【鬼シリーズ:第四弾】黄鬼の子孫の物語 〜忘れられた大切なコト〜

河原由虎

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18. 病の原因――“力”との因果

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「二人とも大丈夫? 特にルカさん、怪我とかしてないかい?」

 鳶之介君の後ろから現れたのは、出口の方からくるわずかな風に髪をなびかせているエミさんだった。

「はい、おかげさまで――」

 エミさんの案内で、僕たちは岩の小部屋へとたどり着いた。
 そこには木でできたテーブルと四脚の椅子があり、そのすぐ横に、茶子ちゃんが入れそうなくらい大きな袋が置いてあった。
 木窓が一つだけあり、開けるとその向こうは海で潮風が心地良い。

「しばらくはここを拠点にしましょう。鳶之介、茶子を連れて魚を釣ってきてくれる?」
「はーい!」

 二人はどこから持ってきたのか、竿とタライを持って海の方へと駆けて行った。

「さて、ルカさん。伝書鳩を飛ばしてわかったことがあるから、お伝えするよ」
「伝書鳩……?」

 聞くとエミさんは、僕が朱夫に連れて行かれた後、すぐに伝書鳩を飛ばしたそうだ。本土の緑鬼の里に行っている旦那さんの元へ。

「私も緑鬼の里の全てを知るわけではないから……聞いた症状を書いて、問い合わせてみたんだ」
「ありがとうございます――!」
「もし混血が原因の一つならば、そう遠くない将来、私たちの身にも起こりうる事だと思ったからね」

 自分の為だから、と苦笑するエミさんに、それでも僕は感謝の念しかなかった。

「それで、返事には……緑鬼の里の古い記録で、似たような症状の病の事が書かれていたと。原因は――」

 原因もわかったのか――
 僕はゴクリと唾を飲み込み、次の言葉を待った。

「……体内に蓄積されてしまう力の影響」
「蓄積――?」

 それは一体どういうことなのだろうか……?

「これは私たちにとっては常識なんだけど――。我等が鬼の力は、種族によって現れ方に多少の差異はあっても、元となるのは自然界から得るもの。
 使える力の大きさに個人差はあっても、その力を得るための法則は皆同じ」

 考えたこともなかった。てっきり元から特殊な力を自分たちの血の中に持っているのだと――
 いや、十分に特殊ではあるのだけれど。

「では……自然のない所では力を持てないんですか?」
「そうだね……この世にそんな場所があるだなんて、想像もできないけれど……。
 基本的に身体能力へと変換される鬼の力は、種族ごとによって、ごく稀に別の現れ方もする。
 私の治癒の力は、森や草花といったものから力を得る、緑鬼のもの」

 緑鬼の誰もが持つ力ではないのか――

「青鬼は海から力を得て水を操る力。そして赤鬼は火の山から力を得て火を操る者が数十年に一人の割合で出る。
 髪の色から察するに、ルカさんの一族の力は光に属するもの……そして里は、太陽の光が絶えないような場所じゃないかい?」
「たぶん……そうです――!」

 力の詳細はわからないけれど、場所は確かに――!
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