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69. 久しぶりのちくわぶ
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退院の日、久しぶりに帰宅した奏多を待っていたのは、玄関先で尻尾を激しく振るちくわぶだった。
「ただいま、ちくわぶ。寂しかった? ごめんね」
奏多が屈んで手を差し伸べた瞬間、再会の喜びが爆発したちくわぶは、凄まじい勢いで奏多の胸元へ飛びついた。
「わっ……! あ、……っ!!」
ちくわぶの頭が、まだ癒着しきっていない腹部の傷口にクリティカルヒットする。奏多は一瞬息を詰め、そのまま玄関の床に膝をついて、お腹を押さえたまま蹲ってしまった。
「奏多さん!!」
背後から荷物を持って入ってきたリオが、悲鳴に近い声を上げて駆け寄る。
「大丈夫……ちょっと、響いただけだから……」
顔を真っ青にしながらも、奏多は心配させまいと無理に微笑もうとする。だが、額にはじわりと冷や汗が浮かんでいた。
それを見たリオの顔から、一瞬にして余裕が消えた。
「全然大丈夫じゃないじゃないですか! ちくわぶ! 駄目って言ったでしょ、お兄ちゃんは怪我してるんだから!」
リオはちくわぶを引き剥がすと、奏多の脇を抱えて必死に支えようとする。
「ほら、無理しないで僕に捕まってください! 病院戻りますか? それとも救急車!? ああもう、だからまだ退院は早いって言ったんですよ! 颯真さん、何ボサッとしてるんですか、早く奏多さんの反対側持って!」
「ちょリオ君、落ち着け。奏多、歩けるか?」
颯真も苦笑しながら駆け寄るが、リオの形相は真剣そのものだった。
「落ち着いていられません! 奏多さんに万が一のことがあったら、僕……僕、ちくわぶと一緒に家出しますからね!」
「なんでちくわぶまで連れていくんだよ……」
「とにかく! 今日から一週間、奏多さんは指一本動かしちゃダメです! お風呂も僕が洗いますし、ご飯も僕が食べさせます! ちくわぶも今日は僕の部屋で隔離です!」
「ええっ、それは流石にやりすぎだよ、リオくん……」
奏多の抗議も虚しく、リオは「問答無用です!」と叫びながら、奏多をリビングのソファまで半ば引きずるようにして運び、羽毛布団でぐるぐる巻きにして固定してしまった。
結局、久しぶりの我が家で奏多を待っていたのは、自由ではなく、リオによる「鉄壁の甘やかし監視体制」だった。
ちくわぶが廊下の端で「やりすぎだよ……」と言いたげにシュンと座り込み、颯真が「お疲れ、奏多」と肩をすくめる。
傷口の痛みは少しあったけれど、自分を想って怒るリオの熱量に、奏多は「幸せだなぁ」と、結局いつものようにふんわりと微笑むのだった。
「ただいま、ちくわぶ。寂しかった? ごめんね」
奏多が屈んで手を差し伸べた瞬間、再会の喜びが爆発したちくわぶは、凄まじい勢いで奏多の胸元へ飛びついた。
「わっ……! あ、……っ!!」
ちくわぶの頭が、まだ癒着しきっていない腹部の傷口にクリティカルヒットする。奏多は一瞬息を詰め、そのまま玄関の床に膝をついて、お腹を押さえたまま蹲ってしまった。
「奏多さん!!」
背後から荷物を持って入ってきたリオが、悲鳴に近い声を上げて駆け寄る。
「大丈夫……ちょっと、響いただけだから……」
顔を真っ青にしながらも、奏多は心配させまいと無理に微笑もうとする。だが、額にはじわりと冷や汗が浮かんでいた。
それを見たリオの顔から、一瞬にして余裕が消えた。
「全然大丈夫じゃないじゃないですか! ちくわぶ! 駄目って言ったでしょ、お兄ちゃんは怪我してるんだから!」
リオはちくわぶを引き剥がすと、奏多の脇を抱えて必死に支えようとする。
「ほら、無理しないで僕に捕まってください! 病院戻りますか? それとも救急車!? ああもう、だからまだ退院は早いって言ったんですよ! 颯真さん、何ボサッとしてるんですか、早く奏多さんの反対側持って!」
「ちょリオ君、落ち着け。奏多、歩けるか?」
颯真も苦笑しながら駆け寄るが、リオの形相は真剣そのものだった。
「落ち着いていられません! 奏多さんに万が一のことがあったら、僕……僕、ちくわぶと一緒に家出しますからね!」
「なんでちくわぶまで連れていくんだよ……」
「とにかく! 今日から一週間、奏多さんは指一本動かしちゃダメです! お風呂も僕が洗いますし、ご飯も僕が食べさせます! ちくわぶも今日は僕の部屋で隔離です!」
「ええっ、それは流石にやりすぎだよ、リオくん……」
奏多の抗議も虚しく、リオは「問答無用です!」と叫びながら、奏多をリビングのソファまで半ば引きずるようにして運び、羽毛布団でぐるぐる巻きにして固定してしまった。
結局、久しぶりの我が家で奏多を待っていたのは、自由ではなく、リオによる「鉄壁の甘やかし監視体制」だった。
ちくわぶが廊下の端で「やりすぎだよ……」と言いたげにシュンと座り込み、颯真が「お疲れ、奏多」と肩をすくめる。
傷口の痛みは少しあったけれど、自分を想って怒るリオの熱量に、奏多は「幸せだなぁ」と、結局いつものようにふんわりと微笑むのだった。
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