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14. 救出にきた小さな二人
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元老の一人が牢屋から出ていった。
混血……ここでそれらしき者は……
「こ……混血の何が問題なんだ……⁈」
もう僕が鬼の血を引く者だとバレているし、この際気になることは全部聞いてやる――!
「力が薄まるのがなんだっていうんだ⁉︎ 力なんか無くとも生きていけ――ぐっ――」
つかまれたままの前髪が、さらに引っ張り上げられ、僕は呻いた。
「混血は力の均衡を崩し破壊する……害でしかないんだよ!」
力の均衡を崩す――⁉︎
その時牢屋の向こう、街のあった方角から爆発音が聞こえた。
「……何だ⁉︎」
「一体何が起こったんだ⁉︎」
全員が様子を伺うように、音の聞こえてきた方を見る。すると、人々の叫び声が聞こえてきた――
「おい、誰か確認してこい!」
焔生がそう言い、二人が牢屋の入り口へと動いたその時。
白い煙が街の方から流れてきて、あっという間に牢屋の中を埋め尽くした。
「なんだ⁉︎ この煙は――!」
「ぐぁっ⁉︎」
「――っ⁉︎」
聞こえてきたのは焔生をはじめ、元老たちの声。
「動ける者はいるか⁉︎ 換気口を開けるんだ!」
誰からも返事がなく、焔生は僕の髪から手を離してどこかへと向かった。遠くから聞こえる叫び声と騒めきの中、注意深く進んでいく足音が遠ざかっていく。
一体何が起きて――
「ルカおじちゃん、枷を外すから逃げよ!」
その時、耳元に聞こえてきたのは聞き覚えのある可愛らしい声――
「茶子ちゃん⁈」
僕が名前を呼んだ瞬間、右、左の順に、鎖を固定している岩壁が破壊された。
「うわぁっ」
尻もちをつく形に座り込むと、煙で何も見えない中、今度は目の前から声が聞こえる。
「茶子、こっちもだ。足の木枷も破壊してくれ」
「鳶之介くんも――⁉︎」
バキィっという音と共に足が解放されると、突然何かが僕の懐に飛び込んだ。
「茶子ちゃん……!」
「ルカおじちゃん、大丈夫? 痛いところとかない?」
「大丈夫だよ、ありがとう。
でもどうしてここに――」
ほんの少し煙が流れて、微かに鳶之介くんの顔が見えた。彼は僕の上から茶子ちゃんを下ろすと、手を伸ばしながら微笑んで言った。
「うちの方に連絡が来たんです。元老たちが混血の排除に動くらしいって」
「そうしたら、きっとルカおじちゃんも危ないから。迎えに来たのよ!」
ありがとう、と言いながら鳶之介くんの手を取りなんとか立ち上がる。
「この島で混血なのは僕たちだけなので。よかったらほとぼりがさめるまで一緒に行きませんか?」
「それはもちろん、でも――ほとぼりってさめるのかな……」
そんなことが可能なのだろうか、と思ってつぶやくと、鳶之介くんは爽やかな笑顔で言う。
「大丈夫です。必ずさめます」
「にぃに、早く行こ。戻ってきちゃうよ焔生おじいちゃん」
「ん、そうだね。行こう!」
混血……ここでそれらしき者は……
「こ……混血の何が問題なんだ……⁈」
もう僕が鬼の血を引く者だとバレているし、この際気になることは全部聞いてやる――!
「力が薄まるのがなんだっていうんだ⁉︎ 力なんか無くとも生きていけ――ぐっ――」
つかまれたままの前髪が、さらに引っ張り上げられ、僕は呻いた。
「混血は力の均衡を崩し破壊する……害でしかないんだよ!」
力の均衡を崩す――⁉︎
その時牢屋の向こう、街のあった方角から爆発音が聞こえた。
「……何だ⁉︎」
「一体何が起こったんだ⁉︎」
全員が様子を伺うように、音の聞こえてきた方を見る。すると、人々の叫び声が聞こえてきた――
「おい、誰か確認してこい!」
焔生がそう言い、二人が牢屋の入り口へと動いたその時。
白い煙が街の方から流れてきて、あっという間に牢屋の中を埋め尽くした。
「なんだ⁉︎ この煙は――!」
「ぐぁっ⁉︎」
「――っ⁉︎」
聞こえてきたのは焔生をはじめ、元老たちの声。
「動ける者はいるか⁉︎ 換気口を開けるんだ!」
誰からも返事がなく、焔生は僕の髪から手を離してどこかへと向かった。遠くから聞こえる叫び声と騒めきの中、注意深く進んでいく足音が遠ざかっていく。
一体何が起きて――
「ルカおじちゃん、枷を外すから逃げよ!」
その時、耳元に聞こえてきたのは聞き覚えのある可愛らしい声――
「茶子ちゃん⁈」
僕が名前を呼んだ瞬間、右、左の順に、鎖を固定している岩壁が破壊された。
「うわぁっ」
尻もちをつく形に座り込むと、煙で何も見えない中、今度は目の前から声が聞こえる。
「茶子、こっちもだ。足の木枷も破壊してくれ」
「鳶之介くんも――⁉︎」
バキィっという音と共に足が解放されると、突然何かが僕の懐に飛び込んだ。
「茶子ちゃん……!」
「ルカおじちゃん、大丈夫? 痛いところとかない?」
「大丈夫だよ、ありがとう。
でもどうしてここに――」
ほんの少し煙が流れて、微かに鳶之介くんの顔が見えた。彼は僕の上から茶子ちゃんを下ろすと、手を伸ばしながら微笑んで言った。
「うちの方に連絡が来たんです。元老たちが混血の排除に動くらしいって」
「そうしたら、きっとルカおじちゃんも危ないから。迎えに来たのよ!」
ありがとう、と言いながら鳶之介くんの手を取りなんとか立ち上がる。
「この島で混血なのは僕たちだけなので。よかったらほとぼりがさめるまで一緒に行きませんか?」
「それはもちろん、でも――ほとぼりってさめるのかな……」
そんなことが可能なのだろうか、と思ってつぶやくと、鳶之介くんは爽やかな笑顔で言う。
「大丈夫です。必ずさめます」
「にぃに、早く行こ。戻ってきちゃうよ焔生おじいちゃん」
「ん、そうだね。行こう!」
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