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19. 虎の毛皮
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「自然から得る力は、使用することで体外に出る。大人はそれを、呼吸と同じように行うことができるけど、多くの子供はそれができないらしい……」
ルシアーノはそれで……!
「そして、それを防ぐために日常的に使用される物があって……いくつか持ってきたんで渡しておくよ」
エミさんは、大きな袋から麻布のカバンを取り出して僕に渡した。
「外側の麻袋は、肩から掛けれるように、紐を長くしておいた。
中に、鬼の一族が赤子の頃から身につける物を入れておいたよ」
中を見ると、赤虎の毛皮で作られた袋が入っている。
「ここらの鬼の一族では、虎の皮を加工して身につける風習があるんだ。その理由は子が病に罹らず健康に育つように、というものなんだけど……どうやらソレには鬼の持つ力を調整する力があるらしい」
調整する……
「情けない話……私にとって当たり前のことすぎて……ただの願掛けだと思ってたんだよ」
申し訳なさそうな顔をして言うエミさん。
「そういえば僕が……着せてもらっている物も、この……赤虎の皮の物ですよね?」
パンツも――。と思うと、恥ずかしさで顔が火照ってしまうけれど。
「とても貴重な物だと、元老達が言ってました。装着者の身を守る能力がある、と……。
ありがとうございます。おかげで怪我を負わされることもなく――。できたらお返ししたいのですが……」
「いや、良かったらもらってやってほしい。ソレは元々旦那の物で、あの人にはもう合わない物だから」
「でも、代々引き継いでいく物なのでは……?」
貴重な品を子孫へ引き継いでいく事は、僕の故郷でも行われている。
「旦那曰く『鬼の身につける服は、己の力を示す物!』だそうでね。鳶之介もいずれ自分で取りに行くと、本人が言っているし、茶子にソレは……ねぇ」
そう言って苦笑するエミさん。
「箪笥の肥やしにするよりは使ってもらった方が、その毛皮も喜ぶでしょう」
「……そう言うことなら、ありがたく頂戴しておきます」
僕は膝に手を置き、テーブルスレスレのところまで頭を下げた。
「……助け合うのは当然だろ? お礼もいらないし! 早く中身を確認しておくれ!」
エミさんは照れた様子でそう言って、僕を急かした。
ルシアーノはそれで……!
「そして、それを防ぐために日常的に使用される物があって……いくつか持ってきたんで渡しておくよ」
エミさんは、大きな袋から麻布のカバンを取り出して僕に渡した。
「外側の麻袋は、肩から掛けれるように、紐を長くしておいた。
中に、鬼の一族が赤子の頃から身につける物を入れておいたよ」
中を見ると、赤虎の毛皮で作られた袋が入っている。
「ここらの鬼の一族では、虎の皮を加工して身につける風習があるんだ。その理由は子が病に罹らず健康に育つように、というものなんだけど……どうやらソレには鬼の持つ力を調整する力があるらしい」
調整する……
「情けない話……私にとって当たり前のことすぎて……ただの願掛けだと思ってたんだよ」
申し訳なさそうな顔をして言うエミさん。
「そういえば僕が……着せてもらっている物も、この……赤虎の皮の物ですよね?」
パンツも――。と思うと、恥ずかしさで顔が火照ってしまうけれど。
「とても貴重な物だと、元老達が言ってました。装着者の身を守る能力がある、と……。
ありがとうございます。おかげで怪我を負わされることもなく――。できたらお返ししたいのですが……」
「いや、良かったらもらってやってほしい。ソレは元々旦那の物で、あの人にはもう合わない物だから」
「でも、代々引き継いでいく物なのでは……?」
貴重な品を子孫へ引き継いでいく事は、僕の故郷でも行われている。
「旦那曰く『鬼の身につける服は、己の力を示す物!』だそうでね。鳶之介もいずれ自分で取りに行くと、本人が言っているし、茶子にソレは……ねぇ」
そう言って苦笑するエミさん。
「箪笥の肥やしにするよりは使ってもらった方が、その毛皮も喜ぶでしょう」
「……そう言うことなら、ありがたく頂戴しておきます」
僕は膝に手を置き、テーブルスレスレのところまで頭を下げた。
「……助け合うのは当然だろ? お礼もいらないし! 早く中身を確認しておくれ!」
エミさんは照れた様子でそう言って、僕を急かした。
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