにしてあげよう、そう思って提案をしました。
「それなら明日、私が学校へ行っている間はこのお部屋で待っていてくれる?」
姿を消せないのなら一緒に学校へ行くことは難しいだろうし、何かの箱に入っているにしても、きゅうくつだろうと思い、言ったのですが、
「この部屋に……一人で……?」
ピンクのカーテンに家具、そしてベッドの上に並ぶ可愛いぬいぐるみたち。華奈の、かわいらしい部屋全体をぐるりとながめてから、シオンは華奈を見て言いました。
「嫌だ! それはできない! こちらの世界をよく観察して、知ることも大事なんだ! それもやらなければならないことの一つだ! その為にも、この部屋で一人待つことはできない。
それに、一緒に外へ出たら、もしかしたら何か『良い行い』ができるかもしれないじゃないか!」
先ほどは言っていなかった、やらなければならないことの話と、一緒に行く理由。それらをとても真剣な顔で言うシオン。
「今、部屋を見てから決めなかった?」
華奈がシオンの目を見てそう聞くと、シオンは目を泳がせながら、別の方を見ます。
その様子は、ピンクに染まって可愛いものが沢山あるこの部屋に、一人では居たくないと物語っているようでした。
「私は毎日学校に行くのよ。週末はいろんなところに連れて行ってあげれると思うけど……。それに、一緒にいたらペンダントが私の願いに反応してしまうんじゃない?」
「それは大丈夫。俺がこうやって触れていれば、勝手に力を使ってしまうことはない、はずだ……。
いくら相性が良くても、元々は俺の力。俺とのつながりの方が強いからな」
そこまで言われたら、華奈はもうダメとは言えません。
「わかったわ。じゃあ、何とか誰にも見つからないよう、気をつけましょう」
そして、華奈とシオンはいくつかの決め事をしました。
その一、この部屋以外で、華奈に話しかけていいのは『良い行い』をする時のみ、他の人にバレないように。
その二、指定の場所から勝手に離れないこと。
その三、休み時間ごとに人のいないところで、できる限りシオンを外に出すこと。
「あとは……一日中ポケットじゃ流石に苦しいだろうから、学校に持って行っても大丈夫で不自然でないもの……」
シオンが少しでもすごしやすいようにと、華奈は一生懸命に考え始めました。すると、シオンが思い出したように言います。
「あ、そういえば。これよりもっと小さくなるのに、力はそんなに必要じゃないぞ?」
「そうなの?」
それならなんとかなりそうかしら、と華奈は腕を組んで明日を想像してみました。
「ありがとうな、お前……」
そう言って、シオンは華奈を見つめます。
それに気づいた華奈は、なんとなくですが、名前で呼ぼうとしてくれているのかな? と思いました。
名前で呼んでほしい──
そう思った華奈はもう一度名前を告げました。
「私の名前は華奈、よ。シオン」
「華……奈?」
確認するような声でだけれど、シオンの口から自分の名前が聞こえると、華奈の心臓はドキンとはねます。そして、ドキドキし続ける胸を感じながら笑顔でうなずきました。すると、シオンも笑顔で、両手を腰にあてて言います。
「何はともあれ、よろしくな!」
「こちらこそ、シオン」
それから二人は色々な話をして、いつのまにか眠りについていました。
楽しくなってしまって、課題のことを忘れてしまうくらいお調子者なのに。力を使ってしまった華奈をせめることなく、自分が悪かったのだと言うシオンが、華奈にはとても眩しく輝いて見えました。そして、なんとか彼の力になりたい、改めて強くそう思います。
「でも……じゃあ、これからどうするの?」
華奈がそう聞くと、シオンは明るい笑顔をつくって答えます。
「とりあえず様子をみてみようと思う。もしかしたら意外と早く元に戻れるかもしれないし」
それを聞いて、本当に大丈夫かしらと華奈は心配になりました。けれど、力の戻るスピードがどのくらいなのか、想像もつかないので、せめて少しでもすごしやすいようにしてあげよう、そう思って提案をしました。
「それなら明日、私が学校へ行っている間はこのお部屋で待っていてくれる?」
姿を消せないのなら一緒に学校へ行くことは難しいだろうし、何かの箱に入っているにしても、きゅうくつだろうと思い、言ったのですが、
「この部屋に……一人で……?」
ピンクのカーテンに家具、そしてベッドの上に並ぶ可愛いぬいぐるみたち。華奈の、かわいらしい部屋全体をぐるりとながめてから、シオンは華奈を見て言いました。
「嫌だ! それはできない! こちらの世界をよく観察して、知ることも大事なんだ! それもやらなければならないことの一つだ! その為にも、この部屋で一人待つことはできない。
それに、一緒に外へ出たら、もしかしたら何か『良い行い』ができるかもしれないじゃないか!」
先ほどは言っていなかった、やらなければならないことの話と、一緒に行く理由。それらをとても真剣な顔で言うシオン。
「今、部屋を見てから決めなかった?」
華奈がシオンの目を見てそう聞くと、シオンは目を泳がせながら、別の方を見ます。
その様子は、ピンクに染まって可愛いものが沢山あるこの部屋に、一人では居たくないと物語っているようでした。
「私は毎日学校に行くのよ。週末はいろんなところに連れて行ってあげれると思うけど……。それに、一緒にいたらペンダントが私の願いに反応してしまうんじゃない?」
「それは大丈夫。俺がこうやって触れていれば、勝手に力を使ってしまうことはない、はずだ……。
いくら相性が良くても、元々は俺の力。俺とのつながりの方が強いからな」
そこまで言われたら、華奈はもうダメとは言えません。
「わかったわ。じゃあ、何とか誰にも見つからないよう、気をつけましょう」
そして、華奈とシオンはいくつかの決め事をしました。
その一、この部屋以外で、華奈に話しかけていいのは『良い行い』をする時のみ、他の人にバレないように。
その二、指定の場所から勝手に離れないこと。
その三、休み時間ごとに人のいないところで、できる限りシオンを外に出すこと。
「あとは……一日中ポケットじゃ流石に苦しいだろうから、学校に持って行っても大丈夫で不自然でないもの……」
シオンが少しでもすごしやすいようにと、華奈は一生懸命に考え始めました。すると、シオンが思い出したように言います。
「あ、そういえば。これよりもっと小さくなるのに、力はそんなに必要じゃないぞ?」
「そうなの?」
それならなんとかなりそうかしら、と華奈は腕を組んで明日を想像してみました。
「ありがとうな、お前……」
そう言って、シオンは華奈を見つめます。
それに気づいた華奈は、なんとなくですが、名前で呼ぼうとしてくれているのかな? と思いました。
名前で呼んでほしい──
そう思った華奈はもう一度名前を告げました。
「私の名前は華奈、よ。シオン」
「華……奈?」
確認するような声でだけれど、シオンの口から自分の名前が聞こえると、華奈の心臓はドキンとはねます。そして、ドキドキし続ける胸を感じながら笑顔でうなずきました。すると、シオンも笑顔で、両手を腰にあてて言います。
「何はともあれ、よろしくな!」
「こちらこそ、シオン」
それから二人は色々な話をして、いつのまにか眠りについていました。
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