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第20話 聖女
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分厚い隔壁が、重苦しい音を立てて左右に開いていく。
その隙間から漏れ出してきたのは、むせ返るほど甘く、濃密な花の香りだった。
「……っ、なによ、これ……」
俺の腕にぶら下がっていた玲子が、膝から崩れ落ちた。
彼女だけじゃない。ここまで冷静だったマリアでさえ、頬を紅潮させ、荒い息を吐きながら壁に手をついている。
「この匂い……貴方のフェロモンに似ているけど、桁が違う。……もっと純粋で、根源的な……」
俺たちは足を引きずるようにして、最深部のドームへと踏み込んだ。
そこは、まるで巨大な神殿だった。
壁一面に張り巡らされたバイオケーブルが脈打ち、中央に鎮座する巨大な円筒形の水槽へと繋がっている。
そして、その琥珀色の液体の中に、〝彼女〟はいた。
「綺麗……」
俺は無意識に呟いていた。
長い銀髪が水流に揺らめき、白磁のような肌は一切の傷もなく、完璧な曲線を描いている。何も身につけていないその肢体は、神々しいほどに無防備で、同時に暴力的なまでのエロスを放っていた。
彼女は眠っている。だが、その閉じた瞼の奥から、強烈な視線を感じる。
ドクンッ、ドクンッ!
俺の心臓が、早鐘を打った。
違う。これは恐怖じゃない。歓喜だ。俺の細胞の一つ一つが、目の前の存在を認識し、狂ったように叫び声を上げている。
『見つけた』『やっと会えた』『この女こそが、俺の半身だ』と。
「彼女の名前は『イヴ』。……組織が30年前に発見した、特異体質の女性よ」
マリアが、熱に浮かされたような声で解説を始めた。
「彼女の体液には、細胞の老化を止め、永遠に再生させる酵素が含まれている。……それが『不老不死』の正体。でも、一つだけ問題があったわ」
「……問題?」
「彼女は、普通の男の精子を受け付けないの。どんな男と交配させても、彼女の免疫機能が精子を異物として食い殺してしまう。……だから組織は、彼女に見合う『最強の雄』を人工的に作り出すしかなかった」
マリアが俺を見た。その瞳は、嫉妬と羨望が入り混じった複雑な色をしていた。
「それが貴方よ、408番。……貴方は、彼女を妊娠させるためだけに設計され、数千の失敗作の屍の上に生まれた、たった一人の『アダム』なの」
「俺が……こいつのために……?」
俺はふらふらと水槽に歩み寄った。
ガラス越しに、イヴの豊かな乳房と、滑らかな腹部、そして秘められた聖域が見える。
俺の股間は、かつてないほどの激痛を伴って硬直し、ズボンを突き破らんばかりに膨れ上がっていた。
小鳩やミサ、玲子……今まで抱いてきた女たちとは訳が違う。
本能が告げている。この女の中に注ぎ込みたい。俺の全てを、この聖女の子宮に叩きつけて、種を植え付けたい。その衝動だけで、頭が焼き切れそうだ。
「あ……ぅ……、俊弘、さん……だめ……」
玲子が床を這いながら、俺の足首を掴んだ。
彼女のスカートの中は、溢れ出した愛液で地図を描いている。この空間に満ちるイヴのフェロモンに当てられ、彼女自身も発情しているのだ。
「私を見て……私で我慢して……。あの中に入ったら、貴方……戻ってこれなくなる……」
「離せ、玲子」
俺は玲子の手を振り払った。
今の俺には、イヴ以外のものは石ころと同じだ。
俺は水槽のガラスに手を触れた。
その瞬間。
カッ!
水槽の中のイヴが、ゆっくりと目を見開いた。
深紅の瞳。
その瞳が俺を捉えた瞬間、脳内に直接、甘い声が響いてきた。
『……待っていたわ。私の王(キング)』
声じゃない。テレパシーか、あるいはフェロモンによる共鳴か。
イヴが水槽の中で微笑み、ガラス越しに俺の手に、自身の掌を重ね合わせた。
ジュッ……!
ガラスが熱を帯び、溶解し始める。
彼女もまた、俺を求めている。俺の種を欲して、30年の眠りから覚醒しようとしているのだ。
「おい、マリア! これを開ける方法は!?」
「制御パネルはそこよ! ……でも気をつけて! 封印を解けば、彼女のフェロモン濃度は致死レベルになるわ! 常人ならショック死する!」
「俺は常人じゃねえ! ……この女の『番(つがい)』だ!」
俺は制御レバーを力任せに引き下ろした。
プシューーーッ!!
凄まじい蒸気と共に、水槽のロックが外れる。琥珀色の液体が床にぶちまけられ、甘い香りが爆風となって俺を襲った。
「……ぁあ……っ!」
液体と共に流れ出てきたイヴの体を、俺は両手で受け止めた。
濡れた肌の感触。信じられないほど熱い。そして柔らかい。
彼女は俺の首に腕を回し、まるで何十年も連れ添った恋人のように、自然に唇を重ねてきた。
「ん……っ、ちゅ……」
雷に打たれたような衝撃が走った。
口移しで流れ込んでくる唾液だけで、腰が抜けそうなほどの快楽。
俺は彼女を抱きかかえたまま、培養液の海に倒れ込んだ。
「やっと……やっと来たのね。……私の渇きを癒してくれる雄が」
イヴが俺のズボンを引き裂き、猛り狂う凶器を鷲掴みにした。
「さあ、早く……。私の中を、貴方でいっぱいにして……」
彼女が自ら腰を沈め、俺の先端を自身の秘部に導く。
世界を支配する「不老不死」の女神と、底辺から這い上がった「種馬」の、運命の交合が始まろうとしていた。
______________
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『背徳のアルゴリズムと、聖女の嘘』
その隙間から漏れ出してきたのは、むせ返るほど甘く、濃密な花の香りだった。
「……っ、なによ、これ……」
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「この匂い……貴方のフェロモンに似ているけど、桁が違う。……もっと純粋で、根源的な……」
俺たちは足を引きずるようにして、最深部のドームへと踏み込んだ。
そこは、まるで巨大な神殿だった。
壁一面に張り巡らされたバイオケーブルが脈打ち、中央に鎮座する巨大な円筒形の水槽へと繋がっている。
そして、その琥珀色の液体の中に、〝彼女〟はいた。
「綺麗……」
俺は無意識に呟いていた。
長い銀髪が水流に揺らめき、白磁のような肌は一切の傷もなく、完璧な曲線を描いている。何も身につけていないその肢体は、神々しいほどに無防備で、同時に暴力的なまでのエロスを放っていた。
彼女は眠っている。だが、その閉じた瞼の奥から、強烈な視線を感じる。
ドクンッ、ドクンッ!
俺の心臓が、早鐘を打った。
違う。これは恐怖じゃない。歓喜だ。俺の細胞の一つ一つが、目の前の存在を認識し、狂ったように叫び声を上げている。
『見つけた』『やっと会えた』『この女こそが、俺の半身だ』と。
「彼女の名前は『イヴ』。……組織が30年前に発見した、特異体質の女性よ」
マリアが、熱に浮かされたような声で解説を始めた。
「彼女の体液には、細胞の老化を止め、永遠に再生させる酵素が含まれている。……それが『不老不死』の正体。でも、一つだけ問題があったわ」
「……問題?」
「彼女は、普通の男の精子を受け付けないの。どんな男と交配させても、彼女の免疫機能が精子を異物として食い殺してしまう。……だから組織は、彼女に見合う『最強の雄』を人工的に作り出すしかなかった」
マリアが俺を見た。その瞳は、嫉妬と羨望が入り混じった複雑な色をしていた。
「それが貴方よ、408番。……貴方は、彼女を妊娠させるためだけに設計され、数千の失敗作の屍の上に生まれた、たった一人の『アダム』なの」
「俺が……こいつのために……?」
俺はふらふらと水槽に歩み寄った。
ガラス越しに、イヴの豊かな乳房と、滑らかな腹部、そして秘められた聖域が見える。
俺の股間は、かつてないほどの激痛を伴って硬直し、ズボンを突き破らんばかりに膨れ上がっていた。
小鳩やミサ、玲子……今まで抱いてきた女たちとは訳が違う。
本能が告げている。この女の中に注ぎ込みたい。俺の全てを、この聖女の子宮に叩きつけて、種を植え付けたい。その衝動だけで、頭が焼き切れそうだ。
「あ……ぅ……、俊弘、さん……だめ……」
玲子が床を這いながら、俺の足首を掴んだ。
彼女のスカートの中は、溢れ出した愛液で地図を描いている。この空間に満ちるイヴのフェロモンに当てられ、彼女自身も発情しているのだ。
「私を見て……私で我慢して……。あの中に入ったら、貴方……戻ってこれなくなる……」
「離せ、玲子」
俺は玲子の手を振り払った。
今の俺には、イヴ以外のものは石ころと同じだ。
俺は水槽のガラスに手を触れた。
その瞬間。
カッ!
水槽の中のイヴが、ゆっくりと目を見開いた。
深紅の瞳。
その瞳が俺を捉えた瞬間、脳内に直接、甘い声が響いてきた。
『……待っていたわ。私の王(キング)』
声じゃない。テレパシーか、あるいはフェロモンによる共鳴か。
イヴが水槽の中で微笑み、ガラス越しに俺の手に、自身の掌を重ね合わせた。
ジュッ……!
ガラスが熱を帯び、溶解し始める。
彼女もまた、俺を求めている。俺の種を欲して、30年の眠りから覚醒しようとしているのだ。
「おい、マリア! これを開ける方法は!?」
「制御パネルはそこよ! ……でも気をつけて! 封印を解けば、彼女のフェロモン濃度は致死レベルになるわ! 常人ならショック死する!」
「俺は常人じゃねえ! ……この女の『番(つがい)』だ!」
俺は制御レバーを力任せに引き下ろした。
プシューーーッ!!
凄まじい蒸気と共に、水槽のロックが外れる。琥珀色の液体が床にぶちまけられ、甘い香りが爆風となって俺を襲った。
「……ぁあ……っ!」
液体と共に流れ出てきたイヴの体を、俺は両手で受け止めた。
濡れた肌の感触。信じられないほど熱い。そして柔らかい。
彼女は俺の首に腕を回し、まるで何十年も連れ添った恋人のように、自然に唇を重ねてきた。
「ん……っ、ちゅ……」
雷に打たれたような衝撃が走った。
口移しで流れ込んでくる唾液だけで、腰が抜けそうなほどの快楽。
俺は彼女を抱きかかえたまま、培養液の海に倒れ込んだ。
「やっと……やっと来たのね。……私の渇きを癒してくれる雄が」
イヴが俺のズボンを引き裂き、猛り狂う凶器を鷲掴みにした。
「さあ、早く……。私の中を、貴方でいっぱいにして……」
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