5 / 42
クッコロ洞窟の冒険者
5「疑問(あぶデカ風)」の巻
しおりを挟む「…あなた、誰です?」
オレは、そもそもの問いを発した。
なぜ、オレの仲間達をこんな目に合わせつつ、オレを仕留めてしまわないのか。
ワザといたぶって楽しんでいるとしたら、
……運が悪かったとしか言いようがない。
せめて、オレの手で仲間達を楽にしてやるべく、『敵』と会話しながらオレは徐々に袖口に仕込んだ小さな仕込針に手を伸ばす。
「…やめておきなさい」
『敵』は、オレに背中を向けたまま、静かで冷静な声を発した。『敵』の言葉とともに、急激に部屋の気温が下がり始めたような気がした。
『敵』のブルネットの髪がまるで多頭の蛇のように、ダンジョン内の空間の中を波打ち漂っている。
それを見たオレはケツにツララを突っ込まれたような悪寒を感じる。
まさか、『敵』はオレの狙いに気付いている?
「……その坊やのモノよりも、
ちっちゃな、ちっちゃな、その針でこの女の子達をどうにかしようなんて――――
――――ん?……まぁ待てまて…アリっちゃアリかな…うん」
『敵』は、静かで真面目な口調の途中から、一気にふざけた口調に変わる。
『―――そんなお粗末なモノで私達二人に挑むつもりだったの(笑)。フンっ…お笑いね!?
―――ホラホラホラさっきまでの威勢の良さはどこいったの!?』
っていう場面展開…となにやら一人で妄想しながらブツブツつぶやき出した『敵』(ブラなし髪隠し)。
どうやら、
【ちっちゃな針】→【ちっちゃなオレのモノ】→【女2対男1でオレ(17歳童貞)が蹂躙される】
という不躾な妄想をしているようだ。
……大人のくせに、エロマンガよく読むタイプの高校生みたいな行動と思考回路だ。
「……そもそも、なんであいつ等ああなってるんでしたっけ?」
袖口の仕込針を、かたわらの崖へポイしたオレは、『敵』(目元だけ覆うピンクの蝶々の仮面)に話しかける。
狙いを見抜かれている(のかどうなのか)、オレは褐色の肌と長い爪を持つ『敵』(純白Tバック)に話しかけながら、時間稼ぎすることしかできない。
仲間が二人共頼りにならないので敵に話しかけるしかないなんて、なんてザマだ!
―――話は半刻ほど前に遡る。
続く…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる